日豪プレスが運営するオーストラリア生活の総合情報サイト。オーストラリアニュース、生活情報、通信、クラシファイドの最新情報をいち早くお届けします。

HOME > イベント > ジャパンファウンデーションNEWS > 映画「しあわせ家族計画」制作:松竹 阿部勉監督

ジャパン ファウンデーションNEWS

映画「しあわせ家族計画」制作:松竹 阿部勉監督[2010/3/06]

ジャパンファウンデーションNEWS

ジャパンファウンデーションNEWS

映画「しあわせ家族計画」制作:松竹 
阿部勉監督

等身大の日本の家族像

 国際的な文化・芸術交流や日本語・日本文化教育を担う独立行政法人ジャパンファウンデーション・シドニー日本文化センターは3月24日、豪州初となる日本語・日本文化研究教材をパッケージにした日本映画DVD『しあわせ家族計画』(英題:Happy Family Plan、販売元:MADMANエンターテイメント)をリリースする。日本語教育が盛んな豪州で、官(同法人)と民(配給・制作会社)とが地域コミュニティーに貢献できる事業というコンセプトから始まった同プロジェクト。また、同作品の監督・阿部勉氏は最新作『京都太秦物語』を立命館大学映像学部と共同で制作するなど、まさに“教育に貢献する映画監督”だ。そんな阿部監督のデビュー作である同DVDの見所や日本語教育などについて伺った。

——海外では初のDVD化ですが、どういう部分を一番楽しんでもらいたいですか?

 コメディーとしての軽妙なストーリーはもちろんですが、現代日本の等身大の家族像が伝わればと思います。

——同作品で、99年ヒューストン国際映画祭「家族子ども向け部門」で金賞を受賞されましたが、どのような点が海外で評価されたのでしょうか。 

 今の日本人の日常生活がよく分かったという評価でした。映画祭のディレクターからは「子どもたちが一番気に入った作品だった」と言われました。日本でも同じように小・中学生から「感動した」という感想をいただき、児童向けに作っていなかったので、驚きました。

——今回は日本語・日本文化の教材DVDとのパッケージですが、このDVDにはどのような感想をお持ちですか?

 教材DVDでは「ちょっと一杯どう ?」という(指でお猪口を傾ける)しぐさを取り上げるなど、かなり細かいニュアンスの部分まで研究されていて、そういうディテールは実は映画でも重要ですし、日常生活もそうした細部の積み重ねで成り立っているわけですから、日本文化や日本人の生活を理解する上でもいい教材だと思います。

——教材DVDの内容はどうでしたか?

 サンプルをいただいて、スタッフと見たんですけど、ゲラゲラと笑ってしまうくらい楽しかったです。楽しませようというコンセプトは、ともするとスベったりするんですが、構成も、出演者の演技も素晴らしく、感心しました。

——“教材にもなるDVD”というコンセプトについては、どのように受け止めていますか ?

 (映画は)子ども向けに撮ったわけではないと言ったのと同様に、海外の日本語学習者向けに撮っていたわけではありませんが、結果的に現代の日本語や日本文化がよく伝わる作品になっていると(ジャパンファンデーションから)評価されたことはとても嬉しいですね。

——今回ベルリン国際映画祭に出品された『京都太秦物語』(山田洋次・阿部勉共同監督作品)にも、『しあわせ家族計画』にも商店街が登場します。商店街というものに何か思い入れがあるのでしょうか? 

 助監督としての初めての作品が『男はつらいよ』で、まさに柴又の商店街が舞台なので、そこにルーツがあるのかなとも思います。銀座や六本木を歩いても日本人の暮らしは見えてこない。けれども、作品に出てくる商店街には日本人の生活の臭いみたいなものを感じてもらえると思います。いつまでもそうあってほしいという憧れがあるのかもしれませんね。

——『京都太秦物語』は立命館大学映像学部との共同制作で、今回のDVDも「学び」という点で共通項がありますが、ご自身の監督作品が2作品とも「教育」に結びついたというところに何か感じるところはありますか?

 意識的にそう作っているわけではないですが、現代社会や身の回りで実際に起きていることを含めて映画にしてきましたから、それが今回の教材DVDにも(リアルな日本を学べるという点に)つながってきているのだと思います。 

ジャパンファウンデーションNEWS


■Happy Family Plan 特典DVD付き特別版
発売日:3月24日
価格:$29.95豪ドル(豪州国内)、$29.95NZドル(NZ国内)
Disc1:『しあわせ家族計画』本編(英語・日本語字幕付)・予告編
Disc2(特典):日本語・日本文化教材
Web: www.happyfamilyplan.com
問い合わせTel:(02)8239-0055(ジャパンファウンデーション・シドニー日本文化センター)
購入方法:全国のJB HI-FI、紀伊国屋書店(シドニー)などで販売予定。また、上記公式サイトからのオンライン購入も可能。※豪州以外に、ニュージーランドおよび大洋州諸国(フィジー、パプアニューギニア、トンガなど12カ国)でも販売。


プロフィル●あべ・つとむ。
1957年宮城県生まれ。東北大学卒業後、松竹に入社。『男はつらいよ』シリーズで知られる山田洋次監督の助監督を務める。99年、初の監督作品『しあわせ家族計画』が。米国3大映画祭の1つヒューストン国際映画祭でファミリー・チルドレン部門金賞を受賞し、注目される。2010年2月、立命館大学映像学部と松竹の共同制作作品『京都太秦物語』(監督:山田洋次・阿部勉)が第60回ベルリン国際映画祭に出品され、公式上映がすべて満席となり追加上映が行われるほど注目された。同作品は日本で5月公開予定。

 この連載は、「ジャパンファウンデーション」の内部公募プログラム「先駆的事業」において今年度採用された、日本語および日本研究教材製作企画「日本語シネマ・プロジェクト」の製作過程を追うコラムです。

PAGE TOP