今月のOh!な特集
- 釣り特集3 湾内のボート釣り [2008/9/15]
第3回
レンタル・ボートで爆釣だ!
1カ所にとどまって狭い範囲で獲物を狙う岸釣りと比べて、船釣りは魚が集まっている海底の地形を真上からピンポイントで、しかも広いエリアで攻略することができるのが利点だ。今回は船の操縦経験がない初心者でも気軽に楽しめる小型のレンタル・ボートを使った湾内の五目釣りを紹介する。
(写真)冬の時期、シドニーで船からよく釣れるトレバリー(シマアジ)(Photos: NSW Department of Primary Industries, Wikipedia)

免許がなくても乗れるの?
シドニー周辺で波の穏やかな湾内の釣りポイントとしては、大きく分けて4つある。北からパーム・ビーチの西側に広がる北部のピットウォーター湾、シドニー市内中心部を通るポート・ジャクソン(シドニー湾)、キャプテン・クックが最初に上陸したボタニー湾、そしてクロヌラ・ビーチの南側にあるポート・ハッキングの4水系である。
それぞれの湾には、小型アルミ船を貸し出すボート小屋いくつかある。これらは、船外機(ガソリン・エンジン)が付いた4〜6人乗りの小さな船で、波のある外洋に出るのは非常に危険だが、天候が良い日の湾内であれば問題はない。料金は人数ではなくボート1台の時間制(たいていは1日、半日、時間ごとの料金設定がある)なので、できるだけ多く人数を集めた方が割安になる。ただし、定員制限ギリギリで乗ると快適に釣りができないほど狭くなるので、定員の半分くらい、つまり6人乗りなら3人程度で乗るのが無難だろう。
釣行日の天気予報をあらかじめチェックした上で、天候が穏やかそうなら、ボート小屋に電話で予約を入れる。NSW州ではこうした小型ボートの操縦には日本と違って免許が要らない。自動車免許を提示すれば簡単に貸してくれる。

ボートを操縦したこと経験が全くない人はちょっと不安かもしれないが、ボート小屋の係員の指示に従って船外機の始動と停止の仕方、曲がり方、止まり方といった基本操作を覚えれば、普通の運動神経がある人なら10分程度で扱い方をマスターできるはずだ。
クルマと大きく違うのは、右に曲がりたい場合は左に舵を切り、左に曲がりたい場合は右に舵を切るという点(エンジンと舵が一体化したボートの場合。クルマのようにハンドルが付いたものは基本的にクルマと同じ)と、ボートにはブレーキがないので船外機を逆回転(バック)させて急減速したりストップしたりする点だ。クルマのように方向を変えた後に真っ直ぐに戻る力が働かないので、慣れないと船体が思った方向よりも曲がり過ぎる傾向がある点にも注意したい。
また、大きい船ほど優先順位が高いという海の交通ルールも理解しておく必要がある。レンタルに使用されるアルミ・ボートは、海を航行している船舶の中では最も小さい部類なので、クルーザーやフェリーなどより大きいほかの船の航路を邪魔してはならない。大きさにかかわらずほぼ一定のスピードで走っているクルマと違って、船は速度の差が大きいので慣れるまでは少し怖いかもしれないが、前後左右に目を光らせて安全運転を心がければそれほど心配することはない。

それよりも怖いのは天候の急変。レンタル・ボートはエンジンの出力が小さく、波にも弱い。強風が吹くと、動けなくなったり、転覆するおそれがあるので非常に危険だ。出航前に必ず天気予報を再確認すること。シドニーなどオーストラリア東海岸では、特に前線の通過に伴って急に南風に変わる時(「サザリー・チェンジ」と呼ばれる)は、突風が吹くので要注意。出航時は無風で好天でもサザリー・チェンジの予報が出ている時は出航を取りやめる必要がある。また、湾内は穏やかそうに見えても、外洋が荒れていて大きなうねりが湾内に回り込んで来るような時も注意しなければならない。

