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![]() 日本の4大トラック・メーカーの1つ、日野自動車のルーツは1918年(大正7年)、日本で初めての国産自動車(2トン積トラック)から始まった。1942年トヨタ自動車から日野自動車として独立し、1973年以来現在まで、トラックの国内トップ・クラスのメーカーとして常に先端を歩んできた。日本メーカーがシェアをほぼ独占する豪州の中型トラック市場においては、3割以上という高いシェアを誇る同社の在豪現地法人に、今年2月に就任したばかりの安藤順介社長を訪ねた。
4.5〜8.5トンまでの小型車から、8.5〜15トンまでの中型車、そして15トン以上の大型車まで、用途に合わせて幅広いバリエーションを製造し、日本国内だけでなく世界各地に販売網を展開、先端の技術と安全性を併せ持った製品を販売するトラック・メーカー、日野自動車。大量生産・大量消費社会を迎え、拡大の一途を辿った自動車化社会とともに、トラックによる物流は世界の経済発展に大きな役割を果たしてきたが、それと同時に、大気汚染や交通事故の増加といった自動車社会が抱える諸問題も表面化した。トラックに新たな可能性が求められるこうした風潮の中で、日本を代表するトラック・メーカーとして同社が掲げる企業テーマは、“性能は環境のために。”というもの。「環境保全」「生涯コスト」「輸送品質」「積載効率」「第三者とドライバーへの快適・安全性」のいずれにおいても、ほかの追随を許さないレベルで21世紀の世界の物流を担うトラック作りを目指している。 豪州市場における日野自動車のビジネスの歴史は、提携するトヨタ自動車の豪州販売網を経由してトラックを販売していた1970年から34年と長い。トヨタから分離・独立し、日野自動車100%出資の現地法人としてスタートしたのが94年。そして、当時、本社海外事業部のオセアニア地区担当として同社設立に偶然にも関わったのが、今年2月に就任した同現地法人の安藤順介社長。「自分で選んだ事務機材や家具を自分自身が使うことになるとは夢にも思わなかった」と笑う。 日本からのスタッフ5人を含め、同社の総従業員数は50人。シドニーを拠点にした集中コントロール体制で、輸入したトラックを全豪の40ディーラーに卸している。輸入するトラックは、フレームにトラックの運転台(キャブ)とエンジン、タイヤまでの駆動系、電装品などをレイアウトした「キャブ付きシャシ」と言われるもののみ。冷凍のバンやダンプなど荷物を積載するボディー部分は、ユーザーが何を輸送するかによって各ディーラーやユーザー自身が後から取り付ける。 豪州でのトラック市場は大型から小型まで全体で、年間約2万台程度。その中で同社は年間3,600台を販売し(2003年実績)、主力商品である中型市場では3割以上という高いシェアを誇る。そして「今後は年間4,000〜5,000台を販売し、シェア拡大を目指す」(安藤社長)という。
豪州の物流におけるトラックの役割は非常に大きい。これには、米国と同様、国土が広大なのに加え、保安やデリバリーの機敏性の問題などから鉄道輸送が発達しなかったこと、また、特に豪州は人々の生活圏のほとんどが海岸沿いに集中していて、内陸部が空洞であること、などの要因がある。加えて、家電にしろ自動車にしろほとんどの消費財が輸入製品であるという背景がある。つまり豪州での物流は、シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パースなどの各都市の港に輸入し、そこから製品を周辺の市場に輸送する形態が、コスト的にも効率的にも最も良い。よって物流の主役は、必然的にトラックということになるのだ。 また、豪州でのトラック市場は、大型車の9割が欧米メーカーによって占められているのに対し、中・小型車の分野では日本車がシェアのほとんどを独占しているのが特徴だ。欧州や米国は広大な大陸を舞台にした物流で必要な大型トレーラーを、日本は国内物流で培った機敏性に優れた中・小型トラックを強みとし、それぞれ市場を住み分ける形となっている。その中でトップ・シェアを狙う日野自動車のビジネス戦略上、最も重要になってくるのが、34年という歴史で培ったネットワークと顧客との信頼関係だ。 排出ガスに含まれる有害物質を減らした低公害車両の開発と普及に取り組む【環境への配慮】と、〇故の原因となるドライバー疲労の未然防止対策、∋故の発生を未然に回避する基本性能の向上、事故発生時の乗員・乗客の保護対策、な盥埃圓2輪車など第3者の被害防止対策の4つの安全性に取り組む【安全性の総合的向上】−−。安藤社長は、全社を挙げての課題であるこの環境と安全性への取り組みに加え、ここ豪州においては、トラック販売の基本とも言える3S(サービス供給「Service」、部品供給「Spare Parts」、販売「Sales」)の強化こそが、最も重要なのだと言う。 これは、車を販売して数年間全く壊れないというのも大きなプレステージだが、生産財、つまり食いぶちの道具として使う顧客の立場を考えた時、壊れたら翌日に台車を出すことや、迅速な修理や部品提供という誠実な対応が、顧客との信頼関係を築き、それがひいては販売台数に結びつくという信念から来ている。 「もちろんディーラーさんには、日野のトラックを熟知してセールスしてもらうため、製品に関する徹底した情報提供を行い販売のサポートをします。しかし“1台目はセールスで売っても、2台目は部品とサービスが売っている”というのが私の考え。一見地味だが、サービスと部品の提供こそがトラック・ビジネスの成否を分けると言っても過言ではないのです」 (安藤社長) 今年、現地法人設立からちょうど10周年を迎えた日野自動車オーストラリア。地道な企業努力を武器に、豪州での今後のさらなる発展が期待される。 安藤順介 代表取締役社長1956年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、81年日野自動車入社。海外営業部配属後、オセアニア地区を担当し、現在の豪州現地法人設立に携わる。以後、一貫して海外営業部で海外での販売促進に従事。南アフリカ、アフリカ諸国、欧州諸国、中南米を担当する。85〜91年には米国のニューヨークとロサンゼルスに駐在。2004年2月より現職。日本で少年野球のコーチをしていたほどの野球好き。 1.座右の銘:風林火山 2.今読んでいる本:「三国志」「水滸伝」 3.オーストラリアの好きなところ:先進国の中では最も親日的であること。食文化1つをとってみても、普段の生活に日本文化が自然に溶け込んでいる 4.外から見た日本の印象:先進国の中ではタバコやお酒に関する社会人のマナーが悪い しかし帰るとホッとできる場所 5.好きな音楽:バド・パウエルやチャーリー・パーカーなどのモダン・ジャズ 6.尊敬する人:年齢や状況によってころころ変わるが、今はなし 7.有名人を3人食事に招待するとしたら誰?:松井秀喜、小泉純一郎、サダム・フセイン 8.趣味またはスポーツ:野球、スキー 9.将来の夢:いつまでも家族全員が健康で幸せであること 10.カラオケの18番:「遠くで汽笛を聞きながら」「酒と泪と男と女」 |
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