夢は叶った。
あとは健康に長く踊り続けたい
オーストラリア・バレエ団
バレエ・ダンサー 本坊怜子さん
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■本坊怜子(ほんぼう れいこ)
神戸市出身、1987年生まれ。5歳でバレエを始め、2003年オーストラリア・バレエ学校入学。2004年キャロライン・プーン奨学金、2005年オーストラリア・バレエ団フレンズ奨学金を受ける。2006年オーストラリア・バレエ団に入団。同年「ジゼル」の主演ダンサーとしてデビュー。 |
メルボルン市内にカンパニーを構えるオーストラリア・バレエ団は、40年以上にわたってオーストラリアのバレエ界を牽引してきた主要芸術団体の1つである。同バレエ団は世界で最も多忙なバレエ団の1つといわれ、オーストラリア国内や定期的な海外での公演も含めて、年間で約180回以上の公演を行っている。現在、このバレエ団には3人の日本人ダンサーが在籍し、活躍している。今回は、先日までメルボルンで公演された「ニュー・ロマンティック」にも出演していた同団最年少バレエ・ダンサー、本坊怜子さんにインタビューを行った。
―バレエを始めたきっかけは何ですか ?
5歳の時に、近所にバレエ・スタジオがあったんですが、外からレッスン風景が見えて…。母に「趣味でバレエを始めたい」と言ったのがきっかけです。
―なぜオーストラリアを選んだのですか ?
13歳くらいの時にいつかプロで踊りたいと思い始めたんですが、日本だとちゃんとお給料がもらえて生活できるバレエ団がないので…。それなら海外の国立バレエ学校に留学すれば就職が簡単かな、と思ったからです。本来バレエというとイギリスとかになると思うんですが、やっぱり費用が高いんですよね。オーストラリアは比較的費用も安かったし、治安もいいし、日本人も少なくていいかなと思ったんです。やっぱり日本人が多いと意味はないので…。
―入学にはオーディションが必要だそうですが、大変でしたか ?
ビデオを送ったら、“ぜひ来てください”というような感じだったので、それほど大変ではありませんでした。入ってからの方が大変でした。
―オーストラリアに来て苦労したことはありますか ?
まずは英語ですね。半年で慣れましたけれど。運がいいのかバレエ学校にはあまり日本人がいなかったことが英語の上達には良かったのかも。ただ、ホスト・ファミリーにあまり恵まれなくて…。ホスト・ファミリーが作る食事が合わないのも、けっこう大変だったし。ホームステイ先を変えるためにたくさん引っ越しをしました。今はもう、1人で生活しているので大丈夫です。
―オーストラリアの好きなところは ?
人が好きです。仕事の仲間も学校時代の友達もすごくよくしてくれて…。それと食べ物が美味しいですね。食材がいいからかな ? 私は、料理するのが好きなので。
―カルチャーの違いを感じたことはありますか ?
男の子と踊る時かな。(こっちの男の子は要望や意見を)ガツンと言ってくれるんですけど、私はその方が好きなんです。日本人だと遠慮するじゃないですか。例えば「ちょっとこう踊ってよ。ここ直してよ」って言わないんじゃないかな。日本人と踊ったことがないから分からないんですが…。こっちでは自分も相手にちゃんと意見を言えるし、すごく仕事しやすいと思います。
―ほかの国のバレエ団と比べてオーストラリア・バレエ団はどのようなバレエ団なんでしょうか ?
私たちのバレエ団は公演回数がとにかく多いんです。たぶん世界でも2番目、3番目くらいじゃないでしょうか。それから、このバレエ団のダンサーはほとんどが同じバレエ学校の出身で、同じトレーニングを受けているんです。だから、皆のレベルが高い
! 上の階級の人だけが輝いているだけじゃなく、下の階級の若い子たちも頑張れば上に上がれるチャンスがあります。
―夢は何ですか ?
今までの夢が、とにかくプロになって生活することだったんですが、それがひと通り叶ったので、これからは健康に長く踊っていければと思ってます。
―最後に、7月13日から始まる「白鳥の湖」「眠れる森の美女」の日本公演が近いですが、今の心境は ?
やはりすごく嬉しいです。プロになって日本で踊るのが初めてなんで ! とにかく楽しみです。
インタビュー中、19歳にして第一線で活躍する彼女からは何の気負いも感じられず、清々しい雰囲気が漂っていた。バレエ・ダンサーは実にハードな生活を送っている。週休がたった1日の上に、公演日は朝10時のウォーミング・アップに始まり、リハーサル、そして本番と続く。プロのダンサーになって1年半、これからいろいろな可能性の華を開かせていくことだろう。彼女のさらなる活躍に期待したい。
■オーストラリア・バレエ団公演予定
「白鳥の湖」
日程:7月13・14日、会場:東京文化会館(日本公演)
「眠れる森の美女」
日程:7月16〜18日、会場:東京文化会館(日本公演)
「運命」
日程:8月30日〜9月10日、会場:ザ・アートセンター、ステイト・シアター(メルボルン公演)