今月のOh!な特集
- ミュージアム特集3 国立海洋博物館 [2008/12/17]
第3回
国立海洋博物館
シドニーのダーリン・ハーバーにある国立海洋博物館。航海史や海運、海戦、現代のビーチ文化に至るまで、様々な展示を通してオーストラリアと海の関わりについて学べるほか、停泊している軍艦や潜水艦、帆船の内部を見学することもできる。
(Photos: Tourism New South Wales)

オーストラリア大陸の人口はわずか2,000万人強。その大半が海沿いで生活しており、オーストラリア人と海の関わりは非常に深い。国立海洋博物館では、先住民アボリジニと海の関係から、ヨーロッパ人による航海、移民船団、海上貿易、オーストラリア海軍による国防などの歴史、海の冒険、スポーツ、ライフスタイルに至るまで、海事全般についての常設展示がある。
中でも、1978年に時速511.11キロという水上の世界最速記録を打ち立てたハイドロプレーン(水上滑走艇)「スピリット・オブ・オーストラリア」、各時代の水着やビーチ・ファッション、サーフ・ライフ・セーバーの道具などを展示してオーストラリアのビーチ文化の変遷を辿る展示などは特に人気がある。

豪州発見の帆船を復元
最大の目玉は、博物館前の波止場に停泊している歴史的な帆船や海軍の軍艦、潜水艦などの見学だろう。まずは、オーストラリア東海岸を発見したキャプテン・クックが1770年の第一次航海で乗った帆船、エンデバー号のレプリカ。もとは石炭運搬船として建造されたエンデバーは、1768年に英プリマス港を出航。1770年4月にオーストラリア大陸を“発見”し、シドニー南部にある現在のボタニー湾に初上陸した。
その歴史的な船を現代によみがえらせた壮大なプロジェクト。1988年からWA州フリーマントル港で建造を開始し、94年に完成した。以来11年間、世界中を航海した後、2005年から海洋博物館に係留されている。エンデバー号の船内の見学は有料(大人15ドル、子供8ドル)だが必見。未知の大陸を発見するという壮大なミッションに挑んだ勇敢な海に男たちの冒険心に触れることができるだろう。ちなみに日本人初の宇宙飛行士である毛利衛さんが搭乗したスペースシャトル5番艦「エンデバー」はこの船の名前に由来している。
なお、博物館では、実物のエンデバー号の大砲も展示しておりこちらも見逃せない。これは、ボタニー湾上陸後にグレート・バリア・リーフで座礁した際に、重量を減らすために海底に破棄された大砲が1969年に発見され、回収されたものである。

潜水艦の内部に潜入だ!
次は、全長約119メートルの威容を誇る豪州海軍の軍艦「バンパイヤ」(入場料大人18ドル、子供9ドル)。1959年の就役から86年の退役まで27年間にわたって、オーストラリアの海の安全を守った建造当時最大の駆逐艦である。艦橋や作戦室などを見て回るガイド付きツアーがおすすめだ。
また、「オンスロー」(補修中のため11月21日以降公開予定)は、英国で設計され豪州海軍で制式採用された5つのオベロン級潜水艦の1つだ。極東のウラジオストックからオーストラリア近海を通って中東まで航海した旧ソ連の潜水艦を追尾するなど重要な秘密作戦に従事していたという。海の中の密室に入ると、米ソ冷戦時代の緊張が伝わってくることだろう。

このほかにも、第2次世界大戦中に接収した日本の漁船を改造した豪州海軍の船や、国際レースで活躍したヨット、シドニー湾で活躍したタグボート、無人の灯台船、真珠採取船、ベトナム難民のボートなど歴史的に貴重な様々な船を係留して展示している。
海というテーマを通して、オーストラリアの歴史を違った角度から俯瞰できるようになっている同博物館。館内の入場は無料だが、4つの見学可能な船すべてに入場できるビッグ・チケット(大人25ドル、子供13ドル)の購入をおすすめしたい。
Australian National Maritime Museum
2 Murray St., Sydney
Tel: (02)9298-3777
営業時間:毎日9:30AM〜5PM(12月25日休館、1月中は6PMまで開館)
入館無料(各船舶・潜水艦の見学は有料)
モノレールのハーバーサイド駅からすぐ
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