前向きっ!ワーホリング
- 第2回 松田悠佑さん(27歳) [2008/7/05]
前向きっ!ワーホリング

オーストラリアで頑張るワーキング・ホリデー・メーカーたちにインタビューを敢行し、ワーホリの魅力や生の姿を伝えるこのコーナー。第2回はディジュリドゥ、ジャンベのパフォーマーとしてオーストラリアを巡る松田さんに、ディジュリドゥとの不思議な縁やユニークなワーホリ生活について話を聞いた。
まずは挑戦してみることが大事
やってみて初めて課題が見えてくる
第2回 松田悠佑さん(27歳)
ワーホリ12カ月目
ディジュリドゥ、ジャンベ奏者
サラリーマンから路上パフォーマーに転身
ジャンベ2つとディジュリドゥ2本を手にオーストラリアを巡る、ストリート・ミュージシャンの松田さん。路上パフォーマンスで生計を立てている、ワーホリ・メーカーの中でも異色の存在だ。
「こちらに来るまで、今のような計画を立てていたわけではなかったんですよ」と言う彼は、自身の将来を模索したいという気持ちから、日本でのサラリーマン生活に見切りをつけた。ただ、昨年6月にケアンズに降り立った時には確固たる目的はなかった。
ケアンズに到着して2日目、店でディジュリドゥを目にしたことが、松田さんのワーホリ生活を決定づける大きな転機となった。中学から大学までバンドを組み、社会人になっても地元大阪でDJをしていた松田さんにとって、音楽は慣れ親しんだ分野。しかも彼には“民族楽器収集”という趣味があり、ディジュリドゥやジャンベも既に日本で手にしていた。
「これなら旅をしながら稼げる ! と思ったんです 」。ストリート・ミュージシャンで喰っていく――。なんとも大胆なアイデアに思えるが、本人はいたってポジティブ思考。「ダメなら違う仕事に就けばいい。気楽な気持ちで始めたんです」と笑う。ケアンズを離れ、次に向かったホームヒルで、同じくワーホリで来た日本人ジャンベ奏者と出会い、ストリートに出て1カ月間音楽漬けの生活をする中で、腕を磨いていった。
「50人を超えるオーディエンスに囲まれ、みんなが踊る中で演奏した時は喜びがこみ上げました。やっていて良かったと思いましたね」。偶然にもオーストラリアで“自分にとってのやり甲斐”を見つけたわけだが、前向きで飾り気がない人柄が幸運を引き寄せているのは間違いない。
左端でディジャリドゥを吹くのが松田さん
音楽を通して広がるネットワーク
「来た時はぜんぜん英語が話せなかったんですよ。でも音楽を通じて、コミュニケーションできたんです」。路上で知り合ったパフォーマーたちと即興でセッションをすることもしばしばあり、旅を通じて松田さんの活動範囲はぐっと広がった。バイロン・ベイで路上ライブをしていた時に声をかけてきたのは、地元の音楽フェスティバルの主催者。松田さんの演奏を聞いて、ライブの出演が決まった。12月には7,000人近くの人々が国中から集まるVIC州西部の野外フェス「レインボー・サーペント」に出演するまでに。旅の途中で出会ったミュージシャンの紹介がきっかけだった。
彼の演奏は「踊れる音楽」がテーマ。ディジュリドゥは「トラディショナル・スタイル」と呼ばれる従来の演奏スタイルではなく、試行錯誤で独自のスタイルを打ち出している。また、ジャンベでもトランスやブレイク・ビーツなどのリズムを再現しようと取り組んでいる。「出会ったパフォーマーに『どうやって演奏してるんだ ? 』と聞かれることもあります」。彼の奏でる音は、ほかのパフォーマーにも刺激を与えているようだ。
「パフォーマンスの質の良し悪しが収入の増減に直結しますから。ディジュリドゥはそれぞれに出る音がぜんぜん違うんです。奥が深いですね。パフォーマンスは修行のようなものです」。すべては自分次第。生活がかかる中での取り組みは真剣そのものだ。昼間は練習に打ち込み、夜は路上ライブを行う日々。中途半端な気持ちでないのは、パフォーマンスで得られる収入が、平均的なワーホリ・メーカーのそれと遜色ないことからもうかがえる。
「とりあえず挑戦してみる。やってみて初めて課題が見えてくる。常にどうやったら盛り上がるかを考えています」。毎日が充実していると語る松田さん。既にセカンドのビザを申請し、豪州西部も回る予定だ。いずれは旅の途中で出会ったミュージシャン仲間の故郷であるヨーロッパでも活動する、というのが今の目標である。
「音楽を通じて多くの仲間ができました。“Music is universal language”だと痛感しています」。それを地で行く彼の言葉には説得力がある。

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