ニュース 特集
- ニュースで振り返る2007年 [2007/12/24]

2007年11月に行われた総選挙で11年間続いたハワード政権が終焉し、ケビン・ラッド新首相が誕生したオーストラリア。新風を歓迎するムードの中、気候変動問題、豪ドル高におけるインフレ、格差社会への懸念、干ばつ対策、イラク派兵問題など課題も多い。08年は勢いのある経済を背景に新政権の手腕が試される年となりそうだ。
海外では、イラクでの大規模テロ続発、中国産有害物質品の連続発覚や米国のサブプライム問題など、燻りつづけていた問題が表面化する事件が多かった。一方で、ネパールの暫定政府発足、7年ぶりの南北首脳会談、中東和平国際会議の開催など和平に向けた動きも見られた。
日本では、安倍晋三前首相の突然の辞任、食品業界各企業による食品偽装問題、約5,000万件にも及ぶ年金記録未統合問題など、安全を揺るがす事件で国民の不安を募らせた。
ここでは政治・経済、社会、日本、世界、スポーツ、芸能・文化の各分野から、07年を象徴する重大ニュースを取り上げ、1年を振り返る。
政治・経済
No.1
連邦総選挙で11年半ぶり政権交代−野党労働党圧勝
11月24日、連邦議会の下院全議席(150議席)と上院の半数(40議席)が改選される総選挙が行われ、ラッド党首率いる労働党が5期目を狙うハワード首相の保守連合(自由党、国民党)を破り、11年ぶりに政権を奪回した。60だった労働党の下院議席は83と大躍進し、保守連合の議席は86から58に減少した。
ラッド氏は今回の選挙戦で一貫して新しいリーダーシップを強調。京都議定書の批准、イラクからの豪軍部隊の段階的撤退などの政策を打ち出し、変化を求める国民の心をつかんだ。
一方でハワード政権は1996年の発足以来、空前の資源ブームを背景に巧みな経済の舵取りで豪州の経済成長を導いてきたが、労働法改正への一部国民の強い反発や、度重なる利上げの逆風を受けたほか、長期政権ゆえの「飽きられ感」にも悩まされた。
No.2
ラッド労働党政権が発足
ラッド労働党政権が12月3日発足した。ハワード保守連合政権と比べ内政にさほど変更はない一方、外交は外交官出身のラッド首相の意向が色濃く反映され、大きく変化する。前政権の「米国追随」から脱し、国連や多国間関係を重視する「バランス外交」へかじが切られる。米国との同盟を外交の基軸とする基本原則は変えないが、豪軍部隊をイラクから段階的に撤退させるほか、京都議定書の批准文書に署名した。いずれもハワード前首相が米国に配慮し、最後までかたくなに拒否してきたものだ。
また、ラッド首相は親中派。日本から中国に徐々に重点を移し、日本の重要性が相対的に低下するのは避けられないだろう。(時事)
No.3
APEC首脳会議、シドニーで開催
国際政治の一大イベント、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が9月2〜9日、シドニーを舞台に開催。ハワード首相をホスト役に、ブッシュ米大統領、安倍首相、胡錦濤中国国家主席、プーチン露大統領など21の国・地域の首脳らが一堂に会した首脳会議では、地球温暖化対策を討議した。2013年以降の「ポスト京都議定書」の枠組み作りに向け各国が協力することで合意した。
No.4
政策金利0.25%上げて6.75%に−11年ぶり高水準
オーストラリア準備銀行(RBA)は11月7日、政策金利を0.25%引き上げ6.75%とし、即日実施した。利上げは8月以来3カ月ぶり。インフレの上昇懸念が高まっており、追加利上げに踏み切った。6.75%は1996年11月の7.00%以来、11年ぶりの高い水準。住宅ローンを抱える国民には大きな負担増になる。(時事)
No.5
日豪EPA交渉が開始
日豪の経済連携協定(EPA)締結に向けた政府間交渉の第1回会合が4月、首都キャンベラで開催された。第2回会合は8月に東京で、第3回会合は11月にキャンベラで開催。日本側は石炭や鉄鉱石など豪州の資源・エネルギーを安定的に確保するのが狙い。豪州側は農産品の輸出拡大を図りたい考えだが、牛肉、小麦、乳製品、砂糖を関税撤廃の「例外扱い」としたい日本側と対立しており、交渉は長期化する見通し。
