医療 何でも相談
- 歯科定期検診の頻度について [2008/3/17]

Q: 私の妻と子どもは、定期的に歯医者に行って検診してもらっているようですが、私は忙しいこともあり、また痛くもなんともないので、もう何年も歯医者に行っていません。そろそろとは思っているのですが、実際どのくらいの頻度で診てもらえばいいのでしょうか。
(40代男性=会社員)
A: 歯科定期検診の一番の目的は、当然のことながら、口の健康状態を診査し問題がないかどうかを歯科医師の目で確認することです。大きくて明らかな虫歯ならともかく、痛くもない小さな虫歯を自分で見つけるのは難しいことであり、まして、レントゲンでしか見えないような場所であればなおさらです。
虫歯は、痛くなってからではかなり大きくなっている場合が多く、なかには神経に達する深い虫歯でも痛みをまったく感じない人もいます。逆に歯が多少しみる場合でもそれが必ずしも虫歯からきているとは限りません。
また、歯周病の場合、最初はブラッシング時の出血といった程度の自覚症状しかなく、痛みを感じるようであれば、ある程度進んだ歯槽膿漏である場合が多くなります。特にタバコを吸う人の場合、ニコチンの作用により出血が抑えられ、大事な自覚症状のない場合が多くなり、歯がグラグラになって初めて歯周病であることに気が付くことになります。

虫歯や歯周病の程度が進めば進むほど、治療に要する時間や費用がさらにかかるのは想像に難くないと思います。例えば、早期発見された小さな虫歯であれば、小さな充填物ですんだのに、放っておいたために、神経を抜いたりクラウンをかぶせたりしなければならないといった具合です。特に初期の虫歯の場合、デンタルフロスを含めた歯磨きの仕方を改善するだけで、歯が自然に修理され、治療の必要がない場合もあることを忘れないでください。
定期検診時には、同時に歯垢・歯石の除去、歯の研磨やフッ素塗布などが行われます。歯垢は歯磨きで除去することができますが、歯垢が硬くなった歯石は歯磨きで除去することはできません。まったく歯石を付けないように歯を磨くというのはなかなか難しいことで、自分ではしっかり磨いているつもりでも、ほとんどの人は多かれ少なかれ歯石が溜まってくるようです。
歯石除去の際には、歯の表面に付いたタバコやコーヒーなどによる着色の除去も行われます。また、フッ素は、歯垢中の細菌が産生した酸によってダメージを受けた歯の表面を修理する作用があり、大人にも子どもにも効果があります。
定期検診の頻度は、その人の口の中の健康状態によって異なるので一概には言えませんが、一般的には6カ月に1度と考えてもらえばいいと思います。ただし、何らかの理由で歯磨きがうまくできない人の場合や、歯周病のある人の場合などは、もっと短い間隔で診てもらう必要があります。
オーストラリアの歯科治療というと、保険制度の違いから治療費の違いがまず頭に浮かび、検診や治療を先延ばしにする人が多いようです。しかし、定期検診を小まめに受けた方がむしろ経済的であり、定期検診で問題を早期に発見して、歯や歯ぐきへのダメージを最小限に抑えることは非常に重要なことだと思います。

柿崎 伸二(かきざき しんじ)
柿崎歯科医院
東北大学歯学部卒業、東京で歯科医として勤務した後、渡豪。オーストラリアの歯科医師資格を取得し、11年前に現在のシドニー市内の診療所を開業。審美歯科からインプラントまで幅広い分野の治療を手がけている。2006年、最新設備を備えた新しい診療所をオープンした
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