今月のOh! な特集
- ペット特集6 熱帯魚を飼う [2008/8/11]
第6回
手軽に飼える熱帯魚
最初に何を揃える?
共働きで家にいる時間が少ないカップル、出張や外泊で家を空けることの多い独身者などは、動物が好きでも犬や猫などを飼うことはできない。でも、熱帯魚などの観賞魚ならお手軽で、しかも凝れば奥も深い。水槽のデザインや水草などにこだわれば、部屋のお洒落なインテリアにもなる。
(写真)銀色に光る鱗が美しい熱帯魚の王様アロワナ(Photos: Wikipedia Commons)
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お勉強のテーマは幅広い
一言で観賞魚飼育といっても、簡単な金魚、小型の熱帯魚、難易度の高い海水魚など千差万別。特定の魚種の繁殖に入れ込む人、ネイティブ・フィッシュ(在来種淡水魚)にこだわる人、魚は飼わず水草を育てて楽しむ人、海水でイソギンチャクだけを飼う人など、ジャンルはその世界のマニアごとに細分化されている。

それほど奥が深いのだが、水槽や関連グッズをある程度揃えてしまえば、通常の場合、餌代や電気代はたいしたことがないので、維持コストがそれほどかかる趣味ではない。とはいえ、飼い方や餌は魚種ごとに異なり、水質の維持、水の交換、病気対策、機器のメンテナンスに始まり、分類学や生物学の知識など勉強することは非常に幅広い。ここでは淡水の熱帯魚の中でも初心者でも飼いやすい魚種の一般的な飼い方に絞って説明していく。

まずは初心者に優しい魚から
ペットショップの店頭で泳いでいる魚はたいてい小さいが、購入した時は数センチの稚魚でも、成長すると1メートル以上になるようなモンスターもいる。水槽をはじめ関連グッズ選びは、どんな魚を飼うかによって変わってくるので、まずは飼う魚を決めなければならない。まずは、信頼できる専門店に通ってスタッフと仲良くなって生の情報を教えてもらったり、本や雑誌、インターネットなどで何を飼うか研究することから始めよう。

初心者にとってハードルが低い無難な魚種としては、水色と赤の発色がきれいで性格もおとなしいネオン・テトラ、透明な身体が特徴のトランス・ルーセント・グラス・キャットなどの小型魚が挙げられる。最初は、これらの魚5〜10匹の群れに加えて、食べ残しや水槽に付く苔などを食べてくれる“お掃除屋さん”のコリドラス(ナマズの仲間)を数匹配置して、枯れにくい水草を植えて水槽内を美しく演出するのがいいだろう。

逆に、ベタ(闘魚)などの気性が激しい魚や、水質に敏感な魚種、常に金魚や赤虫などの生きた餌を必要とする肉食性の大型魚などは上級者向け。最初は手を出さないことだ。自分の実力に見合った魚種を、ひと回り余裕のある大きさの水槽で飼い、できるだけストレスの低い状態に置くことが成功への近道となる。
土台は頑丈な専用のものを選ぶ

方針が決まれば、魚を買う前より前にグッズを購入する。最低限必要なものに、水槽、水を浄化するろ過器、きれいに見せるのと水草の光合成に必要な照明、水温を一定に保つヒーターとサーモスタットがある。ほかに水槽の底に敷く砂利、温度計なども必需品。魚によっては隠れ家になる流木などもあった方がいいだろう。

水槽の材質は、丈夫なガラスと軽いアクリル製があり、それぞれに利点がある。サイズは、長さ60センチ程度のものが標準サイズだが、オーストラリアのショッピングセンターにある一般的なペットショップでは、必要なものが全部揃った小型のパッケージ商品が主流。一方、大型の水槽は専門店でのオーダー・メイドとなる場合が多い。セオリーとしては、水量が多いほど水質が安定して管理がしやすいという利点があるので、初心者ほど大きなもの、できれば最小でも60センチ・クラスの水槽を選びたい。

意外と盲点なのが水槽台。標準的な大きさの水槽でも水を張れば1人ではとても持てない重さになる。通常の家具の上に置けば、破損、倒壊のおそれがあり、たいへん危険である。十分な強度がある専用の水槽台も購入リストに必ず加えてほしい。
設置場所は、苔が増える可能性があるので直射日光が入るところ、魚が神経質になるので人通りの多いところなどは避けるように。

魚を入れるまで1週間は水質調整
さて、水槽など必要なグッズと台を購入して、設置場所が決まれば、まずは水槽の内部と器具類を真水でていねいに洗う。それから、熱帯魚専用の砂利もバケツの中などでコメを研ぐ要領で水を換えながら洗っておく。そして水槽の底面に砂利を敷き詰め、ろ過器やサーモスタットなどを設置して、水道水を注入し終わったら各機器に電源を入れて動作させる。

ここで重要なのは、すぐに魚を入れずに、最低1週間程度、器具を動作させたままの状態で寝かせておくことである。水道内の塩素は魚にとっては毒となる。塩素は1日程度で抜けるが、水質を安定させるには1週間程度の時間は必要なのである。

たかが魚、されど魚。道のりは長いが、そうしてグッズが揃ってから1週間後。ようやく目当ての魚を購入し、晴れて水槽に入れる時がやってくる。この時も焦ってはいけない。ペットショップで魚を入れてもらったビニール袋の中の水と水槽の水の温度差が激しいとショックで死んでしまうこともあるのだ。袋ごと水槽に入れて温度を慣らしてから、袋の中に水槽の水を徐々に入れていき、水質の変化にも適応させていく手順が必要となる。こうしたキメの細かい作業が魚の健康を守るために不可欠なのだ。

1週間〜10日に一度は水を換える
こうしてようやく熱帯魚との生活が始まるわけだが、エサは1日1回、適量でよい。食べ残しが多いと水質悪化につながるので注意しよう。あとは日常的に必要なメンテナンスとしては、ヒーターが故障して水温が低下すれば、熱帯魚は死んでしまう危険があるので水温をまめにチェックすること。

そして、定期的な水換えも必要である。これは、機械ではろ過しきれない、排泄物から蓄積される毒分を取り除くために必要な作業で、専門家は7〜10日おきに一度は全体の水の1/4〜1/3程度を交換するよう呼びかけている。このために専用の水換えホースを利用して、底にたまった汚れを吸い取っていく。交換用の水は、あらかじめ温めて水温を調整した上で塩素中和剤を使って塩素を消毒してから、水槽に入れていく。こうしたメンテナンス中は電源をオフにしておくこと。水換えのタイミングで、スポンジなどを使って水槽の内面をまめに掃除しておくと、いつも美しい水中の世界が楽しめるだろう。

こうした基本的なメンテナンスをまめに実行すれば、観賞魚の飼育はそれほど難しいことではない。家の中でできる、何か新しい趣味を探している人は、魚を買うことをぜひ検討してみてはどうだろう。

Links
シドニー周辺の熱帯魚・観賞魚専門店
▼Manly Aquarium World (マンリー)
www.aquariumworld.com.au
▼Aquadiciac (サリー・ヒルズ)
www.aquadisiacstore.com.au
▼Strictly Aquarium (郊外に6店舗)
www.strictlyaquariums.com.au
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