前向きっ!ワーホリング
- 第1回 渡辺拓己さん(27歳) [2008/5/18]
前向きっ!ワーホリング

オーストラリアで頑張るワーキング・ホリデー・メーカーたちにインタビューを敢行し、ワーホリの魅力や生の姿を伝えるこのコーナー。第1回は自動車整備士のスキルを武器にオーストラリアで孤軍奮闘する渡辺さんに、これまでのワーホリ生活と今後の夢を語ってもらった。
ジブンの可能性を広げるためには、
今できることからチャレンジする気持ちが大切
第1回 渡辺拓己さん(27歳)
ワーホリ5カ月目 自動車整備士
豪州に来ても、「クルマをいじっている時が一番楽しい」という渡辺さん
自分の腕は世界で通用するか !?
日本が世界に誇る自動車産業。それを支える自動車整備士(メカニック)の技術もまた、世界に誇れるものの1つと言っても過言ではないだろう。渡辺さんは日本でチューンナップを中心とする自動車修理工場を自営していたが、それを畳んで来豪した。彼がワーキング・ホリデーでトライしたかったことはズバリ、単身で海外に渡り、整備士としての腕を試すということだった。
「5年前オーストラリアを旅行した時、たくさんの日本車が走っているのに、日本車のことをよく分かっている整備士が少ない」と感じた彼。ツテもないまま、豪州で整備士になるためにワーホリ・ビザを取得した。「とにかくやりたいことは実行しないと気がすまないんです」という彼だが、勝算もなく来豪したわけではない。その旅行で、きっちりとワーホリへのステップを視察していたのだという。
「(当時の旅行で)日本人整備士の需要が高かったこと、こっちの整備士が結構ルーズなことを知ることができました。ジブンの技術が現地の整備士よりも上だという自信も出てきましたね」。
ところが、5年ぶりに訪れたオーストラリアの自動車事情を見て愕然とする。「景気が良くなったせいか、みんな故障もなさそうな新しいクルマに乗っていますね。整備士の数も他国からの流入で充実していて、“日本人”という優位性がなくなってきたようです」。不安になったが、やるしかない。まずは英語学校に通い、英語を勉強。学校などで知り合った友人たちのネットワークからパラマタ・ロード沿いに整備工場が多く点在することを知った。もともと行動力に長けているという彼、飛び込みで求人を当たろうとしたその1軒目で、日本人経営の自動車整備工場「パーフェクト・ラン」と出会った。
「チューンナップを取り扱っているという点が自分がやっていた仕事と似ていたので、すぐに仕事が決まりました」。そして早速、日本人整備士としての腕前を発揮した。「仕事が早いと地元のお客さんに喜ばれた時は嬉しかったですね。言葉はまだ、うまく通じないですが、仕事で伝えられることが嬉しい」と笑顔をこぼす。
常にビジネスを考えている
だが、これでメデタシメデタシというワケではない。彼はさらに先のことを見据えながら残りのワーホリ生活を送っていこうと考えている。「豪州ではチューンナップに関する法規制が厳しくて、なかなかジブンの好きなことができない。クルマをいじるのは本当に好きですが、別のことも考えています」というのだ。
現地で知り合った日本人以外との交流が楽しいという彼は、ワーホリ生活を通じて、もっともっと自分の可能性を試したいことが出てきたという。
「『あの時ああしておけばよかった』と後悔するのは好きじゃないから、今のうちにいろいろなことをやってみたい。1つはうどん屋。自分でうどんを打てるので(笑)。それに留学エージェントもまだまだ需要があると思うし、海外には日本にないビジネス・チャンスがたくさんあると感じています」。
“あれもこれも試したがって”と訝しがる人もいるかもしれないが、渡辺さんはこう断言する。「度胸があれば何でもやっていけると思うんですよね。実際そうやってきたし」。
「どんな仕事がいいかはまだ決められないですが、(自分の技術が)求められる所で期待に応えられるようなやりがいのあることを見つけ出したい。だから普段からビジネスのことを考えています。それが車関連の仕事だったらいいけど、車じゃないかもしれない。海外にチャンスが多いことは感じますが、日本に可能性があることを見つけたら、すっ飛んで帰るでしょうね」。
終身雇用という言葉が死語になった現代の若者を象徴するような口調で彼は飄々と語った。自分の稼ぎは自分で作る――。そして、そこに未来の日本のワーキング・スタイルを垣間見ることができると言えるだろう。

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