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    インタビュー
     - われらがOMR、凱旋帰国インタビュー  [2008/4/11]

インタビュー
今年2月、原宿で開催されたライブの模様。会場は終始温かな雰囲気に包まれた(Photo: Kazumichi Kokei)
みんなに届け ! “ユニバーサル・ミュージック”

インタビュー=日豪プレス編集部

 日豪プレスが今年大注目している豪のシンガー・ソング・ライター、オールド・マン・リバー(OMR)。デビュー・シングル「ラララ−みんなのうた(原題:LA)」が日本の洋楽ヒット・チャートで1位を獲得、凱旋帰国を果たした彼は今、リスナーたちに何を伝えようとしているのか。地元でのブレイクも予感させるOMRを直撃、そのハッピーで優しい楽曲の裏に隠された素顔に迫った。

インタビュー

――日本でのヒットは予想していましたか ? また、その要因は何だと思いますか ?
 僕は日本に魅了されていて、音楽を携えて日本に行きたいってずっと願ってたんだ。スタッフともシドニーでお寿司を食べる度に日本に行かなきゃ ! なんて話してたんだけど、実現するとは思ってもみなかったからほんとに驚いたよ。まさか日本で、しかもすごい速さで ! 数週間で1位に !? 今でもまだ夢みたい。
 日本に行った時も、どうして日本で(ブームが)起こったのかっていつも考えてたんだ。だって日本はJ-popがキングだから !
 それは、ただこの『LA』という曲がたくさんの人たちに普遍的に届いたんだと思う。この曲は、僕がよく一緒に歌う障害を持った人たちや子どもも歌えるシンプルな歌として作られた歌だから――。そして、この曲のシンプルさというものを僕自身学んだんだ。
 実は、この曲をアルバムに入れることを躊躇してたし、誰もこの曲が注目されるなんて思ってなかったと思う。でも、いろいろな所で歌われてるのを見て、ただ、シンプルにいこうって。 
 例えば日本と同じように、イタリアでも英語をしゃべらない人たちがこの歌を歌ってくれてる。だから言葉なんて知らなくても、ただあるがままでいいんだ。

インタビュー
場を和ませながらも丁寧に質問に答えてくれた

――実際に日本で公演してみていかがでしたか ?
 すごく良かった。とっても。10日ほどでめちゃくちゃ忙しかったけど、東京に一番長くいて4日、その後福岡、名古屋、神戸、京都、大阪と回る弾丸ツアー。移動は新幹線を使って、1日に3都市とか、もうてんやわんや ! でも飛び回ったお陰でたくさんの素敵な人や物に会えたのが本当に良かった。
 福岡で幼稚園を訪問した時は、教室いっぱいの200人くらいの子どもたちと一緒に歌って、それはすごかったよ。障害を持つ人たちが出しているカフェにも行って、折り紙を一緒に作って歌を歌って…。

――日本のファンの印象はいかがでしたか ?
オーストラリアと比べて違いはありましたか ?
 日本のリスナーは一番だね、みんなお酒を飲んだりしゃべったりせず、ちゃんと歌を聴いてくれる(笑)。一緒に歌ったり手拍子をしてくれるし、どこよりも素晴らしいリスナーたちだって思う。
 でもさ、障害を持つ人たちが出しているカフェで歌った時、すごいことに気付いたんだ。突然、日本にいることを忘れてしまって、シドニーと全く同じ感覚を覚えた。同じエナジーがあって、言葉の壁ってヤツは音楽で超えられる…驚きだったね。そう、結局何も違いなんてなくて、世界中一緒なんだって思った。

インタビュー
東京で行われたイベントでは、OMRが子どもたちにクジラの折り方を伝授(Photo: Kentaro Kanbe)

――福祉施設での音楽療法は、どういった経緯で始めたのですか ? また今後、どのような活動を行っていきたいですか ?
 数年前、しばらく何もすることがなくて放浪していた時、誰も好き好んでひどい暮らしをしてるわけじゃないと思った。だから、いつか何かの形で(その人たちに)貢献したいと考えてた。
 友人が音楽セラピーのワークショップを始めると聞いて、すごく興味をそそられたから電話してみたんだ。そしたら“ぜひ参加してくれ ! ”って。それから毎週、驚きや感動をもらい続けているし、多くのことを学ばせてもらってる。
 これからももちろん続けていきたい。今はアルバムのプロモーションですごく忙しくてワークショップを開く時間はないんだけど、“もっと活動できたらなぁ”っていつも考えてるよ。クールなやり方でね。
 それは、この活動の存在を知ってもらうこと。ほとんどの人はこういう活動が誰にでもできるんだってことに気付いてない。周りを見渡して助けを必要としている人を見つけるだけでも、僕らにできることがたくさんある。とってもシンプルで、1日中活動しなくったって1日1時間でも続けられるし、助けになるんだ。
 けど今、それを両立する方法を模索してる。忙しいけど何か役に立ちたい…もしそれが寄付や慈善団体の顔になることでも、方法はたくさんあると思う。

