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企業研究

ノリタケ・オーストラリア
Noritake (Australia)


豪輸出100年の歴史を誇る
高級洋食器のトップ・ブランド

 
 
オーストラリアでは発売以来100年以上の歴史とブランド力を誇るノリタケの洋食器
 高級洋食器ブランド「ノリタケ」をはじめ、研削砥石などの工業機材、電子部品などを製造する日本の大手メーカー、ノリタケカンパニーリミテド(本社・名古屋市西区)。その在豪現地法人の本社に小原健司ジェネラル・マネジャー(GM)を訪ね、オーストラリア市場でのビジネス戦略について話を聞いた。

 洋食器の高級ブランドとして親しまれているノリタケの社史をひも解くと、その創業はペリー来航による開国の時代にさかのぼる。開国によって金が流出することを危惧した創業者、森村市左衛門が福沢諭吉に相談して貿易商社「森村組」を設立。弟の豊をニューヨークに送り込み、現地に輸入雑貨店「森村ブラザーズ」を開業した。
 この後、パリ万博で白い陶磁器が人気を集めたことに着目し、美しい磁器を日本で製造して海外に輸出するというビジネス・モデルを考案、技術者を欧州に派遣して当時の最新の磁器製造技術を学ばせたという。1904年にはノリタケの前身「日本陶器合名会社」を設立、試行錯誤の末、白色硬質磁器ディナー皿の生産に成功し、「ノリタケ」の名前を世界に広めていく。
 そして、陶磁器製造開始から約1世紀という長い歴史の中で、世界各地に販売会社や営業所を開設したほか、スリランカ(72年)やフィリピン(74年)に製造工場を建設するなど、古くからグローバルに展開。世界トップ・クラスの高級陶磁器のブランドとして広く認知されるようになった。
 この一方で、1907年に自家製造を開始した砥石の市場でも国内随一のメーカーとして発展していく。1939年には工業用研削砥石の製造をはじめ、現在では研削砥石をはじめとする工業機材事業、電子事業、セラミック事業、環境エンジニアリング事業などを展開。一般的には食器メーカーとして有名だが、最先端のハイテク・メーカーという側面も大きい。

逆風吹く高級食器市場

 創業と同時に積極的に海外との貿易を展開した同社は、オーストラリアにも1900年代初頭から洋食器の輸出を開始している。最初に進出した米国で成功を収めた後、ほかの海外市場への展開も模索する中で、約100年前に代理店を通してオーストラリアへの洋食器の輸出を始め、「Noritake」は高級洋食器のブランドとしてオーストラリア人にも広く知られるようになった。第2次世界大戦を挟んで、1958年には現地法人を設立。大半の日系大手メーカーが進出するよりもずっと以前から、オーストラリアの地に深く根を下ろしていたのである。
 古くからこの国で親しまれてきたノリタケの食器。もともとマイヤー、デービッド・ジョーンズの2大デパート経由の販売が多かった。しかし、オーストラリア人の嗜好が変化し、よりカジュアルなものが好まれる傾向が強くなってきたため、同社が最も得意とするフォーマルな洋食器の市場は縮小傾向にあるのだという。小原GMは「大手デパートもカジュアル路線にシフトしていき、ノリタケの商品を陳列するスペースをなかなか確保できない状況だ」と打ち明ける。
 2000年ごろからは、逆風がさらに強くなった。オーストラリアの市場に合わせてデザインして、中国などの工場でOEM生産することで圧倒的な低コストを実現する「ブランド・マーケター」と呼ばれる業者が台頭してきたのだ。このため、それまで主流だったノリタケやロイヤル・ドルトン、ウェッジウッドといった高級ブランド・メーカーは、どんどんシェアを奪われ、非常に厳しい状況にあるという。
 ただ、小原GMは「1年に一度、特別な記念の日にだけ使うようなフォーマルな高級食器の市場は、これからも間違いなく残る。そうした市場でシェアを伸ばしていくことが、豪州で我々が生き残っていく道だ」と見る。また、同社は機内食用の食器の市場でも売上を伸ばしている。カンタス航空やニュージーランド航空のビジネス・ファースト・クラス向けに高級食器を納入、機能性の高い高品質な食器としてエアラインの信頼を得ている。

強みをいかに伸ばすか
 小原GMは今後の経営戦略についてこう話す。「ノリタケの場合、北米用のデザインをまず決めてからそれをほかの市場でも売るのが基本的な流れだが、米国で売れるものがオーストラリアでもウケるとは限らない。この国ではどんなデザインが売れるのか、深く掘り下げてマーケティングを行い、オーストラリア市場向けのデザインの商品を開発したい。また、ほかにはないデザインや、絵付け技法など競合他社が真似できない技術を使った商品を開発したい。こうした差別化を図ることで、売上の低迷に歯止めをかけて、攻勢に転じたい。カジュアルな低価格の商品に安易に手を出すのではなく、フォーマルな食器というノリタケの強みをいかに伸ばすか」
 コア・ビジネスである洋食器のほかに、豪州事業のもう1つの柱となりつつあるのが、自動車メーカーなど向けの工業用の研削砥石。食器ビジネスは「市場の環境が激しく、大幅な売上の拡大は望めない」というが、砥石は国内自動車産業の需要増を見込んでおり、見通しが明るい。取扱商品の内訳(金額ベース)は現在、食器8割、砥石2割。「当面は食器と砥石の2本柱で行くが、成長が見込める砥石の比率を50%程度に引き上げた上で、将来的にはデンタル製品や電子部品などのビジネスにもトライしていきたい」。小原GMは最後にこう語り、インタビューを締めくくった。


小原健司
ジェネラル・マネジャー

1973年生まれ。96年南山大学経営学部卒。同年ノリタケカンパニーリミテド入社。物流部、海外営業部、スリランカ工場駐在を経て2005年2月より現職

<小原ジェネラル・マネジャーに聞く10の質問>
〆賊Δ量叩Р罎立つところ深く掘らば何処にも清泉湧くべし
∈F匹鵑任い詼棔Шさらこんなこと他人には聞けない辞典
オーストラリアの好きなところ:温暖な気候
こ阿ら見た日本の印象:裕福で暮らしやすい国
スイな音楽:ジャンルを問わず何でも
β嵯匹垢訖諭Д肇茱深動車の奥田会長
有名人を3人食事に誘うとしたら誰 ? :昔のメグ・ライアン、明石さんま、小泉首相
┝駝またはスポーツ:ゴルフ、剣道
将来の夢:日本一周旅行
カラオケの18番:サザンオールスターズの曲

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