シドニーのあの店この店
- 「Vulcans」 [2008/9/27]
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| シグネチャー・ディッシュの「ダックリング・ソーセージ」 |
“味+サービスが魅力の カジュアル・ダイニング
文=食いしん坊ママ
シドニーに在住して30年。オーストラリアの食生活はヨーロッパや中近東、アジアからの移民が多く入国して以来、ガラリと様変わりした。モダン・オーストラリアンと言われる、言わばオーストラリアに住む移民たちが持ち込んだ各国の素材や要素を利用し、豪州独自の洗練された料理が創り出され定着し出したのもここ10年くらい。今やいろいろな国の本場料理が楽しめるだけでなく、おしゃれなカフェやバーが続出。中には独創的に工夫されたお店や、抜群の景色を眺めるお店なども。また、話題性の多いシェフがどんどん出現して、シドニーのレストラン事情は大きく変貌し、楽しくなった。「食べる」ことが大好きな私の経験からお薦めのレストランをご紹介するコラムです。
学生時代から30ウン年の付き合いがある親友から連絡が入った。「急だけど仕事が一段落したから、来週遊びに行きたいのよ」。3泊4日という短い休日だが、とにかく会いに来てくれるだけでも嬉しい。彼女は既に20回くらいオーストラリアに来ているので、シドニー近郊はほとんど行きつくしている。“近場でどこかゆっくりできる所は…”と考えたのが、車で気軽に行けるブルー・マウンテン。暑い東京から来る人には、寒いブルー・マウンテンもいいかも、と考えたわけだが、そういう私もほぼ1年ぶりなので行ってみたい気持ちもあった。
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| 広くはないがアットホームな雰囲気の店内 |
翌朝は透き通った空と空気の中、観光とゴルフをばっちり楽しみ、そのままブラックヒースにあるお気に入りのレストラン「バルカンズ」へ向かった。2交代制の予約なので早めの6時からの夕食だ。ブルー・マウンテンには、「バルカンズ」のほぼ対面にある「Ashcrofts」や、カトゥーンバにあるリリアンフェルズ・ホテルの「Darley's」、ルーラの「Silk's Brasserie」、「Solitary」などに代表されるファイン・ダイニングが数多くある。ゴルフ帰りの私たちには、カジュアル・ダイニングがぴったりと、向かった「バルカンズ」は、見過ごしてしまいそうなほど小さなレストラン。午後6時前に到着し、一番乗りで好きな席を選ばせてもらう。小さなスペースにカジュアルなテーブルとチェアが配置されたコンクリート・フロア。客席とキッチンはカウンターで仕切られているものの、奥には大きなオーブンが見えるオープン・キッチンで、アットホームな雰囲気だ。
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| ポレンタが香ばしいオーシャン・トラウト | ボリュームたっぷりのチョコレート・プディング |
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| 長時間かけて煮込まれた「ポット・ロースト・ビーフ」 | どんぶりのようなお皿に入った、ボリュームたっぷりのフィッシュ・スープ |
オーナー・シェフであるフィリップ・シールさんとバリー・ロスさんはアデレードとシドニーでレストランを経営した後、12年前に「バルカンズ」を開店したそう。店内はテーブル・セッティングもカジュアルで、メニューもメモ帳に手書きで書かれたもの。オントレー3品、メイン5品、デザート4品から選ぶようになっている。手書きのメニューを解読していると、予約の人たちが次から次へと入って来て、ほぼ満席となった。メニュー選びを任された私が早速オントレーとメインを注文し、持参したワインでひとまず乾杯。会社を経営する彼女は、仕事も遊びもしっかりの行動派タイプ。「日本の経済は本当に冷え込んでいるわ〜。ビジネスは大変よ」と言いながらも、悩む様子なんてまるでナシ。「なるようになるわね ! 」と、食欲が旺盛なのはいつも2人の共通点。さて、届いたオントレーは、体が芯から温まりそうなホタテ入り魚のスープ。さっぱり味だが、どんぶりのような大きな器にたっぷりとした量にはびっくり。「ビートの根のピクルス添えとダックリングのソーセージ」はここのシグネチャー・ディッシュ。ソーセージとは言えダックの風味が漂う存在感たっぷりのソーセージとビートの根の酸味を帯びたピクルスが名コンビ。メインにはヨーグルトとターメリックで下味が付けられた「オーシャン・トラウト」を。香ばしく焼かれたポレンタのクリスプさとソフトな魚の身が何とも粋な組み合わせだ。「ポット・ロースト・ビーフ」もシグネチャー・ディッシュ。レモン・グラスとカフィル・ライムの風味が効いたビーフが、とろとろに煮込まれている。そして最後はやっぱりデザートで締めくくり。リッチながらも甘味を押さえたさっぱり味のプディングが楽しめる「スパイシーなココアとチョコレート・プディング」を2人でシェア。日本各地でおいしいものを食べ尽くしている彼女も「おいしかったわ、とっても満足」とひと言。
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| この道30年の経験を持つオーナー・シェフのフィリップ・シールさん |
お勘定をお願いする時、「1年くらい前に来た時にもいましたね」とフロアを忙しく切りまわすウエートレスさんに話しかけたら、嬉しそうに「ケリーと申します」と名前を教えてくれた。私にとって、レストランの給仕役は食べ物と同じくらい大切なもの。いくら素晴らしい料理でも、持ってくる人の態度やマナーが悪くタイミングも合わなければ美味しくいただけない。さりげなくお客のテーブルに目を配り、タイミングよく目立たないようにサービスを行う彼女は陰の主役のような存在。料金は彼女へのチップも含めて2人で150ドルを支払った。
8時前にはお店を出て、学生時代に戻ったようなたわいない話をしながら、ブラックヒースからカトゥーンバへと戻る。その途中、予想もしなかった飲酒運転検問のパトカーに出くわした。さっきまではしゃいでいた私たちも一瞬ドキッとして顔を見合わせる。大丈夫だとは分かっていたが、多少ワインを飲んだので胸はドキドキ。結果は、「0.02なので大丈夫です」と言われ、ほっとしてホテルへ。考えてみれば土曜日の夜、主要道路での検問は当たり前…。楽しいひと時が台無しになるところだった。皆さんもご注意を !
「次回は日本で ! 」と、近い再会を誓って親友は4日目の朝、短いシドニーでの滞在を終え、元気に日本へと発った。
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DATA
「Vulcans」
33 Govetts Leap Rd., Blackheath NSW
Tel: (02)4787-6899
金〜日ランチ12PM〜2:30PM、ディナー6PM〜9PM
お値段の目安:
オントレー$19.50、メイン$33、デザート$14〜$18、1人$55〜、BYOコルケージ1人$5
ちょっと補足:
小さなレストランに客席38席。隣席とのスペースはあまりない。予約は少なくとも1週間前に。スタイルよりクオリティーを重んじるレストラン。メニューは季節によって部分的に変わることもある。
私の評価:
気楽さ ★★★★
サービス ★★★★
家族・友人とともに ★★★★
幼児・子ども連れ お薦めしません
ロマンチックな記念日 ★★
英語力 ★★★
費用対価値 ★★★★
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