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- 痛みを伴う乳ガンはまれと聞きましたが、何か検査をした方がいいのでしょうか。 [2008/10/01]

Q:
1年ほど前から乳房の痛みを感じるようになりました。痛みがあるのは両側です。月経前になり、生理が過ぎたころには治まります。月によって痛みの度合いは変わりますが、全体にはだんだんひどくなってきています。痛みを伴う乳ガンはまれと聞きましたが、やはり心配です。何か検査をした方がいいのでしょうか。治療法はあるのでしょうか。
(37歳女性=主婦)
A:女性の77%は一生の間にいつかは乳房痛を経験します。しかし、乳ガンの症状として乳房痛が起こることはあまりありません。嚢胞 (Cyst) や線維腺腫(Fibroadenoma)から乳房の痛みが起こることもありますが、大半の乳房痛にはしこりなどの病変部は認められません。原因も分かっていません。
乳房痛の分類
*周期性の乳房痛:比較的若い女性に起こりがちで、通常、月経周期の後半に起こり生理が始まるころに痛みが消えていきます。また、この周期性の痛みは数年続くことも多く、閉経を迎えれば治まることがよくあります。また、何かの理由で子宮を摘出すれば(同時に卵巣の摘出をしてもしていなくても)痛みが治まることがよくあります。
*非周期性の乳房痛:どちらかと言えば少し高年齢の女性に起こります。月経周期と関係なく起こり、痛みが継続する場合と断続的な場合があります。片側だけに起こることが多く、痛みは乳房の一部分に局限されている傾向があります。
*そのほか:乳房から発症する痛みではなく、肺や心臓、あるいは胸壁から起こる痛みも考えられます。肋軟骨炎 (Costochondritis) は、よく胸痛を起こす疾患で、乳房痛と混同することもあります。肋骨と胸骨(胸郭前壁の正中部にある板状骨の間にある軟骨)に炎症が起こり、痛みを引き起こします。肋軟骨炎の場合、消炎剤で治まります。

検査
まず医師の触診を受け、しこりなどの変化があるかどうかを確認する必要があります。痛みがひどかったり片側だけの場合、あるいは痛みに変化があった場合は、しこりなどが見つからなくてもイメージング検査を勧めます。乳房の超音波検査か、あるいはマンモグラフィーによる検査です。35歳以下ならまず超音波検査が適切です。それより高齢ならマンモグラフィーがまず最初に行われますが、異常があれば超音波検査もする場合もあります。
もしどちらかの検査で病変部があれば穿刺吸引細胞診(病変部に針を入れて細胞を採る検査)をします。
治療
乳房に合ったサポート性の高いブラジャーをすれば痛みが軽減することもあります。特に痛みがひどい時は簡単な痛み止め(Panadol のような)や消炎剤を使ってみる手段もあります。Evening primrose oilやビタミンB6(Pyridoxine)も痛みを和らげる効果があります。まれにあまりにも痛みがひどい場合はDanazolという通常子宮内膜症に使われる男性ホルモン作用のある薬やTamoxifenという乳ガンの治療に使われる薬などが用いられますが、これらの薬は副作用もあります。

鳥居 泰宏(とりい やすひろ) ノースブリッジ・ファミリー・クリニック
メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて19年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる
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