社会
No.1
オペラハウス、世界遺産に認定
ニュージーランドで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は6月28日、オーストラリアのシドニーにあるオペラハウスを世界遺産として登録することを決めた。豪州の世界遺産登録は17カ所目で、文化遺産では王立博覧会ビル(メルボルン)に次いで2カ所目。
オペラハウスはデンマーク人建築家が設計し、1973年に完成した。白いアーチ型の屋根が特徴で、年間約450万人が訪れている。 (時事)
No.2
英連続テロ未遂事件で豪の医師、逮捕
6月の英連続テロ未遂事件に関与したとされ、インド国籍の男性医師が8月2日、ブリスベンで逮捕された。また、同月6日には新たに5人の医師と2つの病院を捜査するなど、当局による捜査は全国的な広がりを見せた。しかし、ブリスベンで逮捕されたインド国籍の医師は、3週間以上にわたって勾留された後、証拠不十分で不起訴となった挙げ句、就労ビザをはく奪されるなど、大きな波紋を呼んだ。
No.3
グレート・バリア・リーフが死滅の危機
豪の調査機関「Australian Research Council Centre for Excellence for Coral Reef Studies」のオーブ・ヒーググルドバーグ海洋生物学教授が4月6日、海水温上昇で激化しているグレート・バリア・リーフ(GBR)の白化現象(サンゴの死滅現象)がこのまま続けば、20年後にはGBRのサンゴが死滅する可能性があると発表した。また、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の報告でも、早ければ2030年までに、GBRのサンゴは死滅する可能性があると指摘されるなど、世界最大の珊瑚礁群におよぶ危機が大きな話題となっている。
No.4
干ばつの影響で、ついに殺人事件
深刻な干ばつに見舞われているオーストラリアで、水不足がついに殺人事件に発展した。自宅の庭で水まきをしていた男性が、これをとがめた男とけんかになり、暴行を受けて死亡した。
豪警察によると、事件が起きたのは、シドニー南部の住宅地。被害者の男性(66)は10月31日夕、自宅の庭の芝生にホースで水をまいていたが、通行人の男(36)が水不足を理由に注意、口論となった。男性がホースで水を掛けたところ、男は激怒。殴るけるの暴行を加え、病院に運ばれた被害者は死亡した。男は殺人容疑で逮捕された。
豪州は昨年に続く雨不足で、庭の水まきや洗車などは規制中。シドニーでは庭の水まきは水曜と日曜の午前10時以前か、午後4時以降に制限されている。今回の事件は水曜の午後5時半ごろ起きており、被害者は違反はしていなかった。 (時事)
No.5
シドニー・ハーバー・ブリッジ75周年
シドニー・ハーバー・ブリッジが3月18日、開橋75周年を迎え、マリー・バシアNSW州総督や、モリス・イエマ州首相らがセレモニーに参加。75年前の開橋セレモニーで使った同じハサミでリボン・カットを行った。
世界
NO.1
米サブプライム問題、国際金融市場揺るがす
米国で低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きが多発し、これをきっかけに世界の金融市場が大きく動揺した。リスクに対する警戒感が急速に高まり、8月以降、信用の収縮、株価急落、ドル安などが一気に加速した。これまでのところ、実体経済に大きな影響はないものの、サブプライム問題を発端とした市場混乱を理由に2008年の景気見通しは米国、欧州、日本いずれも下方修正された。
NO.2
6カ国協議、北朝鮮の核無能力化で合意
2月に北京で開かれた北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議は、北朝鮮がすべての核計画を申告し、既存核施設を一定期間使用できなくする「無能力化」を行うことで合意した。無能力化の対象となるのは寧辺の黒鉛減速炉など3施設で、北朝鮮は見返りとして重油100万トン相当の支援を受ける。北朝鮮は7月この合意に沿って、核施設の稼働を停止。米専門家チームも秋に現地入りし、非核化プロセスが始まった。
