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シドニー湾岸西部の再開発エリア、キング・ストリート・ウォーフ。洒落たレストランやカフェが並ぶ、真新しい建物の1角にある「ほんだらけ」シドニー店に、オーストラリア滞在中の樋口社長を訪ねた。低姿勢で物腰が柔らかく、テレビで有名なカリスマ起業家という先入観が崩れた。 ビジネスマンとしては経歴も変わっている。もともとは生まれ故郷の鹿児島で警察官をしていた。その後警察官を辞めて市役所に務めたが、「10〜20年後の自分の姿が想像できておもしろくない。それなら自分で何か始めるしかない」と、漠然と会社を興すことを思いついた。しかし、会社を興す資金も専門的知識もなかった。25歳の時、「本が好き」という単純な動機から鹿児島で7坪ほどの小さな古本屋を始めた。 樋口社長いわく「お客にとって一番いい店である」ことと、「適正な価格で売る」こと、という商売の基本を実践しただけだったが、消費者に認められて口コミで人気に火が付き、九州を中心に店舗を増やした。 ところが、起業家としてこれからという時期に、離婚という人生最大の転機が訪れる。これを機に、会社を譲渡し、すべては振り出しとなった。新規一転、関東で古書販売業を再スタート。96年にドリームを設立し、ほんだらけ1号店を埼玉県所沢市にオープンした。 書籍やCD、ビデオ、ゲーム・ソフトなどを中古で売買するのが一般化していくのに伴い、ほんだらけも順調に規模を拡大、創業後10年間で店舗数は日本国内32店舗、従業員数255人、売上高16億3,900万円(05年9月)という規模に成長した。樋口社長は、視聴者が起業のアイデアを売り込み、企業家らが実際に投資する人気テレビ番組「マネーの虎」にも出演し、全国的な知名度も高まった。 2003年には樋口社長が自らオーストラリアへ乗り込み、100%出資の現地法人を設立。同時に、オーストラリアで最も長い歴史があった、シドニー市内東部ボンダイ・ジャンクションの留学情報センターを買収して「オズ・スチューデント・サービス」として新たにスタート。同情報センターと併設する形で、04年1月にほんだらけシドニー店をオープンした。また、回転寿司店の「スシ・バー・タカ」(シドニー北部マンリー)も取得して外食産業にも進出している。その後、ほんだらけシドニー店と留学部門を現在のキング・ストリート・ウォーフに移転、念願の地上店舗での営業をスタートした。 ローカルに軸足移し、洋書でチェーン展開へ 初の海外進出の地にオーストラリアを選んだのはなぜか?「国土が広大で、人口はまだ2,000万人。21世紀に一番人口が伸びる国で、ビジネスをやっていきたいと思った」。少子化で人口が減っていく日本の市場には限界がある。将来の活路を海外に見出した樋口社長にとって、オーストラリアの市場としての可能性は魅力的だった。 もちろん、現在扱っている書籍のほとんどは和書。コア・ビジネスが日本人対象である以上、日本人が多いことは最低条件だった。オーストラリアの在留邦人数(05年10月/出典:外務省)は、約5万3,000人と世界で5番目に多く、需要は十分にあると読んで初の海外進出に踏み切った。 現状についてはシビアに見ている。「約2年やってきたが、まだまだ需要を喚起しなければならない。日本からの物流コストが割高で、輸送コストをこれ以上かけることができないという問題もある。本当はもっと大量に本を持って来たいのだが」 しかし、樋口社長が見据えているのは、足元の市場ではない。既に洋書コーナーを拡張し、現地の非日本人マーケットの取り込みを始めた。将来的には、「洋書だけを扱う、現地市場を対象とした古本屋」という業態で、国内のチェーン展開を視野に入れている。 また、古書販売だけにこだわらず、新規ビジネスの展開にも積極的だ。優れたビジネスのアイデアを持った社員には独立を奨励してきた。オーストラリアではどんなビジネスに進出していくのか? 多くは語らないが「例えば、飲食系。日本のファストフードで、オーストラリアで広まっていない食べ物はまだまだある」とほのめかす。 「日本でさらに店舗数と売上を増やしてIPO(新規株式公開)を目指すのが目下の目標。オーストラリアでも、洋書と飲食プラスαのビジネスで出店攻勢していく。現地法人単体で出店コストをカバーできるようにした上で、こちらでもIPOを狙っていきたい。日本とオーストラリアの双方でIPOを実現して持ち株会社を作るのが目標。さらには、日本とオーストラリアに限らず、ほかの国でも新しいビジネスを見つけて世界展開を図っていきたい」 樋口社長が描く構想の中では、オーストラリア進出は単なる通過点となるのかもしれない。
<樋口社長に聞く10の質問> 〆賊Δ量叩А嵜誉鍵貪戞2いなく生きる」 ∈F匹鵑任い詼棔Ы詑栄一著「論語の読み方」 オーストラリアの好きなところ:空の青さ、多民族 こ阿ら見た日本の印象:政治が悪い スイな音楽:フォーク β嵯匹垢訖諭Ю抄仁汗后P・F・ドラッカー 有名人を3人食事に誘うとしたら誰 ? : ウォーレン・バフェット(投資家)、タイガー・ウッズ(ゴルファー)、弘兼憲史(漫画家) ┝駝またはスポーツ: ゴルフ、剣道 将来の夢:愛する妻と世界中を旅すること カラオケの18番:長渕剛「乾杯」 |
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