攻めの釣りで好機を呼び込め
船の話が先になってしまったが、道具選びも重要なのは言うまでもない。ボート釣りでは仕掛けを遠くに飛ばす必要がないので、投げ竿など陸で使う長い竿はかえって扱いづらい。短い船釣り専用の竿が1人に2本あればいい。シーズンによって狙う魚も変わってくるので一概には言えないが、五目釣りなら、信じられないような大物が掛かることも十分に想定して、ラインがたくさん巻ける大きめのスピニング・リールも用意した方がいいだろう。
餌は、日本と違って生き餌を入手できる店は非常に限られているので、釣り場に着く前にガソリン・スタンドに立ち寄り、冷凍のイワシとエビなどを購入しておき、氷といっしょに大型のクーラー・ボックスに入れておく。
仕掛けは、それほど凝らないのがオーストラリア流。道糸に中通しオモリとよりもどし(スイベル)を付け、1メートル程度のリーダーに針を結び付ける。1本は大物用に、大きなハリが3つ連なったギャング・フックと呼ばれるものにイワシを1匹掛けして、もう1本は中型の魚用に4〜6番のハリにイワシのブツ切りまたは皮を剥いたエビを刺して使う。
狙うポイントは、だだっ広い海のどこが良いのか分かりづらいが、ボート小屋の係員にあらかじめ釣れる場所を聞いておき、地図で目星を付けた上でボートを走らせれば効率的だ。セオリーとしては、何も障害物がない湾のど真ん中よりも、岬の先、海底の地形の変化があるところ、潮目などが良い。

ポイントに付いたら、アンカーを下ろして仕掛けを投入するが、潮の満ち引きによって海の水は常に動いているので、仕掛けが必要以上に流されないように、狙う魚種によってオモリの重さを調節したり、タナ(狙う深さ)を調節する。一般的に、オモリを重くして低層を狙うとフラットヘッド(コチ)やフラウンダー(カレイの一種)など、表層を狙うとキングフィッシュ(ヒラマサ)やアジ、サバなどが釣れる。
また、ポイントに着いた時に、撒き餌を積極的に投入すると魚が集まってくるので釣果に差が出る。撒き餌は、バケツにイワシのブツ切りと古いパン、牛乳を混ぜてボール状にして作る。特にキングフィッシュなどは回遊魚なので、その海域にいれば撒き餌につられて寄ってくるはずだ。

仕掛けと撒き餌を投入し終わったら、前回紹介したハンドリールで生き餌用のアジを釣ったり、ルアー竿でイカを狙ったりしてもいい。船釣りは待つのではなく攻めの釣り。「ここは釣れない」と思ったらすぐにアンカーを引き上げて効率よくポイントを回り、手際よく仕掛けを投げ入れれば好機が舞い込んでくるだろう。
残念ながら、現時点(9月中旬)では、シドニー周辺の湾内の水温はまだ低く、魚の活性が高いとは言えない状況にある。しかし、これから夏にかけて水温が上昇してくれば徐々に食いは上向いてくる。ベストな時間帯はやはり朝一番なので、早起きしてポイントを目指すこと。コチやクロダイ、タイ、アジ、サバなどの小〜中型魚はもちろん、キングフィッシュなどの大物をゲットするのも夢ではない。
ラインを引っ張るだけでは上がらない大物が掛かることもしばしばなので、ラインディング・ネット(網)と魚がたくさん入る大型のクーラー・ボックスを用意するのも忘れずに。
<シドニー周辺にある主なボート小屋の連絡先>
▼パーム・ビーチ(ピットウォーター湾) Tel: (02)9974-4409
▼コテージ・ポイント(コーワン・クリーク) Tel: (02)9456-3024
▼ラ・ペルース(ボタニー湾) Tel: 9661-9522
Links
▼NSW州政府漁業省フィッシング・ライセンス・オンライン購入フォーム(支払いはビザまたはマスターカードのみ)
▼オーストラリアの釣り情報/オーストラリア富士丸フィッシング
▼シドニー釣り情報のポータル・サイト「シドニー・アングラー」(掲示板の閲覧には無料のメンバー登録が必要)
▼注:NSW州漁業省は、シドニー湾内の魚は基準値以上のダイオキシンに汚染されている可能性があるとして釣った魚を食べることを推奨していない。食べる場合は自己責任で。
|
その他の注目記事: |























