日本にいても医療機関というのは敷居が高く感じられがちな所。ましてそれがオーストラリアとなれば、システムの違いや言葉の問題など、さらなる不安を感じるのも無理はない。そこで今回は、この国の医療システムや保険制度、知っていると便利な情報とともに、日本語の通じる医療施設をご紹介。一般開業医、眼科、歯科からマッサージ、美容整形外科まで、安心して通えるところばかりを厳選。日々の健康・美容のためから、「いざ」という時まで、参考にしていただきたい。
■一般開業医
体の調子が何となく悪い…。そんな時に訪ねるのがGP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医。GPは内科、小児科、婦人科、外科、皮膚科など、すべての分野の基礎知識を持っている。まずここに、電話で予約を入れることが最初の一歩となる。
治療はドクターの許容範囲で行われ、必要であれば処方箋を書いてもらい、それを薬局に持って行って処方薬を購入する。さらに特別な検査や専門医(specialist)の診察が必要と判断された場合は、紹介された専門医へGPの紹介状を持って行くことになる。
専門医の予約は2〜3週間ほど先になることが多いが、混んでいる時は1カ月以上先になることもある。医学的に緊急を要するとGPが判断した場合は、もちろん優先して予約を取ってくれる。
なお、GPが集まって開業している診療機関であるメディカル・センター(medical centre)は、診療内容においては個人のGPと基本的に変わらないが、検査の設備などにおいて充実している場合が多い。深夜まで営業しているところや、24時間体制のところもあるので、夜中にケガをして出血が止まらない、骨折してしまった、というような場合はこちらへ。
また、GPは具合が悪くなってしまってから訪れるだけの機関ではない。子宮ガン・乳ガン・皮膚ガン検診や血圧検査など、健康維持のために普段からさまざまなチェックをしてもらうこともできるし、禁煙に関する相談なども受け付けている。
つまりGPは、いわば医療の窓口的な存在。ただ、日本ではこういったシステムが一般的でないため、戸惑う人も多い。そこでGPとうまく付き合うためのポイントを以下に挙げてみた。
* 診察前の準備
後で「これも聞いておけばよかった…」ということにならないためにも、診察前に聞きたいことをメモにまとめておく。1人のドクターが各分野を診察しているので、複数の用件を質問することも可能だ。例えば、胃の具合を診てもらって、ついでに子宮ガンの検査をして…というのもOK。ただし診察は予約制なので、前置きなしにダラダラと相談するのは避ける。予約の際に複数件の相談があることを伝え、さらに診察が始まる前にドクターへもその旨を伝えよう。
* 診察時は
診察内容をきちんと理解し、後に間違いのない処方をするためにも、ドクターの説明はメモに書き留めるようにしよう。難しい医療用語なども後で調べることができるので便利だ。また診察の際には、特別な検査や処置を薦められることもある。迷ったらその場で答えなくてもよい。
* 薬の処方箋について
診察時に、処方される薬の内容についてできるだけ詳しく聞いておくこと。薬の説明をしてくれない薬局もあるし、薬局に日本人がいるとも限らない。次に挙げる点は要確認。
◆薬の名前
◆薬の効用
◆服用する期間
◆服用を中止した場合はどうなるか
◆副作用や、ほかの薬と併用した場合の悪影響
◆避妊ピルやアルコール、タバコなどとの併用による悪影響
◆妊娠中や授乳中でも大丈夫か
◆薬を服用した後の運転や機械の操縦、スキューバ・ダイビングなどに影響はないか
◆代用薬はあるか
Northbridge
Plaza Family Clinic
ノースブリッジ・プラザ・ファミリー・クリニック
住所:Shop 17, 83 Sailors Bay Rd., Northbridge NSW
Tel: (02)9958-7460 / Fax: (02)9958-7403
営業時間:月〜金8AM〜6PM、土8AM〜1PM
利用可能カード:BANKCARD、MASTER、VISA
日本語:予約、診療
来院した患者の既往歴や、服用している薬などの基本的情報をしっかり把握してから診察してくれる、信頼のクリニック。日本人医師が常時在駐しているので、英語が苦手な人も直接日本語で診察が受けられ、正確な症状を伝えることができる。病気や薬についても、詳細で入念な説明が受けられるので安心だ。「オーストラリアに来て、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などから高血圧症や糖尿病にかかる人が増えています。予防には健康的な生活習慣を身に着けることが一番です」とは、日本人医師の鳥居先生。海外旅行傷害保険のキャッシュレス・サービスがあるのも学生やWHにうれしい。
■鳥居泰宏先生のプロフィル
1978年メルボルン大学医学部卒業。ノースブリッジで一般開業医を始めて22年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生。「朝、お電話いただければ当日の予約が取れます。細かく診療するには時間が必要ですので、予約してからおいでください」 |
Private
Emergency Clinic
ペック・メディカル・センター
住所:St Vincent's Clinic
