新・ワイン速攻!豆知識
- 寒い冬には甘いワインが美味しい [2008/6/22]
最終回
寒い冬には甘いワインが美味しい
(Photo: Tourism NSW)
暑い日にはよく冷えた白ワインが喉ごしが良く美味しいものですが、寒い日には甘くて体を温めてくれるワインが飲みたくなります。
甘口ワインは世界中で造られています。オーストラリアではヨーロッパからの移民によって、最初はほとんど酒精強化ワインが造られていました。現在のようにスティル・ワイン(テーブル・ワイン)が生産されるようになったのは第2次世界大戦後のことです。「Grange」で有名なPenfolds社もポート・ワインで大きくなった歴史があります。
甘口ワインの甘みは糖度の高さからくるものですが、その造り方により名称、タイプが分けられます。畑でも醸造過程でも手間隙がかかるので、一般的に少量生産です。まずは、Late harvest(遅摘み)。遅摘みワインは、畑でぶどうを完熟するまで放置し、しぼんで糖度が凝縮されたぶどうから造るもので、タイ料理やベトナム料理、またはデザートと合います。個人的にはHobbs Vinyards社のセミヨンがお気に入り。
次はBotrytized。貴腐ワインは、ボトリティス・シネレア菌が完熟した白ぶどうに付着すると、ぶどうがしなび、貴腐という状態になることを利用して造ります。青カビ・チーズやパテとよく合います。オーストラリアではDe Bortoli社の「Noble One」が有名。
Late HarvestとBotrytisワインには、リースリング種やセミヨン種などの白ぶどうが使われ、これら白ぶどうから造られた甘口ワインを豪州では「Stickies」と呼んでいます。
次に、発酵途中の果汁にアルコールを人工的に添加し、ぶどうの糖分を残した酒精強化ワイン(Fortified)。このタイプにはシェリー・スタイル、ポート・スタイル、マスカットやトカイ・スタイルが含まれます。前述の貴腐ワインなどと違い、長年樽熟成されるため、ワインに凝縮感、複雑味が加わります。ドライ・シェリーは食前に、そのほかはデザートやチーズと一緒に食後にいただきます。酒精強化ワインでお薦めブランドは、Seppelt社(100年ものの「Para Port」はチョコレート状態 ! )、Penfolds社(「Great Grandfather Rare Old Liqueur Tawny Port」は無視できません)、Campbells社、Morris社です。
テーブル・ワインに押され、これらの甘口ワインは減少傾向で残念です。バロッサ・バレーのSeppelt社への見学をぜひお薦めします。100年以上熟成されている樽がたくさん並び、その歴史に触れることができます。
短い間でしたが、ご愛読いただきありがとうございました。いつの日か一緒にワインをいただける日があるかもしれませんね。オーストラリア・ワインに乾杯 !
著者プロフィル
落合雪乃(おちあいゆきの)ワイン・コンサルタント。1987年シドニーに移住。マッコーリー大学、アデレード大学卒。大手豪州ワイン会社でアジア輸出を担当。その経験を生かし、現在オーストラリアとNZワインのアジア市場へのマーケティングと販売のコンサルティングを手がける。
Email: yochiai@dejavuwines.com.au
|
その他の注目記事: |























































































