ワイン即効!豆知識
- コルクとスクリュー・キャップ、どちらがいいの ? [2008/5/14]
第14回
コルクとスクリュー・キャップ、どちらがいいの ?
(Photo: Tourism NSW)
コルク樫の樹皮の、約10年分の年輪を剥がして加工したコルクは、ワイン・ボトルの栓としてローマ時代から長い間使われています。多くの人にとって、「コルクを抜いてワインを飲む」ことが、ワインについてのイメージだったのではないでしょうか。ソムリエがゆっくりとコルクを抜き、その香りを確認しテーブルに置くというレストランでの「儀式」は、何か気持ちを高揚させるものです。
しかし、時代は変わりました。どのワイン・ショップでもレストランでも、コルク栓のワインは減り、スクリュー・キャップのワインが多く見られるようになりました。スクリュー・キャップは手軽に開けられ、飲み残しても保存が簡単という利便性から、今や英国をはじめ世界市場で受け入れられています。
そして、オーストラリアはこのスクリュー・キャップを積極的に採用している国。2000年にリースリング種で有名なSA州クレア・バレーにある15のワイナリーが一同にスクリュー・キャップの使用を開始、その後、大小問わず数多くのワイナリーがスクリュー・キャップを採用しています。
では、なぜワイン・メーカーたちはコルクからスクリュー・キャップに変更しているのでしょうか ? それはコルクがカビやバクテリアの汚染に弱いため。「ブショネ」「コルク臭」「TCA」と呼ばれるダメージを受けたコルクは、カビのような、湿気たダンボールのような臭いを放ち、ワインの香りや味わいに悪影響をもたらします。ダメージの大小はありますが、コルク臭が付いたワインは残念ながら捨てるしかありません。
汚染率は5〜10%程度ですが、特に華やかさが魅力の白ワイン(リースリング、セミヨン、シャルドネ種など)は汚染の影響が分かりやすいため、上記のようにクレア・バレーの生産者がスクリュー・キャップの採用に踏み切ったわけです。
カビの汚染がないという有効性に加え、スクリュー・キャップは密閉度が高いため、コルクに比べワインの鮮度を長く保てるという長所があります。また、安定した瓶内熟成も促します。ですが、その密閉度の高さから、コルク栓のものに比べ熟成に時間がかかるのも事実です。今、ワインメーカーたちは「コルク栓」と「スクリュー・キャップ」という選択肢を持ち、熟成という目的のために技術的な改革が求められているのでしょう。
ただ、消費者としては、毎日のワインは開けやすく、コルク臭の心配もないスクリュー・キャップが、やっぱり便利ですよね。乾杯 !
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著者プロフィル
落合雪乃(おちあいゆきの)ワイン・コンサルタント。1987年シドニーに移住。マッコーリー大学、アデレード大学卒。大手豪州ワイン会社でアジア輸出を担当。その経験を生かし、現在オーストラリアとNZワインのアジア市場へのマーケティングと販売のコンサルティングを手がける。
Email: yochiai@dejavuwines.com.au
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