NO.3
原油価格急騰、100ドル目前に
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場が急騰し、1バレル=100ドルの大台に迫った。相場は11月20日に、一時99.29ドルと、史上最高値を更新。その後も高止まりが続いている。中国などの需要増大も原油高の原因だが、むしろ、世界的な低金利を背景にしたカネ余りの結果、投機的な買いが相場を押し上げたとみられる。
NO.4
米軍が増派、イラクで混迷続く
ブッシュ米大統領は1月、イラク駐留米軍の兵力を2万人以上増強し、16万人規模とする新戦略を発表した。テロの頻発で国内情勢が混迷を深める中、大統領は増派による治安改善効果を強調、9月には08年夏までに増派前の水準に戻す考えを表明した。国内政治はマリキ政権が宗派や派閥の利害対立で「機能不全」に陥る一方、米国内では厭戦ムードが拡大した。
NO.5
温暖化に国際的関心、ゴア氏にノーベル賞
地球温暖化問題に対する国際的な関心が高まった。ゴア前米副大統領の講演活動を記録した映画『不都合な真実』が全世界で大ヒット。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、温暖化の主因が人為的な温室効果ガスの増加だとほぼ断定して環境への影響を予測する報告書をまとめ、ゴア氏とともにノーベル平和賞を受賞した。
日本
No.1
安倍首相、突然の辞任―福田内閣スタート
9月12日、小沢一郎民主党代表との党首会談を断わられたことなどを理由に、安倍晋三首相が突然の辞任を発表した。在任中は、現職の松岡農相の自殺や久間防衛相の不適切な発言による辞任など度重なる問題に悩まされ、最後は、健康問題が辞任の最大の要因と明かした。これを受け、自民党の総裁に就任した福田康夫氏が、第91代、58人目の首相に就任、新内閣が発足した。
No.2
参院選で民主党が大勝利
7月に行われた第21回参議員選挙で、民主党が選挙区、比例代表とも自民党を引き離して結党以来の60議席を獲得し、大勝利を収めた。比例での得票率は39.5%の過去最高を記録し、参院第1党の座を奪った。一方の自民党は、年金不信などで逆風が吹く中、37議席しか得られず大敗を喫した。自民党が第1党から滑り落ちたのはこれが初めて。
No.3
食品偽装問題、続々
1月に大手菓子メーカー、不二家が消費期限切れの卵や牛乳を使った洋菓子を販売していたことが発覚。これに端を発し、ミートホープ社が鶏や豚の肉を混ぜたひき肉を牛肉と偽って販売、北海道土産として有名な菓子「白い恋人」や、三重県の和菓子「赤福」の賞味期限改ざんが明らかになった。相次ぐ食品偽装を受け農水省と警察庁が防止や捜査に本腰を入れ始めたが、消費者の信頼回復には時間がかかりそうだ。
No.4
守屋前防衛事務次官を逮捕―妻も「身分なき共犯」
防衛装備品の調達をめぐり、防衛専門商社「山田洋行」に便宜を図った見返りにゴルフ旅行などの接待を受けていたとして11月28日、守屋武昌前防衛事務次官と妻の幸子容疑者が逮捕された。ゴルフ旅行は計12回390万円相当に上り、幸子容疑者も次官の妻として接待を受けていた認識があることから「身分なき共犯」に問えるとされ、逮捕に至った。
No.5
“消えた年金”―横領、未払い、記録漏れ
市区町村職員や社会保険庁の職員による国民年金保険料の横領、企業年金の未払い発覚などが国民の怒りを買う中、基礎年金番号に未統合の「宙に浮いた」年金記録、約5,000万件の存在が明らかになった。
スポーツ
No.1
レッドソックス松坂が誕生―ワールド・シリーズ制覇に貢献
西武から松坂大輔投手(27)が、ポスティング・システムを利用し契約金総額約60億8,000万円で米大リーグのボストン・レッドソックス入りした。1年目から先発ローテーションを守り15勝を挙げる活躍。また、日本ハムから入団した岡島秀樹投手(31)も4月のア・リーグ月間最優秀新人に選ばれるなど、両選手ともチームのワールド・シリーズ制覇に貢献した。
