福島先生の教育指導
- 存在の拡張 [2008/7/25]

福島先生の教育指導
存在の拡張
教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。22年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である
自分がどれほど成長したかを省みる時、どの程度エゴから解放された状態を保てるようになったかがその答えとなります。それぞれを一個の存在として切り離して考え、自らのエゴによって支配されていると、精神が孤立し、不安と恐怖から猜疑心や嫉妬などよからぬ感情に囚われ、いつまでたっても幸せにはなれません。
しかし、日々の暮らしは、個人のエゴ、さらにそれらを取り囲むナショナリズムといったものの中にあります。成果を説き、権利を主張するこうしたエゴからは、花のような美しい生き方は生まれません。もし、今以上に成長し、少しでも美しく生きたいと望むならば、心の中から変わろうと努力する必要があります。
成長できずに足踏み、あるいは後退している時、人は狭小な世界しか見えなくなっています。広い海を見つめ、果てしない空を見上げていると心が解き放たれて安らげるのは、それが自然な在りようだからです。自分という個と無数の他者とのつながりを感じられれば、ようやくそこが進化の新たなステージとなるわけです。宇宙的な視野で自分の存在を意識した時、初めて誠の志をもって自らの役割を果たしていけるようになるのです。
人の叡智は、自然の摂理に沿って生きる中で育まれてきました。世の中の歪みや人の心の歪みは、自然から離れて小さな個にこだわり過ぎてしまった結果なのでしょう。私たちが学び続ける理由は、自分の存在の意味を知り、無数のものとのつながりを意識して生きるためなのかもしれません。宇宙の役割を果たし、素晴らしい未来を作ることに貢献しようという無我に目覚めた時、苦しみや悲しみも自ずと癒されることでしょう。
一輪の花に宇宙を見ること。花も人も純粋な核の部分で結ばれているという真実は、私のような愚者でさえ、懲りることなく何度でも苦境から救い出してくれます。いつの間にか視野が狭くなり、個としての人生にこだわって苦しくなってしまった時、予期せぬ災いに行き場を見失ってしまった時は、自分の命を自分だけの命ではないと感じましょう。私は私としてこうして生きているけれど、この命は連綿と続く命のある瞬間を預かっているのだということを意識するのです。
自分の役割を豊かに表現していくという意味では、個としての自分にこだわって生きることは素晴らしいことであり、楽しみでもあります。しかし、苦しみや悲しみが重すぎて息が詰まりそうになった時は、そこから1度離れてみると楽になります。つらくなってきたら一時考えるのをやめ、意識を宇宙へと拡張しましょう。それはまた一段高いステージへ上がるということでもあります。
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