ふらっと豪の旅
- パース特集3 イルカや世界最大のサメと戯れる [2008/9/15]
第3回
モンキー・マイアとエクスマス
西オーストラリア(WA州)の最西端、インド洋に突き出た岬にある、世界遺産に指定されたシャーク・ベイ。その波静かな内海に面した町、モンキー・マイアは、ヒトが野生のイルカと触れ合うことのできる世界でも珍しい海岸として知られている。
(写真)モンキー・マイアの海岸に現れたバンドウイルカ
(Photos: Western Australia Tourism Commission)
パースから北へ約850キロ。車で10〜12時間のロング・ドライブで海辺の小さな町、モンキー・マイアへ到着する。空路ならスカイウエスト航空の小型プロペラ機でパース空港から1時間45分。グレイハウンドのバスでもアクセスできる。町の宿泊施設はモンキー・マイア・ドルフィン・リゾートが1軒あるのみで、宿泊料金は1人1泊140ドルより(ツインシェア。最低2泊)。バックパッカーにはより安い相部屋やキャンプ場もある。
→WA州北西部の地図(画像をクリックするとリンク先へ)

もともと真珠養殖や漁業を主要産業とする小さな海岸町だったが、1960年代に地元の女性が付近を回遊する野生のバンドウイルカに餌を与えたのがきっかけで、イルカの群れが毎朝、ビーチ前の決まった場所にやって来るようになった。イルカに触れ合うことのできる貴重なエリアとして次第に有名になり、世界中から観光客が訪れている。現在では、海の自然に親しむ場所としてはオーストラリア国内でも有数のデスティネーションとなっている。
(写真)喜びの表情を見せるイルカ

自然の調和を崩さないために、◇勝手に餌をやらない、◇日焼け止めを塗ったまま海に入らない、◇イルカのひれに触らない、などのルールが設けられ、現地で行われる餌付けはWA州環境省のレンジャー(保護官)が厳しく管理している。
(写真)餌をやることができるのはレンジャーに選ばれた人だけ

イルカはほぼ毎日、リゾートの前の遠浅の白い砂浜にやってくる。現れるのはたいてい早朝から昼までの時間帯。誰でも勝手にイルカに触ったり、むやみに餌を与えることができるわけではなく、レンジャーが選んだ人のみが自分の手から餌の魚をイルカにあげることができる。
(写真)ペリカンも餌を求めて集まってくる

イルカたちは「キュウ、キュウ」と声を上げながら浅い海を泳ぎながらヒトに寄ってきて、単に餌をもらうだけではなく顔を海の上に出してクネクネと泳いだり、ヒレを動かしたりして、まるで観光客との触れ合いを純粋に楽しんでいる様子だ。知能の高い海洋哺乳類であるイルカは、オーストラリアの田舎の海に行くと日常的に出会う動物だが、モンキー・マイアのように、ほぼ毎日決まった時間にヒトに会いに来る場所は本当に珍しい。
(写真)イルカに手を差し伸べる子供たち

しかし、太古の自然がそのまま残されたように見えるモンキー・マイアも、近年は観光業の発展や開発、船舶の増加などの影響で、イルカの生息環境が脅かされているという。イルカと触れ合える自然がいつまでも続くように、訪れる私たちも必ずルールを守って共存を図っていきたい。
(写真)波静かな海辺では釣りも楽しめる

体長18メートル!ジンベイザメと泳ぐ
WA州北西部の海岸線は、シャーク・ベイには、約10メートルの深さに貝殻が堆積した砂浜が全長110キロにわたって続くシェル・ビーチ、35億年前に生まれた地球上で最初の原始生物ストロマトライトが生息するハメリン・プールなど、モンキー・マイアのほかにも見所は多い。
(写真)35億年前の地球を今に伝える原始生物ストロマトライト

また、シャーク・ベイの北には、QLD州のグレート・バリア・リーフに次ぐ国内第2位の珊瑚礁、ニンガルー・リーフが広がっている。美しい海洋生物の宝庫であるニンガルー海洋公園のエクスマウス(シャーク・ベイの北約570キロ)周辺海域は、ジンベイザメといっしょに泳ぐ体験がダイバーたちの憧れの的。3月から6月の時期はこのジンベイザメと出会える確率が高く、いっしょに泳いだり、潜ったりするツアーが行われる。
(写真)ジンベイザメと海を漂う

ジンベイザメは最大18メートルに達する世界最大の魚類。地中海を除く世界中の熱帯・亜熱帯の海に生息し、幅1メートル以上の巨大な口から大量の海水を入れてプランクトンを濾して食べる。性格はおとなしいのでいっしょに泳いでも危害を加えられることはない。その生態は謎に満ちているが、成長に30年かかり、寿命は100年にも達すると言われる。豪州の法律で保護されているが、ニンガルー・リーフはまとまった数のジンベイザメが決まった時期に接岸する、世界でも珍しい海域である。
(写真)マンタ(イトマキエイ)との遭遇も

数千キロにわたって大きな街がなく、美しい海と乾いた大地が延々と続くWA州北西部。大自然の中で、世界でもなかなか体験できないイルカやジンベイザメとの触れ合いをぜひ実現してみたいものだ。
(写真)波も風もない静寂の海
Link
▼WA州環境省シャーク・ベイ海洋公園情報サイト
|
その他の注目記事: |























