第1回 イカを肴に海辺で乾杯! 美しい海に囲まれたシドニーでは、桟橋やボート...
- 釣り特集1 湾内のイカ釣り [2008/9/01]
第1回
イカを肴に海辺で乾杯!
美しい海に囲まれたシドニーでは、桟橋やボートから魚釣りを楽しむ人を多く見かける。摩天楼のそばで、日本では考えられないようなメートル級の大物を釣るのも夢ではないのだ。釣り特集の第1回目は、手軽に始められる湾内でのイカ釣りを取り上げてみた。
(写真)シドニーの桟橋で夜に釣れたイカ

岸釣りはやり方次第で大漁も
一般的にオーストラリアの釣りは、うまい食料を調達する手段というよりもクルーザーや船外機付きの小型ボートを楽しむ趣味、ボーティングの1ジャンルとしての要素が強い。このため、ボートを使ったゲームフィッシングが圧倒的に主流だ。湾内や外洋を走り回り、最近はGPSを使って魚の居場所であるリーフ(岩礁)や沈船のポイントに直行して魚群探知機で魚影を探して釣ることができるため、岸釣りに比べると一般的により大きい魚がより多く釣れる。
しかし、ボートは最も小さいものでも新品なら船外機といっしょに購入すれば1万ドル近くはする。そこまでなかなか手が出ないという人は岸釣りか貸しボートを利用するしかない。だが、シドニーの適当な桟橋に出かけてただ単に竿を出しても、放流サイズの小さいタイがたくさん釣れるだけだったという人も多いのではないだろうか。
(写真)ジャービス・ベイで釣れた巨大イカ
でも、桟橋からの岸釣りでも、特定の魚種に狙いを定めて地元の釣り方を覚えれば、工夫次第で大漁や1メーター級の大物をゲットすることも不可能ではない。スポーツとして楽しむゲームフィッシングは別の機会に取り上げることにして、今回は初心者でも岸から比較的簡単に釣れ、酒の肴になるおいしいイカの釣り方を紹介してみたい。

単純な道具で楽しめるイカ釣り
イカ釣りは道具がシンプルで、安い竿1本とリール、ライン(釣糸)、ルアーさえあればすぐに始められる。エサもいらないし、岸から比較的簡単に釣れるので釣りの入門にはちょうどいい。
(写真)イカ釣り専用ルアー
まずはディスカウント・スーパーKマートなどの釣り道具売場に行き、6〜7フィート(180〜190センチ程度)の竿とスピニング・リール、ラインがセットになった安い「コンボ」を買うといい。コンボは一番安くて15ドルくらいのものもあるが、安物はリールがすぐに壊れたり、ラインがよれて使い物にならないことも多い。信頼性を考えると50ドル前後のメーカー品を購入すれば問題ないだろう。
ルアー(疑似餌)は、日本で餌木(エギ)と呼ばれるものと同じイカ釣り専用のルアーを使う。小魚の形を模した、ライターより少し大きいほどのルアーで、普通の魚用と違って、イカの足がひっかかりやすいようにハリが放射状にたくさん付いているのが特徴。日本製の高級品はシドニー市内の専門店で1個15ドル前後で売られているが、最初はKマートの店頭に並んでいる1個3ドル〜3ドル50セントほどのものを4〜5個買っておけばいい。色はその時によって釣れる色が違うので、オレンジやブルー、ピンクなど代表的なものをいくつか選んでおこう。
後は、ルアーの交換が楽になるのと、ラインのよれが防げるので、スナップ付きの「よりもどし」という金具(袋に10〜15個入った状態で売っている)を買い、釣れたイカを入れておくバケツ、獲物を触った手を拭くタオルくらいがあればいい。
ポイントは、波が静かな湾内で底に海草が生えているような浅場を狙う。シドニー周辺(注1)なら、足場も良く安全な以下のポイント(注2)をおすすめしたい。
◇ピットウォーター湾 Pittwater
パームビーチ・フェリー乗り場など
◇シドニー湾 Port Jackson
マンリー・コーブ周辺の岩場
モスマン・バルモラル・ビーチ
モスマン・クリフトン・ガーデンズ
ローズベイ・フェリー乗り場など
◇ボタニー湾 Port Botany
ラ・ペルース周辺など
◇ポート・ハッキング Port Hacking
リリピリ・バスなど

大潮の満潮前後、朝イチか夕方を狙え
ほかの魚にも言えることだが、タイミングとしては絶対的なセオリーとして、大潮、すなわち満月や新月の前後数日間が最もいい。時間帯は日の出前後と日没前後が一番。潮は満潮前後の時間帯が最も期待できる。インターネットや釣具屋で配布しているタイドチャート(潮見表)を見て、朝一番と夕方に満潮を迎えるような時を狙うのがベストだ。逆に昼間の干潮時にいくらやっても釣れる可能性はぐんと低くなる。
(写真)ローズ・ベイで釣れた全長62センチのイカ
また、イカは流れのない澄んだ水を好むので、大雨の後やうねりが湾内に回り込んできて海水が濁っている時は釣れない傾向がある。
釣り方としては、フェリー乗り場などの桟橋や波止場からルアーを沖や岸沿いに投げ、時おり竿先に軽くアクションを加えて浮かせたり沈ませたりしながらゆっくりと引いてくる。そこにイカがいれば、ルアーを小魚と間違えて10本の足のうち長い2本の足でルアーに巻き付いてくる。イカ釣り船の灯りからも分かるようにイカは光に集まる習性があるので、夜釣りでは桟橋の電灯の下などを狙うとさらに効果的だ。灯りの下にアジなどが集まっているような時は、小魚を狙って水面下に集まった大量のイカを目撃してびっくりすることがある。
釣れたイカは、短時間で家に持ち帰ることができる場合や冬の夜釣りでは、海水を入れたバケツに入れておき、帰りにビニール袋に入れて帰れば問題ないが、釣りが長時間になる場合や暑い日は氷を入れたクーラー・ボックスで冷蔵しておくこと。新鮮な状態で、釣り場でさばいてイカそうめんにして食べるなら、ナイフとまな板、しょうゆ、わさび、そして日本酒もお忘れなく!大自然の中で、採れたての海の果実に乾杯しよう。
なお、NSW州内で釣りを楽しむには、州政府が発行するライセンスを購入しなければならない。ライセンス料金は3日間6ドル、1カ月12ドル、1年間30ドル、3年間75ドル。オンライン(下記のリンク参照)または州政府指定の釣具店やガソリンスタンドなどで購入できる。ライセンスを購入せずに釣りをした場合、高額の罰金の対象となるので釣りを始める前にまず購入を忘れてはならない。
▼注1:NSW州漁業省は、シドニー湾内の魚は基準値以上のダイオキシンに汚染されている可能性があるとして釣った魚を食べることを推奨していない。食べる場合は自己責任で。
▼注2:フェリー乗り場ではフェリー運航時間は釣りが禁止されている場所もあるので現地の標識などで確認すること。
Links
▼NSW州政府漁業省フィッシング・ライセンス・オンライン購入フォーム(支払いはビザまたはマスターカードのみ)
▼シドニー釣り情報のポータル・サイト「シドニー・アングラー」(掲示板の閲覧には無料のメンバー登録が必要)
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