今月のOh!な特集
- ミュージアム特集2 パワーハウス博物館 [2008/11/11]
第2回
パワーハウス博物館
シドニーのダーリン・ハーバーにあるパワーハウス博物館。国内の博物館としては最大規模で、科学技術を中心とした産業社会の幅広いテーマについて学ぶことができる。インタラクティブな展示も多いので子供と一緒に楽しめる。
(Photos: Tourism New South Wales)

視野を広げるインタラクティブな展示
ニュー・サウス・ウェールズ州立の科学博物館であるパワーハウス博物館は、かつてシドニー中を網羅していた路面電車、トラムの発電所(パワーハウス)跡地を再開発して1988年にオープンした。その歴史は130年も前に1879年にシドニーで開かれた万国博覧会にさかのぼる。当時のオーストラリア植民地開発をテーマにしたパビリオン「ガーデン・パレス」がその始まりだ。ガーデン・パレスは後に火事で全焼したが、焼け残った数少ない展示物が博物館のコレクションの基礎になった。
現在では、ダーリン・ハーバーにある総面積2万平方メートルの敷地内で、科学、テクノロジー、産業、デザイン、装飾アート、音楽、交通、宇宙開発など幅広い分野の22の常設展といくつかの特別展を開催。所蔵品の総数は約38万5,000点にのぼる。
また、タッチ・スクリーン機能付きのコンピューター、オーディオ、科学実験の体験、3D映像のシアターなど約250点のインタラクティブ(双方向)な展示装置を館内に配置。科学技術について楽しみながら学べる知的なエンターテイメント施設として子供たちの人気を集めている。

近代文明の足跡を追う
膨大な数の展示物の中でも、世界最初の回転式蒸気機関の展示は博物館の目玉の1つだ。これは1785年から100年以上にわたって、ロンドンのビール醸造所で使われていたもの。蒸気でピストンを動かして大きな車輪を回し、原料のモルトを挽いたり、水を汲み上げたりしていた。現在も動作するものとしては世界で最も古く、非常に貴重な史料となっている。
(写真)世界で初めて稼動した回転式蒸気機関

また、英国で製造され1855年にNSW州で最初に走った蒸気機関車「ロコモーティブNo.1」も貴重だ。シドニーとパラマッタの間を50分かけて走っていた当時の機関車と客車を当時のままに復元して展示しており、このタイプの蒸気機関車が現存しているのは世界でもここだけだという。
近代文明に大きな変革をもたらしたこうした蒸気機関や交通機関に関する展示ばかりではなく、原子力や宇宙開発、コンピューターといった20世紀以降の科学技術の歴史についても詳しく学ぶことができる。国際宇宙ステーションの内部や無重力状態を擬似的に再現したコーナー、現代のコンピューターの基礎となった機械式電算機、人口知能、ロボットなどの展示は非常に興味深い。
(写真)NSW州で最初に走った蒸気機関車

12月開始のスター・ウォーズ展に注目
一方、期間限定で開かれる特別展も見逃せない。12月4日からは、映画「スター・ウォーズ」の6作品で使われたコスチューム80点や、実際に撮影で使われた宇宙船、ロボットなどを展示する「スター・ウォーズ:科学と想像の接点」(2009年4月26日まで)が開かれる。このほか、「ラグビー・リーグ100年史」や「オーストラリア国際デザイン賞」、「オーストラリア・モダニズムの知られざるストーリー」など現在6つの特別展が開催中だ。
展示スペースの総面積はサッカー場3面分。広大な同博物館を一気に見て回るには相当時間がかかるので、22に分かれた各コーナーをじっくり見て回るには何回かに分けて行った方がいいかもしれない。なお、メンバー(年会費75ドル)になれば、入場料が無料になるほか、季刊誌の購読、ショップの買い物10%割引などの特典が受けられる。

我々が生きる近代文明の基礎がどうやって形作られ、発展してきたのか? 私たちの好奇心と想像力を大いにかき立ててくれる。大人や子供が遊びながら学べるだけではなく、幼児向けの仕掛けもあるので年齢に関係なく楽しめる。ぜひ家族連れで出かけてみよう。
Powerhouse Museum
500 Harris St., Ultimo NSW
Tel: (02)9217-0111
営業時間:毎日10AM〜5PM(12月25日休館)
入館料:大人10ドル、子供5ドル、家族25ドル
セントラル駅から徒歩15分、モノレール、ライトレールのパディス・マーケット駅から徒歩5分
http://www.powerhousemuseum.com






