Level 4, Victoria St., Darlinghurst NSW
Tel: (02)8382-6415、1800-83-6415(フリーダイヤル)
Fax: (02)8382-6475
診療時間:月曜日〜金曜日:9AM〜、土曜日:10AM〜、日・祝日:休み
利用可能カード:BANKCARD、JCB、MASTER、VISA、EFTPOS
平日の夕方や、土曜日にも診察を提供(要予約)。予約は8AM〜10PMの間日本語で受け付けており、海外旅行傷害保険加入者にはキャッシュレス・サービスを行っている。診察時も日本人看護師が難しい専門用語を日本語で説明してくれる。
紫外線の強度、空気の乾燥など、日本とは大きな相違がある環境で、体は知らないうちにダメージを受けているかも。風邪や皮膚のトラブル、ケガなど、さまざまな症状に対応してくれるので、「おかしいな」と思ったらすぐに連絡を。人間ドック(健康診断)で自己管理も。婦人科の悩みも女医が勤務しているので安心。
■プライス先生のプロフィル
メディカル・ディレクターであるプライス先生は、世界中で経験を積んだ救急医療のスペシャリスト。プライス先生をはじめ、ほかの医師も皆、セント・ビンセント病院に拠点を置くベテランぞろい
|
The
Rocks Medical Practice
ドクター・セリーナ・ラパポート
住所:37 George St., The Rocks, Sydney NSW(3月に移転予定)
Tel: (02)9247- 4653 Fax:(02)9247- 4663
営業時間:月〜金9AM〜5PM(13PM〜14PM除く)
利用可能カード:VISA、MASTER、BANKCARD
日本語:予約、診療
シドニー在住の日本人や留学生から、厚い信頼を集めるクリニック。日本人を母に持つセリーナ・ラパポート先生が、流暢な日本語で懇切丁寧に診療してくれる。外国での生活は食生活が乱れたり、気付かぬうちにストレスが溜まりやすいもの。「1日30分程度のウォーキングなど適度な運動、規則正しい食生活を心掛けましょう。リラックスできる時間もできるだけつくってください。そして、それらを続けることが何よりも大切」とセリーナ先生。また毎年3月は、インフルエンザの予防接種が可能ですので、ぜひお薦めします。体調がおかしいと感じたら、早めの検診と対策を。
■セリーナ先生のプロフィル
シドニー大卒。母は日本人、父はオーストラリア人。広島生まれの広島育ち。産婦人科、小児科、成人病科での豊富な経験と知識を持つ。日本に帰国した元患者さんと交流を続けるなど、親しみやすい人柄で知られる。日本人が外国での生活で直面する精神的不安にも理解が深い。
|
Medeco
Medical Centres
メディコ・メディカル・センター
住所:Shop 9. 01, World Square Shopping Centre, 644 George St., Sydney
NSW
Tel: (02)9264-8500
Fax: (02)9264-4093
営業時間:月〜金9AM〜6PM
利用可能カード:VISA、MASTER
日本語:予約、診療
シドニーの中心に位置するワールド・スクエア内という、便利な場所にあるクリニック。フレンドリーな対応のジェームス先生は日本語も話せるというから、英語が苦手な人にとっては心強い味方だ。実際に、風邪や喉の感染症、肌荒れなど、さまざまな症状を訴えて訪れる日本人が多いという。一般開業医として豊富な経験を持つジェームス先生は、的確な診断と、1人ひとりの健康状態、症状に合わせた効果的なアドバイスを提供してくれる。「慣れない海外での生活は、ストレスがたまりがち。体調が少しおかしいなと思ったら、早めに対処することが大事です」
■ジェームス先生のプロフィル
NSW大卒、医学(内科・外科)学士号、ロイヤル・オーストラリアン・カレッジ・オブ・ジェネラル・プラクティック修了。一般開業医。一般医学や小児医学など専門分野は多岐にわたる。シドニー在住の日本人や学生を数多く治療してきた経験を持つ。
|
Dr.
Misaki Ikegame
ポッツポイント・ファミリー・メディカル・プラクティス
住所:90 Victoria St., Potts Point NSW
Tel:(02)9357-7744
Fax:(02)9358-5588
診療時間:月〜金10AM〜7PM、
土12PM〜5PM
利用可能カード:BANKCARD、MASTER、VISA
日本語:予約、診療
具合が悪くなったときは、少しでも早く診察を受けることが大切だが、海外での生活では何かと言葉の問題がついてまわる。そんな悩みを解消してくれるのが、ポッツポイント・クリニック。
日本語での対応が可能な上、治療薬や専門医への紹介など、親身に対応してくれる。また、海外旅行傷害保険に加入している場合は、キャッシュレス・サービスを受けることができるので、一時滞在者には心強い存在だ。キングス・クロス駅から徒歩5分。「体調がおかしいな」と思ったら、まずは電話で予約を。
■池亀美咲先生のプロフィル
シドニー大学医学部卒。大学病院で内科・外科の経験を積んだ後、1990年にポッツポイントで一般開業医としてスタート。専門分野は内科、小児科、婦人科。「疲労感、倦怠感は人間にとって、痛みと同じく警告反応です。ちょっとした体の異常でも大したことないと自己判断せず、まずは医師の診断を受けることをお勧めします」 |