押して健康 ドクター印藤の「ここがツボ」
- 背中の痛み [2008/3/26]

昨年末よりしばらく日本に帰国していました。母国は数年ぶりの寒い冬で、真夏のメルボルンに戻って来て、日常の健康管理がいかに大切か、ということを痛感しました。良い仕事や勉強したりできるのも心身の充実があってこそで、気持ちがあっても体が思うように動かないのでは何もすることができません。東洋医学で最も重要な医学書の1つである黄帝内経素問は、四季における陰陽の氣(生命エネルギー)を良い状態に保つ方法を説いています。
素問によれば、まず春は、冬の間に伏していたすべてのものが萌え出ずる時であり、陽気が多くなり心身ともにのびのびとするので、いろいろな活動をし始めるのに向いている時期です。日の出とともに起き、ゆったりとした気持ちで過ごすのが良いとされます。適度な運動を行わないと肝臓を傷め、夏に冷えの病気を起こすとされています。
夏は草木が茂り、万物は盛って陽気が頂点に達する時期なので、日中はよく動いて陽気を発散し、汗をかくようにすると良い、と記されています。そうしなければ身体に熱がこもり、冷たい飲食物をしきりに欲しがるようになり、また心臓の病気になるとされています。
秋は、万物が実を結ぶ時であり、すべてが収斂し収納されてゆくので、体内の氣もしまい込まれていきます。この時期は早寝早起きをするようにし、あまり活動的になってあれこれ神経を消耗すると、肺を傷め、下痢が止まらなくなるので注意が必要になります。
冬は、万物が閉塞する時期であり、陽気は沈み込んでしまい、水が凍るように動くことがありません。したがってこの時期には遅く起きて皮膚に直接寒気を当てないようにし、決して氣を発散させないようにするべし、とされています。この法則を破ると、腎臓を傷め、春に手足の萎える病気になるとされます。
現代人は必ずしも季節に応じた生活はしておらず、逆に病気になりやすいことを率先しているようにも見えます。回復困難な病的状態に陥らないため、日ごろから摂生をし、強いストレスにも耐えられるような養生(セルフ・ケア)を心掛けることは、より重要になるでしょう。技術が進化し、人も物も高速で移動する現代ですが、体の構造と機能は数万年の間、変化していないと言われています。痛みは身体に何か異常が起きたことを知らせる重要な信号であり、それをコントロールするのは人々の切なる願いでした。下記はその一例ですが、ツボの働きを通じて実際に感得してみることで、それはより一層身近なものになるでしょう。

○天柱:後頭部の筋肉(僧帽筋)と骨の接合部外側、押して痛む所
○肩井:肩の上部線と乳首から直上した線の交点
○膏肓:背を丸めて肩甲骨の内側、骨ぎわの中央付近
○天宗:肩甲骨ほぼ中央、押さえて痛む所
○膈兪:背骨と肩甲骨下角線との交点から外方へ2横指
○肝兪:腹臥位で肩甲骨下角線(第7-8胸椎)の下方、第9-10胸椎棘突起間から外方2横指
○脾兪:第11-12胸椎棘突起間の外2横指
○腎兪:肋骨下端の線と腰椎の交点より外側2横指
ドクター印藤が研究開発に携わった、東洋医学健康度測定プログラムによる健康相談が行われています。詳細は、日本研究センターまたはEメールにてお問い合わせください。
Tel:(03)9905-2260/2248 (日本研究センター)
Email: ind_hiro@hotmail.com

印藤裕雄
(いんどう・ひろお)
北里研東洋医学総合研究所研究員などを経て開業。治療歴18年(鍼灸)中、運動器、自律神経疾患をはじめ、自己免疫疾患などの難病に実績をあげる。2004年来豪。現在モナシュ大学研究員。専門は伝統医療
|
その他の注目記事: |

























































