ふらっと豪の旅
- パース特集第4回 上質なワインと大波の宝庫 [2008/9/22]
第4回
マーガレット・リバー
オーストラリア大陸の南西端、インド洋に囲まれた台形の小さな半島に位置するマーガレット・リバーは、上質なワインの産地として世界的に有名だ。ブドウ畑が続くのどかな丘陵地帯、インド洋の荒波が激しく砕ける海…。風景の美しいコントラストが、訪れる者を魅了してくれる。
(写真)自然の恵みに乾杯!
(Photos: Western Australia Tourism Commission)

豪州が世界に誇る極上ワイン
パースから整備された高速道路を一路南下する。窓の外の景色は、次第に乾いた荒野から緑豊かなユーカリの原生林へと変わってくる。ハイウェイからなだらかな丘陵地帯を通る2車線の一般道に入ると、背の低いブドウの木が続くワイナリーが次第に多くなってくる。パース空港からひたすらクルマを走らせること約3時間半。のどかな田園風景の中に、南北500メートルほどの小さな商店街が現れる。マーガレット・リバーのメイン・ストリートだ。
美しい緑が陽光に映えるマーガレット・リバーのブドウ畑

この辺りのWA州南西部は、大型の低気圧が吹き荒れる航海の難所、ローリング・フォーティーズ(荒れる南緯40度帯)の影響を受けるため、乾燥したWA州の中では比較的雨に恵まれた肥沃な土地である。
海に囲まれた温和な地中海性気候と良質な土壌は、ブドウの栽培に適している。ワイン産業の歴史は比較的浅く、本格的に立ち上がったのは1970年代。理想的な風土が芳醇なワインの香りと味わいを育み、現在では数多くの地元ワイナリーの名前が上質なオーストラリア産ワインの有名ブランドとして知られるようになった。
(写真)たくさんあるワイナリーを回ってお気に入りを探し出すのも楽しみ

最大の見所は、やはりワイナリー巡り。シャルドネやセミヨン/ソービニヨン・ブラン、メルローをはじめバラエティーの豊かな、質の高いワインが楽しめる。マーガレット・リバーの有名ワイナリーとしては、「リューイン・エステート(Leewin Estate)」、「モス・ウッド(Moss Wood)」、「バシ・フェリックス(Vasse Felix)」、「カラン・ワイン(Cullen Wines)」、「ケープ・メンテル(Cape Mentelle)」などがあり、その場でワインの試飲や購入ができる。
(写真)ブドウ栽培に適した気候と風土が質の高いワインを生み出す

ゆっくりと時間をかけて、ひとつひとつワイナリーを渡り歩いていけば、きっとお気に入りの極上のワインに巡り合えるだろう。ただ、現実的には移動手段はレンタカーしかない。次に試飲するワインの味が変わらないためにも、試飲の際は飲み込んでしまわないで、口に入れたワインは専用の容器に捨てて、用意された水で口をゆすぐこと。気に入ったワインはまとめ買いして宿泊先やBYOのレストランで味わうことにしよう。
(写真)ワイン樽が無造作に並ぶワイナリーの一角

また、ワイナリーの中にはモダン・オーストラリア料理の一流レストランや、ピクニック・バーベキュー施設を併設しているところもある。地元産の新鮮な魚介類や野菜、チーズも美味い。ブドウ畑ののどかな田園風景を眺めながら、上質のワインといっしょに、シドニーなど都会と変わらない高感度な料理を楽しむことができるのだ。ワイナリーの中にはベッド&ブレックファスト(B&B)など宿泊施設を併設しているところもある。海沿いにはホテルやコンドミニアムもあるが、宿泊はこうしたワイナリー併設の施設がお薦めだ。
(写真)ワインだけではなく、地元の食材を使った美味しい料理もうまい

命がけのビッグ・ウェーブ
ワイン愛好家だけではなく、アウトドア派にとっても、マーガレット・リバーはパラダイスだ。サーフィンをはじめ、ブッシュウォーキング、釣り、シュノーケリング、スキューバダイビングなどメニューは豊富で、自然をより身近に感じられるキャンプ場も多い。
(写真)誰もいない海岸線でサーファーは極上の波を探し求める

リューイン岬からナチュラリステ岬の間の約100キロの海岸線は、波の荒いインド洋に突き出た地形が特徴。ローリング・フォーティーズの巨大なうねりを敏感にキャッチする世界有数のビッグ・ウェーブの宝庫として、サーファーの間では知られている。
(写真)マーガレット・リバーのメイン・ブレイク

最も有名なサーフィン・スポットは、マーガレット・リバーの町からクルマで25分ほど東の海岸に位置する「メイン・ブレイク」で、ハワイのノースショアに匹敵する大波で有名。国際的なサーフィン・コンテストも開かれる。サーフィンをしない人でも、大波が来た日はビルの3〜4階ほどの高さの波を命がけで滑り下りるサーファーの姿を見物するだけでも感動するだろう。近くには、ほかにも「コワラマップ・ベイ(Cowaramup Bay)」や「インジダップ(Injidap)」など質の高いサーフィン・スポットが点在している。冬はうねりが大きすぎて風も強いので、波の形が整い、風向きも理想的な夏〜秋がベスト・シーズンとなる。
(写真)メイン・ブレイクの全景

ただ、ほとんどのスポットは底が浅い岩棚なので上級者のサーファー向け。広大なインド洋のうねりは、シドニーなど比較的近海で発生するうねりと違って、強烈なエネルギーがあり、非常に危険だ。万が一ボードを失って溺れたりしても、ライフセーバーどころか人影もないビーチがほとんどで、救助は期待できない。このエリアでサーフィンする場合は、自分の命に責任を持つことを忘れないでほしい。
(写真)広いインド洋を旅してきたうねりが炸裂する

一方、周辺に点在している、古代の石灰岩層にできた洞窟にある鍾乳洞も見逃せない。リューイン・ナチュラリステ国立公園内には6つの鍾乳洞が一般公開されている。中でも最も有名なマンモス・コーブはマーガレット・リバーの町の南21キロに位置していて、音声解説付きのセルフ・ガイド・ツアーを利用して内部を探検できる。
(写真)神秘的な鍾乳洞もぜひ見ておきたい

また、ビーチでは日常的にイルカを見ることができるほか、南方の町オーガスタでは6月〜12月、沖合いを泳ぐクジラを観察することもできる。
東西数千キロに渡って何もない乾いた荒野が延々と続くオーストラリア大陸。その西の果てがインド洋とぶつかる接点にあるマーガレット・リバーは、貴重な緑と自然に恵まれた、砂漠のオアシスのような特別な場所。上質なワインと雄大な自然に酔いたい。
(写真)ワインが有名だが美しい海も満喫したい
Links
ワイン産地情報
▼豪州ワイン・ブランデー公社 マーガレット・リバー産ワインについて(日本語)
主なワイナリー
▼Leewin Estate
▼Moss Wood
▼Cape Mentelle
▼Cullen Wines
▼Vasse Felix
観光情報
▼WA州政府観光局(日本語)
サーフィン情報
▼マーガレット・リバーのサーフィン・スポット情報
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