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乗馬をさらに盛り上げる絶景
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〜忘れられない馬との出会いが待っている〜
爽やかな秋の日差しを浴びて、馬と一緒に草原を散歩。馬と交わすコミュニケーションが心に安らぎを与えてくれた。
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体験者の感想がつづられたビジターズ・ブック。忘れられない馬とのエピソードや感謝の気持ちが記されている
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『チエちゃん(馬)、また草食べるの ? エミリー(馬)が後ろで待ちくたびれてるよ』。心の中で語りかけながら、手の平でそっと首を撫でる。チエの温もりを感じて、このどこまでもマイペースな相方が無性に愛おしくなった。『もう少しだから頑張ってくださいね…』。すると、おもむろに顔を上げ、のんびりと歩き出したチエ。思いが伝わったのだろうか…?
今回参加したのは、「カランビン・ホースライディング・ファーム」の半日乗馬ツアー。晴天に恵まれた当日の午前8時、サーファーズ・パラダイスでピック・アップの車に乗り込み、南へ約40分、カランビン・バーレイへと向かった。高層アパートメントのジャングルから緑のジャングルへと、車窓の景色はみるみる移り変わっていき、およそ30分後には、牛や馬などの家畜、野生のカンガルーらの出現が、もはや珍しくはなくなった。
ファームに到着するとまず、モーニング・ティーをいただきながら、注意点などの説明を受ける。徐々にイメージが湧くとともに、乗馬に初挑戦した時のことを思い出した。あれは約7年前のケアンズでのこと。急斜面の山道で『馬が転んでしまうのでは ? 』と怖くなり、体がガチガチに硬直。翌日はひどい筋肉痛を患ったのだった。その時の恐怖感が脳裏によみがえり、不意に緊張感に見舞われる。
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まずは常歩で、前の馬と一定の距離を保って歩く練習
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そんな心うちを見透かしたかのように、説明を続ける同ファームのオーナーが「馬は100%転びませんよ。大事なのは馬を信じて力を抜くこと」とひと言。その言葉のお陰で、すっかり気分がほぐれていく。思えば四足の動物が転ぶことなど滅多にない。
ヘルメットのサイズ合わせをすませてファームの練習場へ出ると、乗り方から手綱の持ち方、指示の出し方、降り方まで、スタッフによる実演を見学。一連の流れをイメージ・トレーニングし、心の準備も整った。そしてついに、本日のパートナーと対面。「チエ」という名前の優しい目をした雌馬を紹介された。
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野原で牛の群れに遭遇。子牛が見送ってくれた
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馬を目前にして改めて、かなり高さがあることを実感する。まずは背に跨るまでが難関だ。最初に左手で手綱とたてがみを一緒に握る。次に左足を鐙(あぶみ)に掛け、右手で鞍(くら)をつかんだ。あとは右脚で地面を蹴り一気に体を持ち上げる…のだが、日ごろの運動不足がたたった。3度目の挑戦でようやくよじ登る。
参加者がすべて馬に跨ると、常歩(なみあし)で練習場を大きくひと回り。これを何週も行った。不器用な手綱さばきながら、仕事のルーティーンをしっかり理解している利口な馬に助けられ、列を乱すようなことは免れる。ただ1つ困ったのが、チエが近道愛好家であること。各コーナーに配置されたポールは、その外側を歩くようにという意味だが、チエは決まってその内側を行く。手綱を使いどうにか外側へ誘導しようとするが“そんな指示では分かりませんよ”と言わんばかりにまた内側を行く。何とかうまく伝えようと試行錯誤を重ね、ようやくチエがポールの外側を歩いた時は、彼女に頬ずりをしたい気分になった。単純なことに思えるが、これぞ乗馬の醍醐味ではないかと思う。馬とコミュニケーションを図ること、そしてそれを楽しむこと。
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どこまでもマイペースな本日の相棒「チエ」
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皆が速歩(はやあし)までできるようになると、練習場を出て密林へと出発。一定の車間距離ならぬ馬間距離を保ち1列で進んだ。チエの後ろはエミリーという名の若い馬で、上り坂でもハイ・スピードで追ってくる頑張り屋さん。隙あらば草を食べようとするマイペースなチエは、エミリーをいつも足踏みさせていた。
こちらも手綱や脚を使うなどして草を食べさせないよう試みるが、ぎこちない指示はことごとく無視されてしまう。通じ合いたい一心で、最後は彼女の首に手の平を押し当て「チエちゃん、もう少しだから頑張ってね」などと念じる手段に出た。すると、チエがおもむろに歩き出したから驚いた。これを心が通いあった瞬間とみなし、1人歓喜の声を上げる。そんなチエとの触れ合いに、心は深く安らいでいった。
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いよいよ密林へ出発。やや上り坂を行く
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無事ファームに帰り着くと、最後の難関、下馬に挑む。お腹を鞍に乗せ、すべり落ちるようにして地面に着地した。手綱が引きずらないよう素早くたくし上げると、改めてチエの視界に入る。今さら照れくさい気がして目を見られずにいると、突然チエに横から押されてよろめいた。一瞬頭突きをされたのかと戸惑ったが、恐る恐るチエの顔を盗み見すると、彼女の目がとても穏やかなのが分かる。チエの好意が窺えて嬉しさが込み上げた。そしてまた、チエの長い顔がベロンと擦り寄ってきた。まるで、猫が飼い主に甘える時のように。そんな愛しいチエの唇は、深緑色に染まっていた(散歩中に堪能した草の色)。
馬と交わすコミュニケーションは、言葉が通じない分、自分の思いを伝えようと何倍も努力をする。それは、相手を何倍も思いやることなのだと思う。だから通じ合えたと感じた時、この上ない喜びと安らぎを得られるのだろう。ご褒美のニンジンをやりながら、「今度来る時は草を食べ過ぎないでね」と耳打ちすると、チエが頷いたように見えた。
QLD
■カランビン・ホースライディング・ファーム
住所:1678 Currumbin Creek Rd., Currumbin Valley
Tel: (07)5533-0133
Fax: (07)5533-0341
営業時間:毎日8AM〜8PM
※半日コースと1日コースあり。送迎とBBQランチ付き