jfpピースカフェ
- 入江さんとの最期の想い出 [2008/2/12]

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第15回:入江さんとの最期の想い出
文:香寿代プレストン
2007年の大晦日は、知り合いのミュージシャンの家で、友人とともに瞑想をした。扇風機のカタカタという音を聞きながら、ロウソクの灯りに意識を集中して私はライフ・サイクルについて考えていた。その大きなきっかけとなったのが、本紙1月号掲載のインタビュー記事で紹介されていた入江鈴子さんとの出会いである。
初めてお会いしたのが、彼女の人生の最終章、医師から末期ガンの宣告を受けた数週間後。彼女は、次々に見舞いに訪れるホープ・コネクションや私たちJfPのメンバーに対し、日本人コミュニティーにおけるエイジド・ケアの必要性を、自らの経験を例にひきつつ切実に語ってくれた。どんなに長く海外で過ごしても、人生終盤に入ると誰でも故郷が恋しくなる。そんな時に日本人コミュニティーによるエイジド・ケアがあれば、最期を迎える日本人にとってどんなにありがたいことだろうかと。
また、自費出版した自叙伝「ロンドンのお話」にも感銘を受けた。54歳で渡英、アルファベットから英会話を勉強し、多民族文化のロンドンで彼女が得た世界観や哲学が描かれ、どのページにも彼女の人間愛や慈愛が満ちあふれている。平和主義者として、深い洞察力を持ってイスラエル・パレスチナ問題に触れ、「弱者を助ける」のは人間として当たり前という思想に基づき、下宿屋を営むかたわら、老人ホームや障害者の施設でボランティアの活動を長年続けてきた。JfPが目指す「Think Globally, Act Locally」を82歳の最期まで見事に実践していた彼女の生き方に深い敬意を払いたい。
入江さんの人生の幕が1月10日の朝、静かに下りた。オシャレなピンクの洋服を身にまとい、メッシュの帽子を粋に被って、にこやかに天国に向かう姿が目に浮かんだ。短い間だったけれど、大切なことを教えてくださった入江さんに心から「ありがとう」を言いたい。私たち若い世代がその遺志を引き継いで世界平和を目指し、高齢者ケアや社会奉仕の活動にも励んでいこうと決意した。
どうぞ安らかにご永眠ください。合掌。
Japanese for Peaceプロフィル
2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。05・06年に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
Web: www.jfp.org.au
Email: info@jfp.org.au
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