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はくばくオーストラリア Hakubaku Australia
 精麦や製麺を手がける1941年創業のはくばく(本社山梨県増穂町)は、乾麺のシェアで日本国内トップを誇る老舗食品メーカー。同社の在豪現地法人、はくばくオーストラリアは、有機栽培によって作られた100%オーストラリア産の原料を使用して、うどんやそうめん、そばなどの乾麺を現地生産。日本やほかの海外市場に輸出しているほか、豪州国内での販売も大きく伸びているという。長澤政明ダイレクターに同社の戦略について話を聞いた。


 日本で消費されている麺類に使用される小麦の主な原産地はどこか、ご存知だろうか ? 驚くべきことに、その約90%がオーストラリア産だという。「その理由は、価格ではなく品質にある。日本人にとって一番おいしい小麦はオーストラリア産」と長澤氏。日本産や米国産、カナダ産と比較しても、オーストラリア産小麦は麺類の原料として高い評価を得ている。

 ところが、穀物貿易をめぐる規制などから、日本国内では、はくばくが必要とする品種の小麦だけを輸入することは不可能だったという。豪州から日本に入ってくるのは、既にブレンドされている小麦だからだ。同社は90年代初め、多品種がブレンドされている豪州産小麦の中に「際立って麺に適している小麦がある」ことを発見していたが、入手そのものが困難だった。

 「この小麦を手に入れるには、オーストラリアに直接進出して工場を建設するしかない」――。優れた原料に対する、妥協を許さないこだわりだった。7年前の1998年、大手商社の双日(当時日商岩井)との共同出資でVIC州バララットに製麺工場を立ち上げた。同社初の海外進出だった。

 豪州産の有機小麦を使用して、日本の乾麺を現地で製造・販売するという、前例のない野心的な試みだが、ビジネスは順調に推移している。現在では年間売上約1,000万ドル、従業員30人の事業規模に成長した。

 狙いは2つある。1つは、今後、小麦の貿易も規制緩和が進み、海外で加工して日本に持ち込む商品の競争力が増すだろう、との読みだ。長澤氏は「日本の乾麺市場はいわば『ドングリの背比べ』。トップの我々でさえ、シェアはわずか7%。規制緩和が始まった途端に、一気に勢力図を拡大できるだろう」と見ている。また、日本以外の世界市場の開拓にも照準を合わせている。「オーストラリア産小麦は、日本人以外の人が食べてもおいしい」(長澤氏)という確信がある。

 2004年の実績を見ると、同社商品の約半分が日本向けの輸出、20%が豪州国内販売。この一方で、約25%が米国向け、5%が英・仏・東南アジア・南米などの海外市場となっており、既に3分の1近くが日・豪以外の市場で消費されている。現在、日本向けではそうめんが最も多いが、一番の売りであるうどんの比率が、日本の乾麺メーカーとしては高い。海外向けで一番多いのは、そば、うどんの順だという。

有機栽培の優良原料のみを使用した乾麺「黄金の大地」
有機栽培の優良原料のみを使用した乾麺「黄金の大地」
新機軸のドライ・パスタ投入
 同社で現在、最も販売が伸びているのは、オーストラリア国内のスーパーで販売している有機うどんと有機そば。「まだ地元スーパーで売り始めて3年目だが、上々のスタート。前年比約300%増で伸びている」という。全体的にアジア食品の需要が伸びていて、小売業界もアジア食品、中でも日本食料品の販売に本腰を入れていることが、その背景にある。

 豪州国内では、有機栽培の原料を使った日本食の乾麺を製造・販売しているのは同社だけだが、競争の激しい日本市場での強みは何なのだろうか ? 「有機栽培の小麦を入手するだけでも難しい上に、有機であれば何でもおいしい麺類ができるというわけではない。もともと麺に適した小麦でなくてはおいしくならない。『ロゼラ種小麦』という品種にこだわって、かつ有機の原料を安定して手に入れることができるのが最大の強み」

 豪州産の日本の乾麺という特殊な商品分野で勝負する同社だが、和麺以外の市場にも手を伸ばす。この5月から、豪州国内スーパー大手、コールズの店頭で、ドライ・パスタのフェトチーニを販売する。原料の半分に大豆を使った「グルメ・ダイエット・パスタ」で、付加価値を付けた「プレミアム・パスタ」として健康とグルメ志向の強い層に売り込んでいく。

 目下の克服すべき課題は「新しい食材を売っているので、いかに消費者に定着させるか」。「一度、おもしろいから買ってみて、それで終わりというのではなく、常に消費者のキッチンにストックがある。そこまで商品を愛してもらわなくてはいけない」と考える。

 そのために、バラエティーに富んだ食べ方を提案したり、消費者から直接フィードバックが得られるようなパイプ作りを進めているという長澤氏は、最後にこう語り、インタビューを締めくくった。

 「かつてイタリア料理が世界に広がったように、現代はアジア料理が世界に浸透している。アジア料理が西洋社会に入っていく上で、ヌードルのポテンシャルは大きい。その中で、我々は『本物』のポジションを構築したい。例えば、ドライ・パスタの『バリラ』。イタリアのナンバー1ブランドとして、どこの国でもトップ3に入るくらいの人気がある。我々はアジアン・ヌードルのバリラを目指す」


長澤政明ダイレクター長澤政明ダイレクター

1967年山梨生まれ。94年株式会社はくばく入社。97年はくばくオーストラリア赴任。2000年より現職

<長澤ダイレクターに聞く10の質問>
〆賊Δ量叩Ф鯆
∈F匹鵑任い詼棔Д┘セレントカンパニー
オーストラリアの好きなところ: No worriesの文化
こ阿ら見た日本の印象:品質より価格を優先する
スイな音楽:歌謡曲全般
β嵯匹垢訖諭長澤利久
有名人を3人食事に誘うとしたら誰 ? :小泉純一郎/清原(巨人)/堀江社長
┝駝またはスポーツ:料理/ゴルフ
将来の夢:子供から尊敬される父
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