Let's 豪 Fishing !
- マダイ(スナッパー)の新しい釣りテクニック [2008/3/14]
Let's 豪 Fishing !
第154回
フィッシング・ライター
金園 泰秀
マダイ(スナッパー)の新しい釣りテクニック
「餌は付けないの ? 」。ボートのクルーたちは、このルアーを珍しげに手にしながらいろいろな質問をしてくる。オモリにヒラヒラしたひも状のゴムと針が付いたルアーでいとも簡単に大型のマダイを続々と釣り上げる私たちを見ていて、とうとう我慢ができなくなったのだろう。
(写真)サンシャイン・コーストで釣れるマダイ
鯛ルアー。一番上のものは重たくオーストラリア仕様に改良されたもの
雑食性のマダイは、海底に群れているエビやイカ類を主に捕食しているが、浅い場所に群れているアジやサバ、イワシなどの小魚を追って中層に泳いでいるマダイも多いようだ。特に夜や明け方などの警戒心が薄れる時間帯には、餌の群れの泳層によって海底から水面近くまで広範囲に移動している。
オーストラリアでは重量が10キロ近くに成長した大型の豪州マダイが釣れる場所として、ブリスベン湾やメルボルンのポート・フィリップス湾、アデレード近辺のスペンサー・ガルフやセント・ビンセント・ガルフが有名だ。最も深い場所で水深が20メートルぐらいしかない浅い湾内で釣れるというのが特徴で、いずれの釣り場も、マダイの産卵時期かまたはイカ類や小魚類の回遊時期が大物狙いの釣りシーズンとなる。
釣り方は、暗い時間帯にイカリを降ろして小型ボートを停泊し、船尾から寄せ餌を撒きながらマダイを引き寄せる。そしてイカや冷凍イワシ、アジなどの餌を付けただけの仕掛けを潮に乗せて中層に漂わせながら釣るというのが一般的だ。
暗い時間帯に浅い場所で回遊していたマダイたちも、日の出とともに海底近くに泳層を移し、深い場所へと餌の群れと一緒に移動を開始する。そして深場に移動した餌の群れの周りや海底の障害物の近くを回遊しているようだ。日中に大型のマダイを釣るのは少々難しく、活きたアジなどの餌を使うか、またはジギングなどのルアー釣りで弱った魚のようなアクションで狙うことが多い。
日本の九州や四国地方には、伝統的な鯛狙いの漁師が使っている「鯛カブラ」という、オモリのすぐ先にエビを付けた仕掛けを船から降ろし、海底から中層まで仕掛けを手で繰りながら鯛を釣り上げる漁法がある。近年のルアー・フィッシング・ブ−ムから、餌はエビの代わりにゴム製のヒラヒラとした物やビニールを付けたものが主流となり、「ヒラヒラ」とか「鯛ラバー」などと呼ばれ、鯛のルアー・フィッシングには欠かせないものとして日本では大普及してきた。
このルアーをやや細いライトタックルの釣り道具を使って、ボート上から海底に落とし、中層まで少しずつ巻き上げるだけで大きなマダイが掛かってくるから驚きだ。ルアーは、エビやイカ、小魚などの餌とは全く似つかない形状だが、オモリ部分が水の中で波動を起こし、ヒラヒラと動くゴムやビニールが魚を魅了するのか、マダイが好む何らかの餌と勘違いして食い付いてくる。そのため、マダイがよく釣れるルアーとして一躍脚光を浴びている。
日本で普及している釣り具やルアーなどを、オーストラリアに持ち込んで使えば釣果アップは間違いないと勘違いする日本人の釣り人は多いようだ。しかし、
日本の釣り具は日本の環境やボートの性能、そこに棲息する魚の習性などに合わせて改良されているので、オーストラリアでは使いにくいものや全く使えないものが多い。
この日本製の鯛のルアーをオーストラリアで使用する際には、2つのデメリットがある。
1つはヒラヒラの動きを殺さないために針が小さいこと。小さな針で大きな魚が掛かった時は、口の表面の薄い皮の部分に針掛かりすることが多いので、皮が切れて針が外れやすく逃げられやすい。もう1つは、全体的サイズがそれほど大きくないのでオモリが軽いこと。オモリが軽い仕掛けは深い場所や潮の流れが速い場所に不向きである。
この鯛のルアーが効果を発揮する場所は、大きな湾の出口付近で、水深が10〜30メートルほどある場所だ。ブリスベン湾の中や出口にあたるサンシャイン・コースト南部、フレーザー島のハービイ・ベイ内では最適なルアーとして普及していくことだろう。
しかし残念なことに、水深がある程度深い場所が鯛の生息域となっている。例えばシドニー近辺のような場所では使いにくいので、オモリを重たく改良しなければ高価なルアーを海底の岩などに引っ掛けて失うことが多いかもしれない。
ライト・タックルで大きなスナッパーが狙えるブリスベンやサンシャイン・コーストにぜひ釣りに来ていただきたい。また、これから当地ではロング・テール・ツナ(腰長マグロ)の本格的シーズンに突入するので、鯛とマグロの両方が狙える。
「オーストラリアの釣り情報」
www.fujimaru.com.au
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