ロード・レース世界選手権豪州グランプリ観戦ガイド
- ロード・レース世界選手権豪州グランプリ観戦ガイド [2008/10/08]
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| Photo:Tourism Victoria |
新旧王者対決に注目 !
ロード・レース世界選手権
豪州グランプリ観戦ガイド
ロード・レース世界選手権(WGP)の今季第16戦、豪州グランプリ(GP)が10月3〜5日の3日間にわたり、VIC州のフィリップ・アイランド・サーキット(1周4.5km)で開催される。3月から全18戦、約7カ月間にわたって激しいレースが繰り広げられている戦いの、まさにクライマックスとなる豪州GP。今年はどんなレース展開になるのか !?
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| コーナー争いも注目したい Photo:Tourism Victoria |
800cc2年目の今年昨年の課題を克服できるか
世界の18サーキットを舞台にした、モーター・サイクル(2輪)の世界最高峰のレース「ロード・レース世界選手権(WGP)」。1949年に始まったWGPは2008年現在、排気量別にMotoGP(800cc)、GP250(250cc)、GP125(125cc)と3つのクラスに分けられる。
トップ・カテゴリーのMotoGPでは、20人のレーサーが時速320キロにも達する性能を持つ7メーカー10チームのマシンを駆って、走行距離95〜130キロの決勝レースを40〜45分ほどで駆け抜けワールド・チャンピオンを争う。GP250はMotoGPへのステップ・アップを目指す若いライダーがしのぎを削る。GP125は15歳から参戦可能で、若手ライダーの登竜門的存在となっている。MotoGPで活躍する多くのライダーはGP250やGP125の出身だ。
このレースで使用されるマシンは、世界最高峰のバイク・メーカーが威信をかけ車体もエンジンもレースのためだけに開発したもの。0.1秒でも速く走るため、選び抜かれた技術者とレーサーが互いに知恵を出し合い、幾度の試験を乗り越えて作り上げた結晶と言っても過言ではない。
2002〜06年までのMotoGPで使用されるマシンは排気量990ccまでの4ストローク・マシン。このマシンは出力の性能が飛び抜けていたが、安全性や操縦性に難があったため、07年に大幅なルール変更が行われた。最も大きな変化はマシンの排気量。すべて4ストローク800ccエンジンへと変更された。この変更により勝敗を分けるポイントが「どれくらいマシンを制御できるか」から「どれくらいマシンの性能を最大限引き出すことができるか」となった。同時に、各チーム持ち込むことのできるタイヤの量が制限されたため、タイヤの選択も重要な鍵を握る。この制限により、タイヤの性能やコースとの相性だけでなく、耐久性も大きく問われることとなった。ルール変更2年目の今シーズン、各チームは昨シーズンの課題をどれくらい改善することができたか注目してみたい。
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| 豪GPを制したストーナー。2連覇を目指す。 Photo:motogp.com |
豪州GPはタスマン海を臨む最も美しいサーキット
3月8日に開幕したカタール・ロサイル国際サーキットでのレースを皮切りに、8月25日現在、第12戦のチェコGPまでが終了している。9月28日開催のもてぎでの日本GPを経て、第16戦の豪州GPはまさにクライマックス。特に連続する高速コーナーの中にヘアピンが配されたVIC州フィリップ・アイランドのサーキットでは、より白熱したレースが期待できそうだ。
最近の傾向として低速コーナー中心のサーキット・レイアウトが多い中、フィリップ・アイランドにあるこのサーキットは、高速コーナーが連続する豪快なレイアウトが採用されている。特にオーストラリアの英雄、マイケル・ドゥーハンの名を冠した第1コーナー「ドゥーハン・コーナー」は、ストレートでのトップ・スピードから進入する超高速コーナー。スリル満点のコーナリング・バトルは非常に見応えがある。
メイン・ストレートの先に広がる濃紺のタスマン海、緑豊かな自然に囲まれたこのサーキットは「1日に4つの季節がある」と言われるほど天候が変化しやすいことも大きな特徴。サーキットに海風が直接吹き込むことも多く、そのためライダーは常に風を意識して走行する必要がある。ライダーたちのそのあたりの駆け引きも注目すべき点だろう。
新王者ストーナー、地元V2なるか !?
チャンピオン番号1を着けて走るのは、07年のチャンピオンであるケーシー・ストーナー(豪州/ドゥカティ)だ。昨シーズン、MotoGP参戦2年目にしてオーストラリアでは1998年のマイケル・ドゥーハン以来となる年間チャンピオンに輝いた。21歳11カ月での優勝は史上2番目の若さでの最年少王者となる。8月25日現在、今シーズンの年間グランプリでは第2位。地元の大声援を背に受け今年の豪州GPも首位を狙う。ただし、ストーナーが王者の地位を防衛するには越えなければならないライバルがいる。
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| 王者の座は渡さない ! ロッシの走りに注目だ Photo:Tourism Victoria |
絶対王者ロッシの逆襲課題を克服し復権を狙う
07年チャンピオンのストーナーを押さえ、年間グランプリ第1位を走っているのが「絶対王者」と呼ばれるバレンチーノ・ロッシ(イタリア/フィアット・ヤマハ)だ。06、07年は2、3位とチャンピオンの座から遠ざかっているが、今シーズンは王者復活にふさわしい成績を残している。
ロッシが好成績を上げている理由の1つとしてタイヤ・メーカーの変更が挙げられる。ロッシが所属するフィアット・ヤマハはもともとミシュラン製のタイヤを使用していた。ロッシは今シーズン、タイヤの持込制限が設けられた昨シーズンに上位を独占したブリヂストン製のタイヤに履き替えた。この変更によりフィアット・ヤマハではロッシはブリヂストン、ホルヘ・ロレンソ(スペイン)はミシュラン製のタイヤを使用してレースに臨んでいる。ちなみに、1つのチームで2メーカーのタイヤを使用するのはフィアット・ヤマハのみ。
ほかの注目選手と日本人選手
スペインが生んだ「悪童」ホルヘ・ロレンソも注目選手の1人だ。弱冠21歳のスペイン人ライダーは06、07年のGP250チャンピオン。今シーズンよりMotoGPに参戦し、デビュー戦のカタールGPではポール・ポジション記録を塗り替え、決勝でも2位の成績を収めた。また、コース外ではほかのレーサーに中指を立てる、表彰台でチュッパチャプスをなめるなど、話題にも事欠かない。ロレンソのスポンサーでもあるチュッパチャプスのロゴが施されたヘルメットも印象的だ。現在は転倒や怪我を重ねながらも第12戦終了時点で4位と、大善戦している。06・07年の豪州GPはGP250で優勝しており、相性のいいコースでさらなる飛躍を狙う。
日本のトップ・ライダーとして活躍する中野真矢(サンカルロ・ホンダ・グレシーニ)も9位につけている。07年は17位と不本意な成績であったが、今シーズンは全戦でポイントを獲得。第12戦のチェコGPでは4位となり、勢いに乗る。豪州GPでの表彰台も夢ではない。
そのほかの見所、イベント
ロッシとストーナーの新旧王者対決だけでなく、ロッシのパフォーマンスにも注目が集まる。ロッシは優勝した場合、ウイニング・ラップでウィリー・バーンアウトを行うことでも知られている。また、レース開始前にはピットから出て行く時にマシンのステップをつかんでしゃがみ、精神統一を行っているところにも注目してみたい。
番号にもこだわりを持つ選手もいる。ロッシは46番を愛用。番号46はロッシの父親グラジアーノ・ロッシがGP250で優勝した時に着けていた番号でもあり、ロッシはデビュー以来ずっと46番を使用し続けている。中野真矢は56番を愛用。番号56は中野の好きな漫画「バリバリ伝説」の主人公・巨摩郡が使用している番号でもある。
レース以外のイベントでは20世紀を代表するレーサーで、1994年からGP500の5連覇を達成したマイケル・ドゥーハンやワイン・ガードナー、ランディ・マモラによるデモ走行やサイン会が行われる。また、オーストラリア空・海軍による航空ショーも予定されている。

