
Teacher's Advice
福島先生の教育指導
期待しない
今日はついていないと思う日というのは、たいてい自分の思い描いていた通りにならなかった日です。約束をしてわざわざ遠くから出向いていったのに会えなかったとか、楽しみにしていたイベントがあったのに体調を崩してしまって行けなかったとか。なぜ滅入ってしまうかというと、“こうしてああなって、そして私は…”と、少なからず未来を想像してわくわくしていたからですね。
遠足は、わくわくするところから遠足で、楽しみに待つことにも価値があります。ですから想像して嬉しい気持ちになることそのものを否定するのは、おかしなことです。その分、実現しなかった時の失望も仕方のないことです。しかし、思わぬ「状況」にがっかりすることと違い、「人」に期待をかけ、期待通りでなかったからといって腹を立てるのは、いかがなものでしょうか。
1日を過ごしている中で、腹を立てる場面にはおおよそ「人」が絡んでいます。偉そうに上から物を言う上司に。何度言っても仕事を覚えない部下に。勉強しない子どもに。家事をしない夫に。立場によって腹を立てる相手はさまざまです。他人が絡んでいなくとも、自分に腹が立つということもあります。あんなに練習したのにどうして本番で失敗するのか。一生懸命やったのにさっぱり評価してもらえない。しかも、この自分へのいらだちは、周囲の人への八つ当たりに発展したり、物も言わずに怒っていてあらぬ誤解を受けたりもします。そして、その時の周りの反応が思い通りでなければまた腹を立てるという悪循環になりがちです。
人はそれぞれ自分の物差しで考え、行動します。失敗もします。ですから、他人に期待をかけ、きっとこうしてくれるだろうと独りよがりな想像ばかりしていると、毎日何かしらに腹を立てて暮らすことになります。自分の希望だけが叶う世界など存在するはずがないのに、叶わない時にその都度怒っていたら、ぜんぜん楽しくありませんね。
「僕は全く誰にも期待しない。だから幸せなのさ」とは、アルベルト・アインシュタインの言葉です。他人にも自分にも期待をかけないということをいざやってみると、驚くほど気楽になれます。背負わなくてもいい荷物をわざわざ背負っていたのだと分かります。そして、あれほど腹を立てていたはずの相手に感謝の念が湧いてきます。それまで見えていなかった恵みに気付くことができるのです。身近にいる人にイライラしてきたら、期待値をゼロにまで下げましょう。たくさんの恵みに感謝して、どうか微笑んで暮らせますように。
教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。23年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である


















