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子どもが子犬を飼いたがっています。予防接種など、オーストラリアで子犬を飼う際の医療上の注意点を教えてください。
(30代女性=主婦) |
戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic
シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格取得に向けて勉強中。
子犬は生後4カ月までは抵抗力が弱く、伝染病などに一番かかりやすい時です。この時期にしっかりと病気の予防をし、今後の健康の基盤を作ってあげましょう。
特に大事なのが、死亡率の高い伝染病(ジステンパー、パルボ・ウイルス、伝染性肝炎)、そして寄生虫(フィラリア、消化器系の寄生虫、ノミ、ダニ)の予防です。なお、オーストラリアでは狂犬病は根絶されたため、予防の必要はありません。その代わり毒性の強いダニやクモ、蛇などに注意してください。
予防接種 (Vaccination)
主な伝染病の3〜5種混合ワクチンです。子犬は生後4カ月までに計3回の予防接種をすませる必要があります。生後6〜8週間に1回目、その1カ月後に2回目、そして、さらにその1カ月後に最後の3回目をします。こうすることで子犬の体の中に十分な抗体を作り、免疫力を高めます。それ以降は毎年1回の追加接種を受けます。これは日本とほぼ同じです。
大抵のペット・ショップやブリーダーでは、1回目の予防接種をすませてから飼い主に引き渡します。次の注射がいつ必要か、貰い受ける時にきちんと確認を取りましょう。
飼い主にとっては子犬の予防接種が、獣医を訪れる最初の機会となるでしょう。診察では子犬の健康状態を調べ、犬の食事など日々の健康管理のアドバイスをします。2回目の注射がすんだら、もうほかの犬と遊んでも大丈夫です。子犬のうちにほかの動物や人と積極的に社交をさせることは、社会性を身に着ける意味でとても大切です。
寄生虫(Parasites)
犬の寄生虫で特に注意しなければいけないのが、フィラリアとダニです。
●フィラリア(Heartworm)
フィラリアは日本でもよく知られている、蚊を媒介に感染する寄生虫です。犬の心臓や肺の血管に寄生してしまうため、放っておくと死に至ることもあります。
予防法:毎月1回の飲み薬または皮膚に塗布する液体薬があります。生後6カ月以降は年に1回の注射タイプもあります。忙しくて毎月の投与を忘れてしまうかもしれない飼い主には、予防接種と同時にできる注射がお薦めです。
●ダニ(Tick)
オーストラリアにはParalysis Tickという、強い毒素を持つダニがいます。このダニの毒は犬の神経経路の伝達を妨げ、それによりさまざまな症状を引き起こします。四肢の麻痺に始まり、嚥下困難、呼吸困難、症状が重い場合は死に至ります。症状が現れてからは進行が早いため、早急な治療を要します。
予防法:いくつかありますが、2週間に1回皮膚に塗布する液体薬が一番扱いやすく信頼できます。毒素を持つ成虫が出回るのは春先から夏にかけてです。ダニは通常、野生動物に寄生しているので、ブッシュなどの近くにお住まいでしたら、これからの季節ダニの予防には特に気を付けるようにしてください。
●そのほかの寄生虫
消化器系の寄生虫(Intestinal worms)やノミ(Fleas)の予防も必要です。これらはフィラリアやダニの予防薬と一緒になっているものもあるので、獣医でどの薬がいいか聞くのがいいでしょう。