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- 芸術の宝庫、サウス・バンクでポップ・アートを鑑賞 [2008/2/20]

〜アンディー・ウォーホル展〜
美術館や博物館、アート・センターなど、芸術に触れ合える施設が軒を連ねるブリスベンのサウス・バンク。大規模な州立図書館や人工ラグーンのある美しいパークランドなども隣接し、若者からお年寄りまで幅広い年齢層が集う人気スポットだ。同エリアで今、最も話題を集めている、ポップ・アートの先駆者アンディー・ウォーホル(米国)の個展を訪れた。 取材・文・写真=本紙編集部
(写真)現代美術館の個展会場。展示数はおよそ300点(Photo: QLD美術館)
ゴールドコーストから車で約1時間。ブリスベン川沿いに広がるサウス・バンクに到着。美術館の近くにある公共用パーキングに12ドルを支払って車を止めた。駐車場を出ると、さっそく「ウォーホル展」のサインが目に入る。現代美術館(GoMA)の入り口に大きく掲げられたポスターを背に、人々が代わるがわる記念写真を撮っている。中に入ると、今度は入場チケットを求めて人々が列を成していた。その人気に、未だ見ぬ個展への期待感が高まる。『ウォーホルの作品、およそ300点に出会えるのだ』とワクワクしながら自分も列に続いた。
ようやくチケットを手に入れ、アンディー・ウォーホルの世界へ足を踏み入れたその瞬間、強烈にインパクトのある作品が目に飛び込んできた。それはいつかどこかで見たような、コカコーラの瓶をモチーフにした絵だった。ただ黒い線で描かれた、“素朴”かつ“シンプル”な1本のコカコーラ・ボトル。しかしそこからは、力強い存在感が放たれていた。最初に目にした1枚目の展示で、早くも彼の世界に引き込まれてしまったようだ。


(写真左)ウォーホルの有名な作品の1つ。キャンベル・スープの缶をモチーフにした作品(Photo: QLD美術館)
(写真右)現代美術館(GoMA)のエントランス
ウォーホル(1928〜1987年)は、スロバキア移民である両親の下に、アメリカのペンシルバニア州で生まれた。幼少のころから絵を描くのが好きで、パブリック・スクールに通うころには、その才能は既に際立っていたという。
大学卒業後にニューヨークへ渡り、広告業界でイラストレーターとして成功を収めるのだが、画家になりたいと思っていた彼は、商用でも大衆向けでもない純粋なファイン・アートに惹かれていく。イラストレーターを辞め、彼が画家として最初に手掛けたのは、幼少時代から好きだったスーパーマンなどのコミック・アートだった。しかし、ちょうど同時期に似た作風のアーティストがいたことから、ウォーホルは違う題材を探すことになる。
そこで生まれたのが、かの有名なキャンベル・スープの缶やコカコーラの瓶をモデルとしたポートレート(肖像画)。人物ではなく、物を対象に“肖像画”を描くという発想が実に面白い。
そしてマリリン・モンローが他界した62年、彼女をモチーフにしたシルクスクリーン(版画)を製作したのをきっかけに、その後は、ハリウッド・スターや政界人など“時の人”を多く題材に取り上げていく。64年にはニューヨークにスタジオ“The Factory”を構え、シルクスクリーンの量産を行う。
後に、大衆に人気の日用品や食料品、著名人をモチーフとした、当時のアメリカをまるで浮き彫りにするかのような彼のアートは、ポピュラーなものをモチーフにするアート=“ポップ・アート”と名付けられた。
その後も、音楽プロデュースや映画製作、著名人のインタビュー雑誌を発行するなど幅広い分野で活躍した彼だが、同エキシビションでは、そんなマルチ・アーティストとしての彼の魅力を存分に鑑賞することができる。眠っている人を永遠に映し続けた風変わりな映像作品『Sleep』や、彼自身が女性に変身するメイクの過程を映した映像なども公開されており、作品によっては壁に装置されたヘッドホンを利用して、生の声を聴くこともできる。
今回、同個展を訪れて、彼が世の中に与え続けているインパクトを改めて痛感した。ウォーホルが他界して約20年が経つ今でも、彼の個展はこうして世界中で開かれているのだ。鮮やかで大胆な色使いが目を惹くものの、基本的には普遍的な印象を持つ彼の作品。それらがなぜ、これほどまでに興味深いのか…。その魅力はどこから来るのか…。1点1点を見つめながらその理由を探るうち、気付けば5時間が経過していた。
美術館を出ると、近くのカフェでひと休み。コーヒーをすすりながら思い巡らす。次は博物館へ行こうか、それともパークランドまで足を延ばそうか ? ディナーはターキッシュ、それともインディアン・レストラン… ? サウスバンクの1日はまだまだ終わらない。


(写真左)生前のウォーホルの映像と生の声を視聴しながら、彼の魅力の源を探る(Photo: QLD美術館)
(写真右)美術館に隣接する州立図書館にあるカフェでひと休み
アンディー・ウォーホル展
会場:現代美術館(Gallery of Modern Art)
住所:Stanly Place, South Bank, Brisbane
Tel: (07)3840-7303
Web: www.qag.qld.gov.au/warhol
期間:3月30日まで
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