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    見逃せないQLD
     - タンボリン・マウンテンの隠れた魅力  [2008/3/28]

見逃せないQLD

タンボリン・マウンテン

 大自然の恵みと豊かな食、芸術が混在する魅力的な山「タンボリン・マウンテン」。この山には、名所が至る所に点在している。ドライブ中に、隠れ人気スポットに遭遇した。
取材・文・写真=本紙編集部


リキュアー製造所「タンボリン・マウンテン・リスティレリー」のかわいらしい外観

 摂氏36度。雨が降り続く昨今には珍しく、晴天に恵まれた2月某日、サーファーズ・パラダイスから約60キロ西にある、タンボリン・マウンテンを訪れた。標高約600メートル、人口約6,000人。そこには、ワイナリーやファームを営む人たち、趣味を楽しみながら気ままなリタイア生活を送る人たち、画家や写真家、陶芸家など、地元アーティストたちが暮らしている。
 そんなタンボリン山には、知る人ぞ知る隠れ名所が多く潜んでいるという。道沿いの看板ごとに車を止め飛び込んでみるのも一興。行き当たりばったりのドライブというのも、この山ならではの楽しみ方の1つだ。
 今回は、そんな気ままなドライブで出合ったうちの、最も印象深かった2スポットを紹介する。

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手書きのペイントが丁寧に施された手作りリキュールのボトル

■手作りのリキュール
 山の中心部からやや離れた場所にひっそりとたたずむリキュール製造所「タンボリン・マウンテン・リスティレリー」。表の看板はうっかり見過ごしてしまうほどおとなしく、入り口は車1台がギリギリ入れるくらいの幅しかない。その上「観光バスお断り」のサインまで立てられ、京都で言う「一見さんお断り」的な意図さえ窺える。
 木々に覆われた長い細道が続き、やっと開けた敷地に突き当たると、外壁にスペードやミツバのクローバーなどが飾られた、かわいらしい建造物が3つ現れた。車を止め、穏やかな時間の流れを感じながら、こぢんまりとした庭をゆっくり横切る。まるでおとぎの国にタイムスリップしたような気分だ。
 ところが、小売店と見られる建物の戸を引き開けた瞬間、状況は一変。驚くことに店内は、試飲に訪れた客で満員状態だったのだ。ここに来るまで人1人見かけなかったし、すれ違った車も数が知れている。しかもこんな隠れ家のような場所を、人々はどうやって知ったというのか ?

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愉快なオーナー マイケル・ワードさん

 「ハロー ! 」。どこからか陽気な声が飛んできた。白髪ヒゲの、まるでサンタクロースのような出で立ちの男性が、カウンター越しに陽気な笑顔を浮かべていた。同店の名物オーナー、マイケルさんだ。
 実はここ、正に知る人ぞ知る隠れ人気スポット。家族経営の小さなビジネスで、フルーツの収穫から発酵作業、ボトル詰め、販売までのすべてを家族4人と従業員1人の計5人で切り盛りしている。
 扱うアルコールの種類は、上質なウォッカ、アプリコットやリンゴなどを発酵させたフルーツ酒(ノン・シュガー)、コアラの好物であるユーカリで作ったお酒、ウィスキー・リキュールなど多岐にわたり、それらを注入した色とりどりのボトルがまた美しいこと。よく見ると、ボトル1本1本に花のペイントが施されている。聞けばそれは、オーナー婦人による手書きだそうだ。そのこだわりようが、同製造所をユニーク、おしゃれ、かつアーティスティックなリキュール工房に仕立てている。
 どれもアルコール度は40度近いため、3種のリキュールを、小さなグラスにほんの数ミリずつテイスティングするにとどまったが、中でも「チョコ&チリ」のリキュールは最も印象深かかった一品だ。試飲を薦められ、好奇心と疑心が交錯しながらも思い切って喉に流し込んだ数秒後、まるで生のチリをかじった時のように、舌や口の中がピリピリし始めた。時間差で喉がカーッと熱くなると、もはやチョコレートやチリの風味がどうという問題ではなくなった。ピリピリ感とともに喉が熱くなる、その刺激のコンビネーションが絶妙。試飲した人の半数以上が同リキュールを土産に持ち帰っていったから、そう感じたのは私だけではなかったということだろう。
 ほぼ口コミで評判が広がっている、この知る人ぞ知る小さなリキュール製造所。次回はどこか近くのコテージにでも宿泊し、たっぷりと、心置きなく試飲を楽しみたいものだ。

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チーズ・ファクトリー「Watches Chase」の外観

■最高級のブリー・チーズ
 ラッキーなことに、もう1つの隠れスポットがすぐ隣に位置していた。同じくファミリー・ビジネスから始まったというチーズの製造所「Witches CHASE」。迷わずハシゴすることに。
 ショー・ケースに並ぶチーズの種類の多さに呆然としていると、店員の女性が「試食しないとダメよ」と言って、ヤギや牛のミルクを使用したフェタやカマンベール・チーズを次々に味見させてくれた。
 チーズを食べて“クリーンな味わい”と表現するのもおかしな気がするが、とにかくどれを食べてもしつこさがない。濃厚で味わい深いのに、臭みがなく新鮮な風味なのだ。
 店員に一番人気のチーズはどれかと聞いてみた。すると彼女は首をかしげる仕草を見せて「これかしら」とブリー・チーズの1つを味見させてくれた。見た目は、これまでもよく好んで食べていたカマンベールにそっくりだったが、口に入れてすぐ、それは全く別物であると分かった。いったい自分が何を口に入れたのかが分からなくなるほど、一瞬のごとく、まるでクリームのようにとろけてしまったからだ。これほど滑らかでクリーミーなチーズはかつて食べたことがないと、感動で思わず奇声を上げていた。
 本紙が発行されるころには、同店はタンボリン・マウンテンのメイン通り「ギャラリー・ウォーク」に移転しているだろうと店員が教えてくれた。チーズ・ファクトリーに小売ショップ、さらにカフェなども加わり規模が拡大されるというから楽しみだ。ほかのどこでも手に入らない感動の品ブリー・チーズを引っ提げて、大満足のうちに同店を去った。

 帰り道、行きしなには気付かなかった看板が目に入るたび、「次回はここへ来よう」などとさっそく地図に印をつけた。ワイナリー巡りも良し、アート・ギャラリー巡りも良し。またこの山を訪れる日が待ち遠しい。

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かわいいヤギたちが出迎えてくれる

QLD
■Tamborine Mountain Distillery
住所:87-91 Beacon Rd., North Tamborine
Tel: (07)5545-3452
Web: www.tamborinemountaindistillery.com
営業時間:水〜土10AM〜3PM
■Withches Chase Cheese Company
住所:Cor. Long Rd. & Eagle Hights Rd., North Tmborine
Tel: (07)5545-2332
Web: www.witcheschasecheese.com.au
営業時間:月〜日10AM〜4PM
※上記は移転先のデータ

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