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日産オーストラリア Nissan Australia 成長の余地大きい豪州で新型SUVを軸に攻勢へ
 1999年に提携先のルノーからやって来たカルロス・ゴーン社長の下で構造改革を推進し、当初計画を前倒ししてV字回復を遂げた日産自動車。その在豪現地法人である日産オーストラリアも、スポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)を中心に販売台数を伸ばし、強い追い風を受けている。2005年、注目の新型SUVを相次いで投入する同社の般若真也社長に、オーストラリアでのビジネス戦略について話を聞いた。

好調な小型SUVの市場でシェア1位の座を争っている「エクストレイル」
好調な小型SUVの市場でシェア1位の座を争っている「エクストレイル」

 日産とオーストラリアの関係が始まったのは、戦前にさかのぼる。同社ホームページの社史をひも解くと、1935年、日本初の量産工場とされる横浜工場から、小型自動車「ダットサン」がノックダウン輸出(部品のまま輸出して現地で組み立てて販売すること)されたという記録がある。

 その後、第2次世界大戦を経て、戦後、当時世界で最も過酷とされたオーストラリア・ラリーでダットサン210型がクラス優勝する。市販車が再びオーストラリアの道を走るのは60年代になってからだ。現地代理店を経由した対豪輸出を経て、66年に現地法人を設立、本格進出を果たした。その後、豪州に生産ラインを立ち上げ、製造事業にも乗り出すが、92年10月に撤退。現在は輸入車の販売に特化している。従業員数は全豪で240人。そのうち日本からの駐在社員は般若社長を含む3人となっている。

 ゴーン社長の下で完全復活を遂げた日産の業績は、オーストラリア市場でも好調だ。2003年の販売実績は前年比6.7%増の約6万2,000台。同年の市場シェアは、オーストラリア国内で現地生産を続けているトヨタとGMホールデン、フォード、三菱の4社に次ぐ5位だが、完全輸入メーカーとしてはトップの座にある。般若社長によると「2004/05会計年度の販売台数は約6万3,000台」と堅調に推移し、国内ランキングも第4位にランクアップする見通しだ。

 現在、オーストラリア市場で販売しているのは、乗用車タイプがスポーツカー「350Z」(日本名:フェアレディZ)とオープンタイプの「Zロードスター」、高級セダン「マキシマ」(ティアナ)、小型セダン・ハッチバック「パルサー」の3車種。SUVが「パトロール」(サファリ)と「パスファインダー」(テラノ)、エクストレイルの3車種。このほか、小型トラックの「ナバラ」、「パトロール」の荷台付きトラック・タイプも販売している。

新世代の日産車の象徴となった「350Z」のコンバーチブル・タイプ「Zロードスター」 日本では「ティアナ」と呼ばれている高級セダン「マキシマ」
新世代の日産車の象徴となった「350Z」のコンバーチブル・タイプ「Zロードスター」 日本では「ティアナ」と呼ばれている高級セダン「マキシマ」


ラインナップの拡充図る


 ところで、人口2,000万人のオーストラリアは、市場のサイズはミドル級だが、日産にとっては重要な拠点だという。般若社長はこう説明する。「オーストラリアは、世界の中では日・米・欧と比較すると小さな市場だが、日産の国別販売台数では10番目。総販売台数に占める日産のシェアは、日産のメジャーな市場の中でも3〜4番目に高い」

 先進諸国の平均を上回る高い成長を続けている豪州の好景気を背景に、国内の新車需要は年率約5%で順調に伸びている。車種別に見ると、伝統的な乗用車タイプよりもSUV、特に「エクストレイル」に代表される街乗りタイプのコンパクト4駆が売れ筋となっており、全体の販売拡大を牽引している。4駆ブームの後、ミニバン全盛時代を迎えた日本市場とは対照的だ。

  「豪州市場でのパフォーマンスは非常に高く、今後の成長の余地も大きい」と同社長も将来性に期待する。ただ、課題もある。「現時点では参入できていないセグメントがある。(現在販売している車種は)全体の6割弱しかカバーしていない。車種のラインナップの拡充を図る必要がある」

 こうした認識から、2005年は新型車の投入を積極的に推進していく。新車攻勢の目玉となるのが、「ムラーノ」と新型「パスファインダー」の2つの新しいSUV。2005年中ごろに豪州で発売する予定の「ムラーノ」は、斬新なデザインのボディに強力な3.5リッターV6エンジンを搭載し、スポーツ・セダンの運動性能とSUVの走破性を両立させた、クロスオーバー・タイプのSUVだ。また、パスファインダーも、より力強く大胆なデザインの新型へとフルモデルチェンジを控えている。

 日産は、02年4月から新事業計画「日産180」に取り組み、3年間で全世界の販売台数を100万台増やすことを目指している。勢いを取り戻した日産の世界戦略の中で、上昇気流に乗る日産オーストラリアが果たす役割は小さくない。「日産のグローバル戦略に合わせて、オーストラリアでも台数・シェアを継続して伸ばしていくとともに、収益も高い水準を維持していく」。般若社長は最後にこう強調してインタビューを締めくくった。


般若 真也 社長 <empty>般若 真也 社長

 1958年生まれ。81年一橋大学卒。同年、日産自動車入社。81〜91年海外営業部門。91〜96年北米日産出向、97〜2003年北米事業企画、グローバル販売・マーケティング企画。04年4月より現職

<般若社長に聞く10の質問>
〆賊Δ量叩 特にありません
∈F匹鵑任い詼棔村上春樹著「1973年のピンボール」(昔読んだ本の読み返し)
オーストラリアの好きなところ:綺麗、安全、自然が豊富、人が親切
こ阿ら見た日本の印象:久しぶりに帰ると、接客・サービス全般のていねいさに関心する
スイな音楽:邦楽・洋楽なんでも
β嵯匹垢訖諭特にありません
有名人を3人食事に招待するとしたら誰?:特にこれという人は思い当たりません
┝駝またはスポーツ:子供とサイクリング、テニス、バーベキュー
将来の夢:豪州と日本を行き来できる生活がいいですね
カラオケの18番:カラオケはかなりご無沙汰しています

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