――(デビュー・アルバムに封入されていた)折り紙のクジラにはどういう意味が込められているのですか ? 
 このアルバムのアートワークをしている時に折り紙を入れることに決まったんだ。日本の美しい伝統のカケラをね。アイデア自体はすっごいギリギリで思い付いたんだけど、これがアルバムに付加価値を付けてくれた。iTuneじゃダウンロードできないもの、パッケージを持ってビニールを破って初めて手にできるもの。アート的な価値だけじゃなく、1度CDのサイズが縮まり始めてからその本質が失われ始めて、小さなiPodのサイズにまで縮まってしまった今だから…なんか僕らは手で触れられるところまで戻したかったんだ。
 おもしろいんだけど、日本に行った時みんな僕のことをこう呼ぶんだ、“オリガミ・センセイ ! ”って(笑)。折り紙は分からないのに ! 折れるのはクジラだけで、ツルは苦戦…。
 東京でもこれまたかわいい子どもたちと折り紙をしたんだけど、僕がもがきながらクジラを折ってる間に、驚くことに彼らはツルや木、ボートまで折ってるんだ !

――音楽を通じて一番伝えたいメッセージは何ですか ?
 歌を作るっていうすべてのプロセスは、自分から発信する音楽に自分自身のしるしをつけてどうやって世界に送り出すかということ。その中で、何を言いたいのか、どこへ届いてほしいのかということを意識して選び取る。
 インプット(曲を作る)の時に、自分が何モノであるか――人生に何を求めるか、今までの経験、旅行や体験してきたことのすべてが直接音楽に現れる。そこに確かな意志が存在して、例えば『Good Morning』というアルバムでは、たくさんの中からわずか11、2曲を選んで。
 じゃあなぜその曲たちを選んだのかって考えたら、前向きな姿勢、みんなを楽しく、楽にしてあげたい気持ち、決して安っぽい意味じゃなくて…これはしてみたかったチャレンジなんだ、音楽はすごく力強いものだっていう。僕は聴いた時に元気になれたり気分を変えてくれる音楽こそ魅力あるものだと思う。
 もうとんでもなく嫌な気分でなんにもやる気が起きない時(笑)、もし曲を聴いてくれて…うん、それでたくさんの人が何かを感じてくれたら、それが(音楽を発信する)理由の1つだと思う。音楽は感情や感覚的なもので、その“感じ”を録音する時に吹き込んだなら、聴いた人は1度で感じるもの。ごまかせないから。

――サマーソニック08の出演が決まり、8月に再来日ですね ! サマソニではどんなパフォーマンスを見せてくれますか ?
 僕は行ったことがないから全く分からないんだけど、周りの人たちがとっても大きなイベントでバンドのラインナップもすごいって言うから、特別なものなんだよね ! 楽しみにしてる♪ パフォーマンスは、絶対に忘れられない(笑)、最高のものになるよ !

――最後に、オーストラリアでの今後の展開を教えてください。
 今1年かけてツアーをしてます。それからいくつかイベントをして、アメリカから戻ったら次のアルバム作りに集中。そこからまたビッグな企画に向けて動き出す予定です !

インタビュー
飾らないサーファーそのままに、ジーンズとビーチ・サンダルで登場したOMR

■プロフィル
OLD MAN RIVER(オールド・マン・リバー)本名:オーハド・レイン。シドニー生まれの28歳。21歳までイスラエルで過ごし、世界各国をバスキングしながら放浪。2003年ごろ、シドニーに戻り本格的な音楽活動を開始し、07年3月、アルバム『Good Morning』(ソニーBMGオーストラリア)でデビュー。08年1月23日、同アルバムで日本デビュー。ブログ(http://oldmanriver.blog41.fc2.com)も公開中。

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