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![]() 独創的な商品で世界の消費者に新しいライフスタイルを提案し、市場を開拓してきたソニー。近年、映画事業などで成功を収める一方、本業のエレクトロニクス部門では減速傾向が明らかになっている。しかし、今年に入って、初の外国人トップの登用で反撃を開始した。新体制の下での豪州戦略は何か ? エレクトロニクス部門の在豪現地法人の大島秀介社長に話を聞いた。
日本初のトランジスタ・ラジオ(1955年)、ヘッドフォン・ステレオ「ウォークマン」(79年)、オランダのフィリップス社と共同開発したCD(82年)――。奇抜なアイデアと、失敗を恐れずに商品化する高い技術力がソニー成長の原動力となってきたことは、歴史が証明している。 ところが、21世紀に入り、時代の一歩先を走ってきたエレクトロニクス部門の勢いがスローダウンした。基礎技術の集積が優劣を左右するアナログから、関連部品があれば誰にでも作ることのできるデジタルの時代へ移行。それまでトップを走ってきた主力商品で、新興メーカーやライバルに後塵を拝した。 例えば「トリニトロン」で世界を制したカラー・テレビ。薄型テレビでは、プラズマ方式を捨てて液晶ディスプレイ(LCD)に特化したシャープに先行を許した。また、「ウォークマン」で自ら市場を創り出したポータブル音楽プレイヤーでは、有料音楽配信サービスが成功した米アップルの「iPod(アイポッド)」に主導権を奪われた。それらは、ソニーにとってまさに屈辱的な出来事だったに違いない。 そんな中で、今年3月、役員人事発表がメディアを賑わせた。会長兼グループCEOは出井伸之氏からハワード・ストリンガー氏に、社長は安藤国威氏から中鉢良治氏(兼エレクトロニクスCEO)に。執行役員のほとんどが入れ替わった。10年間に渡って一時代を築いた出井体制から初の外国人トップへの劇的な主役交代だった。
新体制発表の前に着任が決まったと前置きした上で、大島社長はこう話し始めた。「豪州市場は新しいモノ、変わったモノがウケる。残念ながら、昨年からiPodが大ブームになっているが、こうした変わったモノをどんどん提供していくのは本来、我々の使命。振り返ってみると、ソニーは常に市場にないモノや技術、ライフスタイルを提供することで発展してきた。『商品力の強化』に回帰することが最も重要だと考えている」 人気商品で巻き返し図る 豪州市場での取り組みは既に始まっている。「市場は成熟しているが、グランド・ヴェガ(大型リア・プロジェクション・テレビ)の大ヒットで、ソニーの強みである画質や音質、生活を豊かにするようなものであれば、必ず受け入れられることが実感できた」と大島社長。一方、薄型テレビは商品投入が遅れたためにLG電子(韓国)に水をあけられていたが、年末にかけて第7世代のLCDを投入する。「失ったシェアを一気に取り返す」(同社長)と強気だ。 これに続き、他社が参入していないDVDカムコーダーの新商品を最近、豪州に投入したところ、在庫が足りないほどの人気を得ている。この市場のシェアは圧倒的な1位で、「負ける気はしない」という。 また、ポータブル音楽プレイヤー市場でも、「ネットワーク・ウォークマン」新機種の相次ぐ投入で一気にiPod攻略を狙う。ハード・ディスク(20GB)内蔵型のアップル対抗機「NWHD5」、メモリー(512MB、1GB)内蔵型の「NWE405」「同407」「同505」「同507」などがそれだ。日本で4月末に発売したところ、発売後わずか1週間でアップルのシェアを追い抜いた。全世界的にもメモリーが足りなくなり、供給が追いつかない状況だという。
オーストラリアでもこのところ低調だった液晶テレビやポータブル音楽プレイヤーは、ここに来て巻き返しのシナリオが見えてきたようだ。しかし、商品サイクルが短いのはデジタル製品の宿命。既に一部メーカーで撤退の動きも出ているデジタル・スチル・カメラや、「1年間で約4割も価格が下がった」というDVDレコーダーなどでは、同社に限らず大幅な利益を確保することが難しくなっている。 そんなデジタル戦国時代を勝ち抜く戦略はあるのだろうか ? 全社をあげて力を入れているのが、プレイステーション3(PS3=来年発売予定。豪州発売予定は未定)用にIBM、東芝と共同で開発した次世代CPU(中央演算処理装置)の「Cell(セル)」。「デジタル製品は誰にでも組み立てられるが、CPUを抑えれば、他社が真似するまでに時間が稼げる。あるいは真似できない参入障壁になる」からだ。CellはPS3のほかディスプレイなどに順次搭載していく予定だという。 ともあれ、ソニーの最大の強みは、ホーム・エレクトロニクス製品から携帯電話までの幅広いハードと、映画から音楽、コンピュータ・ゲームに至るまで多彩な娯楽ソフトを同時に持っていることだろう。こうしたシナジー効果を生かしながら、より魅力的な商品をリアルタイムで投入し、消費者心理をつかんでいく。「オーストラリアの人が欲しくなるような、憧れるような技術や商品をいち早く提供してきたことが、国内シェア1位の地位を築き上げてきた最大の要因。やはり原点に立ち返って、これに集中することが一番大切なのではないか」 大島 秀介 社長1959年東京都生まれ。84年慶應大学工学部卒。同年ソニー入社、本社海外事業本部配属。88年中米パナマ、93年米国フロリダ州マイアミ、96年南米ベネズエラにそれぞれ駐在。99年から2年間、海外事業本部エリア&ネットワーク・ストラテジー部門。2001年シンガポールのソニー・エレクトロニクス・アジア・パシフィック地域本社ダイレクター。05年4月から現職。入社以来約20年間、一貫して海外セールス&マーケティングのポジションを歴任。このうち15年間を海外で過ごす <大島社長に聞く10の質問> 〆賊Δ量叩Ц楜丗莪貅腟 ∈F匹鵑任い詼棔А碧椶任呂覆い)日本経済新聞に連載中の小説「愛の流刑地」(渡辺淳一) オーストラリアの好きなところ:気候が良くて風光明媚でワインがおいしい こ阿ら見た日本の印象:物質的には豊かだが、これからは人生を豊かにしていくべき スイな音楽:J-POP β嵯匹垢訖諭特になし 有名人を3人食事に誘うとしたら誰 ? :ニコール・キッドマン、宮里藍、マリア・シャラポワ ┝駝またはスポーツ:シドニーに来てから2年ぶりに再開したゴルフ 将来の夢:世界のリゾート地を巡る カラオケの18番:「世界中の誰よりきっとPart2」 |
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