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生後4カ月の雌のミニチュアダックスフントを飼っています。将来、子犬を生ませる予定はありませんが、避妊手術をするべきかどうかで悩んでいます。手術をした方が病気を防げるとも聞きましたが、かわいそうな気もします。やはりした方がいいのでしょうか
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(40代女性=主婦)
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戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic
シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格取得に向けて勉強中。
雌の避妊手術(speying)と雄の去勢手術(castration)の両方を併せてdesexingまたはneuteringと言います。
今回は避妊、または去勢手術をする場合としない場合の両方について、メリットとデメリットを説明したいと思います。
まず、避妊、去勢手術ともにデメリットは、子どもを作れなくなるのと、必要カロリーが減少して太りやすくなることが挙げられます。また、手術の際の全身麻酔に伴うリスクもあります。
反対にメリットは、生殖器に伴ういろいろな病気を未然に防げることです。
*避妊手術のメリット:
蓄膿症、子宮内膜炎、子宮癌、卵巣癌、乳腺腫瘍などが予防できます。アレルギー性皮膚疾患や糖尿病なども緩和できます。
また、発情期(heat)は出血を伴い、動物によっては食欲減退、体力低下などが見られます。もし交配をする予定がなければ、避妊することで不必要な身体的、性的ストレスから解放してあげることができます。
*去勢手術のメリット:
前立腺肥大、睾丸腫瘍、肛門周囲線種などの発症が抑えられます。また、性ホルモンの影響による問題行動(優位性攻撃行動、マーキング、マウンティング、放浪など)の減少も期待できます。発情期の雌を求めて外に出て、交通事故に遭ってしまうという悲しい事態を防ぐためにも、去勢手術には意義があると思います。
このように避妊、去勢手術をすることで得るメリットがたくさんあるので、動物病院では繁殖予定がない犬や猫には手術を薦めています。
また、早期(発情期前)の手術を薦める理由もあります。例えば雌犬の乳腺腫瘍の予防に関しては、最初の発情前に避妊をすませた場合の発症率が0.05%なのに対し、発情を3回迎えた時点では26%になるという統計があります。そして発症率は発情を重ねるごとに高くなります。
雄の場合もマウンティングやマーキングなどの行動は、一度発情を経験してしまうと去勢をしても習性として残ってしまうことがあります。
手術の安全性から見ても、発情前の生殖器の方が手術中の出血の危険性がはるかに低く、傷口も小さくすみます。
犬や猫は平均で生後6カ月前後には性的に成熟します。ですので、生後4カ月以上6カ月未満の時期に手術を行うのが、成長や安全面でも一番望ましいのです。また、飼い主に義務付けられているカウンシルへのペット登録も、手術ずみの方がずっと安くすみます。
飼い主の「かわいそうだから」という見解も分かりますが、これは人間の思い込みが大きいかもしれません。手術をすることで、大切なワンちゃんやネコちゃんが健康に長生きできるのなら、迷うことはないと思いますよ。