チーム名
FY:フィアット・ヤマハ D:ドゥカティ RH:レプソル・ホンダ JTS:JiR・チーム・スコット T3Y:テック3・ヤマハ RS:リズラ・スズキ SHG:サンカルロ・ホンダ・グレシーニ
各大会ごとに1位なら25点、2位20点、3位16点、4位13点、5位11点、以下10〜1点と15位まで得点が与えられ、年間の累計ポイントで優勝が決まる。

■アクセス
●「COACH」の当日往復バス
メルボルン・シティ(Cnr. Finders & Swanston Sts.)からは木2PM(片道のみ)、金・土7AM、日6AM・7AM、クレイトン(Monash University, Wellington Rd.)からは日7AM、クランボン(KFC, Sth Gippsland Hwy.)からは日7:30AM、ジーロング(Busport Terminal, Brougham St.)からは日6AM、バララット(Civic Hall, Mair St.)からは、日6AMに出発。料金(大人)はメルボルン・シティ、クレイトン、クランボンとも、木が24ドル(コンセッションは20ドル)、金〜日は32ドル(コンセッションは30ドル)。ジーロンとバララット発の料金(大人)は40ドル(コンセッションは37ドル)となっている。
●車
メルボルンよりシティ・リンク、モナッシュ・フリーウェイ、サウス・ジップスランド、バス・ハイウェイを経由してサン・リモへ。その後、サン・リモ・ブリッジを越えフィリップ・アイランドへ。約2時間。
●フェリー
Stony PointよりCowesへ行き、バスに乗り換えてサーキットまで。

■フィリップ・アイランド・サーキットMAP
第1コーナーはオーストラリアの英雄、マイケル・ドゥーハンの名を冠してドゥーハン・コーナーと呼ばれる。A:グランド・ストレート・スタンド、B:バス・ストレート・スタンド(TURN 2&3)、C:シベリア・サウス・スタンド(TURN 6)、D:ラッキー・ハイツ・スタンド(TURN 9)
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