タスマニア再発見
- No.1 断崖の国立公園、タスマン半島 [2008/10/08]
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| ホーイ岬付近。中央が「トーテム・ポール」、後ろが「キャンドル・スティック」 写真提供:Sealife Experience社 |
新連載 タスマニア再発見
No.1 断崖の国立公園、 タスマン半島
文:千々岩健一郎 タスマニア南東の端にあるタスマン半島は、豪州最大の監獄跡ポート・アーサーで有名ですが、この半島東側の海岸線と周辺の島々は1999年に国立公園の指定を受け、「タスマン国立公園」として注目を浴びつつあります。
タスマン国立公園の特徴は、何と言っても高さ80〜100メートルの断崖が続く海岸線。これに沿って歩く断崖ウォークが、この国立公園の最初の楽しみ方です。
例えばホーイ岬トラックは、無人のフォート・エスク湾のビーチからスタートして真東に突き出たホーイ岬までの往復4時間のコース。乾いたユーカリの林間ルートを上り詰め、さらに下って行くと切り立った粗粒玄武岩の柱状節理(岩が柱上になったもの)の断崖上部に到達します。この断崖に沿って歩くこと30分で、タスマン海に突き出たホーイ岬の突端に到着します。ここでは「ランタン」と呼ばれる2つの岩礁が白い波に洗われています。
さらに、トーテム・ポール、キャンドル・スティックと名付けられた細く突き立った岩の尖塔は、ロック・クライマーたちの格好のターゲット。
このような断崖歩きのハイキング・ルートはほかにもいくつかありますが、もっと簡単に楽しみたい人は、船でこの海岸線を巡ること。イーグルホーク・ネックの船着場から高速のツアー・ボートに乗れば、1時間強でこの半島の最南端にあるタスマン・アイランドまで連れて行ってくれます。タスマン・アーチ、デビルズ・キッチンという異名を持つ水平に侵食された堆積岩の断崖が、突然縦に方向を変え、火成岩の柱状の岩壁に変化している様子は印象的。これはまさに2億年前に起こった大陸移動時の地殻変動の痕跡なのです。
このクルーズのほかの楽しみは、オットセイのコロニーをはじめとして、イルカやアルバトロス、シーイーグルなどの野生動物たちとも出会えること。途中立ち寄るフォート・エスク湾の海中には、気候変動の影響で絶滅の危機に瀕するジャイアント・ケルプ(海藻)の森も存在しています。短期間の訪問で、ハイキングの時間が取れない人は、ぜひこのクルーズ・ツアーで海の国立公園の魅力を楽しんでください。
千々岩健一郎 プロフィル
タスマニア在住18年。1995年より旅行サービス会社AJPRの代表として、タスマニアを日本語で案内する同社の運営を行なうとともに、ネイチャー・ガイドとして活躍。特に植物関係の造詣が深く、その専門知識をもとに各種の自然観察ツアーやメディアのコーディネーションなどを手がけている。北海道大学農学部出身。
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