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    見逃せないQLD
     - アン・ストリートから見えるブリスベンの歴史と発展  [2008/6/07]

見逃せないQLD

〜歴史ある時計台から、今最もトレンディーな最新エリアまで〜

 シティ・ホールのある市内中心地(CBD)から、今最も注目を浴びる最新エリアのフォーティチュード・バレーまで、ブリスベンの目抜き通り「アン・ストリート」を散策した。
取材・分・写真=本紙編集部


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今もなおBNEのアイコン的存在であるシティ・ホールの時計台

■シティ・ホール
 まず訪れたのは、1920〜30年の10年間をかけて建設された歴史あるシティ・ホール。これまでにビートルズやダイアナ妃など、数多くの有名人も訪れている名所だ。総工費は当時で約98万英ポンド。高さ92メートルの時計台を有し、73年までブリスベン(BNE)で最も高層な建造物として名を馳せた。今では新しい高層ビル群にすっかり見下ろされているが、その存在感は未だ健在。CBDに凛とした面持ちで佇んでいる。
 観光名所であるとともに、個展やコンサート会場になるなど、地元の人の娯楽場としても親しまれている同ホール。この日もいくつかのエキシビションが開催されていた。最初に、現在アメリカを拠点に活躍しているオーストラリア人カメラマン、アニー・ホーガンの写真展を覗いてみることに。

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強烈なパワーを放つアニー・ホーガンの作品「Field of mine,2005」Photo: Andra Bite Consulting

 力強い色と光のインパクトが勢いよく目に飛び込んできた。力強さの中に繊細さを秘める神秘的なオーラが、会場中に充満している。牢獄や誰も住んでいない家屋の中など、素材は極めてシンプルなのだが、外から差し込む光の効果をふんだんに利用し、ビビッドな色味を帯びた幻想的な作品に仕上がっていた。
 コツ、コツ、コツ…。自分のブーツの踵が床を叩く音だけが響く。開館して間もない、まだひと気のない展示場で1人、自由奔放にホーガンの世界に浸った。なんと贅沢なひと時なのだろう。
 続いて、1800〜1900年代に船で海を渡った移民たちの渡航記録を映像と展示物で紹介するエキシビション「デスティネーション・オーストラリア 移民の港」を訪れた。当時の古い映像、移民者の個人的な日記やアルバム、船の模型などを閲覧していくうち、スピーカーから鳴り響く汽笛の効果音も手伝って渡航の様子がリアルに見えてくる。

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CBDでひと際目を引く「アルバート・ストリート・ユナイティング・チャーチ」 Photo: Tourism Queensland

「2年前、遠い昔に私たちが船でたどり着いた場所に舞い戻った。そして、ちょうど下船した辺りに立って私は、震え始めた。子どもの手を握り締めながら震えていた、あの時の心境を鮮明に思い出して。この先どこへ行くのか、いったい何をして生きていくのか…、答えがどこにも見当たらなかった」。
 これは、1964年にイギリスからやって来た移民女性の言葉。同エキシビション会場を出ようとして、その言葉が出口付近の壁に刻まれているのが目に留まった。思わず目頭が熱くなる。この勇敢な移民たちが今のオーストラリアの原点なのだと感じ、このエキシビションの意味を改めて理解した気がした。きびすを返すともう1度、彼らの“旅”を注意深く追い直した。
 最後は、名物の展望台まで足を延ばすことに。ゴールドコーストの高層ビル「Q1」などがある今、地上76メートルの展望台は決して珍しいとは言えない。しかし、人の手によって稼動するアンティークのエレベーターには、現代の展望台では味わえない温かさがあふれていた。
 ゴーン、ゴーン、ゴーン…。ちょうど展望台に到着した時、時計台の鐘が昼の12時を告げた。振動が体中を伝い、胸の奥まで深く響いてくる。眼下の街では、まるでこの鐘の音が聞こえないかのように、変わらず目巡るしい時が流れていた。けれど展望台だけは、その重厚な鐘の音に時が静止した。

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フォーティチュード・バレーで見つけたオシャレなブティック Photo: Tourism Queensland

■フォーティチュード・バレーまでの道のり
 充実感のうちにシティ・ホールを後にして、アン・ストリートに出る。ゴシック調でかわいらしい外観の「アルバート・ストリート・ユナイティング・チャーチ」が迎えてくれた。ここを出発地点とし、いよいよアン・ストリートを北上。一路チャイナタウンのあるフォーティチュード・バレーを目指す。
 すぐ右手に、365日絶えることなく炎が灯る「アンザック・スクエア戦争記念碑」が見えてくる。先月25日がアンザック・デーだったこともあり、周囲にたくさんの花束が供えられていた。その左手にはセントラル・ステーションが見える。同駅から電車に乗れば、フォーティチュード・バレーまではひと駅という近さ。しかし歩くと、これが結構な距離だ。100年前から建設が始まり、未だに建設中ということで有名な教会「セント・ジョーンズ大聖堂」が右手に見えてくるころには、体がホカホカと温まってきた。この辺りから人通りはどんどん少なくなっていく。
 中華街の赤い門が左手に見えてくると、ようやく活気のある雰囲気が戻ってきた。中国語表記やアジア人の割合が一気に増え、ファッション・ブティックなども軒を連ね始める。ここでは細い横道にも気を抜けない。思いがけずオシャレなショップに遭遇したりする。

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CBDとは全く雰囲気の異なる新スポット Photo: Tourism Queensland

■今最もトレンディーなエリア
 そしてついに、今話題の最新スポットに到着。1つ目は、中華街からさらに数ブロック、アン・ストリートを北上すると右手にある「ジェームズ・ストリート」。右折した途端、時の流れが一転した。交通量と人通りの少なさが、リゾート地のような穏やかさを演出。同時に、両サイドに並ぶ洗練されたブティックとモダンなカフェが、ややハイソな雰囲気をかもし出している。綺麗に舗装された優雅な並木道を闊歩するうち、心も穏やかになっていった。
 もう1つの注目エリア「エンポリアム」は、そこからさらにアン・ストリートをワン・ブロック進むと左手にある。くの字型に建てられた背丈の低い居住アパートメント(約230室)のグランドフロアに、カフェやレストラン、ファッション・ブティック、ジュエリー・ショップ、ビューティー・サロン、画廊など、約35の商業用施設が入っているというもの。これが映画のセットに出てきそうな外観で、実にオシャレ ! 居住者がバルコニーに飾っている赤色の花も手伝って、どこかヨーロッパ風に映る。そんな新スポットで、地元の人のスタイリッシュな日常が刻まれていた。

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 オーストラリアの第3の都市として古い歴史を持ち、近年では最も発展の著しい都市として前進するBNE。そのさまざまな表情をつなぐ「アン・ストリート」を歩くことで、改めてBNEの魅力に気付かされた。この進化し続ける街並みから今後も目が離せない。


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