No.2
横綱朝青龍騒動、力士死亡―土俵際の相撲界
7月、横綱朝青龍(26)が怪我で夏巡業を休場しながら、母国モンゴルでサッカーに興じたとして、相撲協会から現役の横綱では初の謹慎処分を受けた。また、稽古中の事故死とされていた斎藤俊さん(当時17)が、兄弟子たちの集団暴行による死亡とされ刑事事件に発展するなど、閉鎖的で旧態依然とした角界に疑問が呈された。
No.3
上田桃子、米ツアー初勝利&最年少賞金女王
11月4日に行われた女子ゴルフ・ミズノ・クラシック最終日を、上田桃子が66で回り、通算13アンダーの203で優勝、米ツアー初勝利を挙げた。米ツアーで日本人選手が勝ったのは99年の福嶋晃子以来、21歳での勝利は日本人最年少。さらに、総獲得賞金1億5,961万円あまりで日本女子プロゴルフ・ツアー賞金女王に21歳の最年少で輝いた。
No.4
ドーピング疑惑、クロとシロ
陸上女子短距離の元女王、マリオン・ジョーンズ(31・米国)が2000年シドニー五輪前後のドーピング(禁止薬物使用)を認め、00年9月1日以降の競技会での記録の抹消、賞金やメダルの剥奪を受け入れた。一方、3月末に疑惑が報じられた豪水泳界のスーパー・スター、イアン・ソープ氏(25)は、オーストラリア・スポーツ反ドーピング機関により潔白が発表された。
No.5
亀田家ブーム収束―次男の亀田大毅選手、反則行為連発
プロボクシングの世界戦に挑戦した亀田大毅選手(18)が、試合中反則行為を繰り返し、日本ボクシング・コミッションから1年間のボクサー・ライセンス停止処分を受けた。無期限のセコンド・ライセンス停止処分を受けた父親でトレーナーの亀田史郎氏(41)は辞任、セコンドを務めた兄の亀田興毅選手(20)は3カ月間の試合出場自粛を決めた。
芸能・文化
NO.1
豪億万長者、ジェームズ・パッカーが歌手のエリカ・バクスターと結婚
オーストラリアの億万長者でメディア・カジノ王のジェームズ・パッカー(40)と歌手のエリカ・バクスター(30)の結婚式が6月20日、南フランスの高級リゾート地、リビエラで行われた。600万ドル級の超豪華なウエディングでは、3日間にわたってパーティーが行われ、トム・クルーズ夫妻をはじめとするセレブらが出席した。
NO.2
ベッカム来豪
サッカー選手のデビッド・ベッカム(32)が、現在籍を置く米LAギャラクシーとシドニーFCとの親善試合のため11月25〜28日、初来豪した。11月27日の試合では1ゴールを決め、スタジアムを埋め尽くした約8万人のファンを沸かせた。4日間の滞在中、シドニーはベッカム・フィーバーに包まれた。
NO.3
森理世さん、ミス・ユニバースに
5月28日、メキシコ市で2007年ミス・ユニバースの世界大会が開催され、日本代表の森理世さん(21)が優勝した。日本人の優勝は、1959年の小島明子さん以来、48年ぶり。森さんは、カナダのバレエ・スクールでダンスを勉強、受賞当時は母親の経営するダンス・スクールでジャズ・ダンスを教えており、将来は国際的なダンス・スクールを運営することが夢だという。
NO.4
パバロッティ氏、死去
イタリアの有名テノール歌手、ルチアーノ・パバロッティ氏が9月6日、死去した。71歳だった。パバロッティ氏は1961年にオペラ歌手としてデビュー。その豊かな声量で世界中のオペラ・ファンを魅了し、91年イタリアで開催されたサッカーW杯や、06年のトリノ五輪など、数々の大舞台で活躍した。
NO.5
パリス・ヒルトン刑務所行き
お騒がせセレブ、パリス・ヒルトン(26)が免許停止処分中の運転が原因で禁固処分を受け、6月5日、ロサンゼルス郊外の女性刑務所に収容された。パリスは健康上の理由で3日後に釈放されたが、その後すぐに再送還され、涙を流す姿が各メディアで報じられた。結局予定の半分、約3週間半の服役を終え、6月26日に出所した。


























