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- 不動産に関して「ストラータ・タイトル」という言葉をよく聞きますが、詳しく教えていただけると助かります。 [2008/7/16]

Q:
不動産に関して「ストラータ・タイトル」という言葉をよく聞きますが、詳しく教えていただけると助かります。
(会社員34歳=男性)
A: 「タイトル」=権原という概念はイギリスをはじめとし、アメリカやオーストラリアにおける不動産の基礎となるもので、特定の不動産に対する根源たる権利です。NSW州では、トレンス・システムと呼ばれる登記制度を採用しており、ほとんどの不動産がこのシステム下で管理されています。
権利が登記されることによって不動産の権原に対する公信力(公的な保証)が与えられます。また、登記の対象となるのは土地(区分所有も含む、後部参照)であり、建物などに関しては付加物として認識します。
したがって、日本の登記制度のように土地と建物を別登記することはありません。
ストラータ・タイトルとはアパートやタウンハウスのように物件の一部(ユニット)を所有する場合の所有形態の1つで、このほかにはカンパニー・タイトルと呼ばれるものなどがあります。
カンパニー・タイトルは古い所有形態で、現在では圧倒的に少数です。この形態における権原の移転は、土地、建物を所有する会社の株が移転されることによって行われます。
株主はその持ち株に応じて建物(またはその一部)の完全占有権を与えられますが、土地に対しては会社の株を所有するのみで、所有権はありません。所有権の証明としては、権利証書の代わりに株券となります。
また、この株の賃貸、譲渡、売買などの取引を行うにあたってはほかの株主の同意が必要であるため、資産の流動性に制限があります。また、不動産に対するモゲージを設定することと異なり、会社の株の購入に対しての融資になるため、買主が銀行からの融資を受けることが困難であるのが実情です。
一方、ストラータ・タイトルは、建物のある一部(ユニットや駐車場)のみを所有する、いわば空中所有権です。基本的な考え方は、日本のマンション所有などの区分所有権に似ていますが、共有部分および土地はほかのユニットの所有者と共有するという点が異なります。
ストラータ・タイトルはカンパニー・タイトルと異なり、各々の区分および駐車場などの権利を明記した区分所有権権利証書が発行されるという形式をとっており、したがって一般の不動産と同様に権利、利益を自由に賃貸、譲渡、売買することができます。
ストラータ・タイトルには各ユニットの所有者で結成されるオーナーズ・コーポレーション(日本で言う管理組合)があります。所有者はすべてシンキング・ファンド(修繕積み立て金)やアドミニストレーティブ・ファンド(管理費用)を支払い、コーポレーションの中から選出されたエグゼクティブ・コミッティーが日々のマネジメントを行います。
なお、各々のユニットにはユニット・エンタイトルメント(ほかのユニットに対してのそのユニットの占める割合)が与えられており、それに応じて前述のファンドの支払い額が決定されたり、またオーナーズ・コーポレーションの決議の際、投票力の差異が与えられたりします。
なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

山本(青木)智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys
NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している
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